BL小説3つのお題チャレンジ!【noteでBL第11弾】
皆大好きnoteでBL企画!
詳細が書かれているありがたい記事はこちらから。
七夕は過ぎましたが、すみ子が嵐のライブに行けますように!
(別の記事の話)
さて、今回のお題は
「夏祭り」
「ゾンビ」
「水」
どれも夏らしいですね。
夏祭りは言わずもがな。
ゾンビは、ほら、怪談で涼をとりますからね。ゾンビもホラーですしね。
夏にピッタリです。
水は水ですし。
さて、今回の私の作品は~!
前回「登場人物を少な目に」と言っていましたが嘘です。
「場面転換ない方がいい」と言っていましたが、これも嘘です。
登場人物めっちゃ多くなっちゃったし、場面もウゴウゴします!
結果として文字数もギリギリになりました。
4999文字!!
あっぶねーーー!!
「ゾンビみたいな信夫」を期待されているような空気を察したので、今回は信夫回です。
でもあいかわらず少年とちーちゃんも出しゃばっています。
というわけで人物紹介から。
市媛 信夫《いちひめ しのぶ》
大学生。
専門は民俗学。
背が高くて体格も良くて顔も悪くないけど年齢=恋人いない歴な男の子。
性格は真面目でお人好し。
久我のことが好きらしい。
酒は強くも弱くもない。普通。
久我《くが》
大学院に通う傍ら非常勤講師をしている。
初心な信夫をからかって遊んでいる悪いお兄さん。
来るもの拒まず去る者追わずで貞操観念が緩い。
ずっと隠されていた下の名前が判明した。
実は意図的に隠していたのだが、その意図がどうでもよくなったので今回明かされることになった。
少年
信夫の弟の遥夏のクラスメイト。
本名は「音無 響(おとなし ひびき)」。
実は未だに自己紹介をちゃんとしていないので、信夫から「少年」と呼ばれている。
無邪気で心優しい性格をしているのだが、とにかく人の話を聞かない。
父親は海外にいる。
ちーちゃん
英語教諭で本名は「千影 優(ちかげ ゆう)」。
少年と遥夏の担任で久我の同僚。
柔らかい雰囲気のイケメンだが、怒るとめちゃくちゃ怖い。
酒に強い。酔わない。
久我先生のお父さん
弁護士。
自分にも他人にも厳しいタイプ。ただ厳しいだけじゃなくて面倒見も良い。
潔癖症。
響の父親とは高校で同じ部活だった。
顔は久我先生そっくり。
ちなみに似た顔の姉がいる。
*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜
俺の住んでるところは7月に数日間の夏祭りが開催される。
以前は友人や兄弟で遊びに行っていたのだが、ここ最近は参加していない。
祭りの雰囲気は嫌いじゃないが、何となく行く機会がなかった。
でも今年は違う。
久我先生と一緒に祭りに参加しているのだ!
どうだ、すごいだろう。
ことの発端は先週末。
仕事帰りの先生と夕食を食べた時のことだ。
サービスでデザートにリンゴ味のシャーベットを出された。それをスプーンでつつきながら、先生が呟いた。
「りんご好きなんだよね。りんご飴食べたいな」
「夏祭りで売ってるやつ?」
いや、最近は夏祭り以外でもオシャレな店で売ってるんだっけ?
まぁ、そんな話題から入ったことは記憶している。
「週末、夏祭りでしょ? 行こうよ」
「え!? 良いんですか!?」
「何で敬語なの?」
というやり取りになって、今日は先生と一緒に夏祭りに来てるというわけだ。
夏祭り。
隣には浴衣姿の先生。
まさか浴衣を着て来てくれるとは思わなかった。
無防備なうなじとか、滅多に見ることができない素足とか、見ててドキドキする。
すげぇな、着物ってエロいんだな……。
スポブラとかガーターベルトとか足元にも及ばない。着衣の方がエロい。
ただペットボトルで水を飲んでるだけでも何かアレだ。
事後っぽさがある。
そう思う俺はおかしいのだろうか。
※おかしいです ←天の声
……天の声が聞こえてきたけど無視しよう。
りんご飴とイカ焼きを食べた先生は満足そうだ。
「人も増えて来たし、そろそろ帰る? お目当てのものは食べたし」
「えっ」
帰るの!?
俺、たこ焼きしか食べてないんですけど!?
じゃがバタも食べようかな~って思ってたんですけど!?
確かに混雑してきて歩きづらくなってきたのは事実だ。
夏祭りを抜けて、飲みにでも行くかと誘おうと思ったその時。
「輝?」
少し離れたところに、スーツ姿の男性が驚いた表情で立っていた。
身長はそれほど高くないが、小顔で整った顔立ちに細身の体。その辺を歩いてるオッサンとは造りが違う。
高級なフィギュアとおもちゃのオマケのフィギュアくらい違う。
祭りでは珍しいスーツ姿と言うのも相まって、「俳優か?」なんて二度見している人もいる。
俺はこの人の顔に見覚えがあった。
猫のような印象的な目。
この人、絶対久我先生の血縁者だろう!
あと、まさかこのタイミングで先生の下の名前を知ることになるとは思わなかったよ!
先生の名前、輝っていうんだね!
「父さん!?」
ほらやっぱり!
「え、何でいるの!? 人混み嫌いなのに!」
先生はめちゃくちゃテンションが高かった。嬉しそうに父親に飛びついている。
子どもみたいで可愛い。
「この祭りは顧客が協賛しててね。挨拶に来てたんだよ」
お父さんは弁護士だっけ。
確かに、何かお堅そうな雰囲気。
「お友達?」とお父さんに聞かれて「大学の後輩!」と答えていた。
うん、間違ってはいない。
間違っていないんだけど、モヤモヤするのは何故だろう。
「輝の父です。輝と仲良くしてくれてありがとう」
「こちらこそお世話になってます!」
俺は優しいから話を合わせた。
それにお父さんの好感度は上げておいた方がいいに決まっている。
「お父さん夕食食べた? 家で食べるの?」
「いや、これからだよ。帰るのがいつになるかわからないから、母さんにも用意しなくていいって言ってある」
先生はお父さんにべったりだ。
あれだ、単身赴任とか出張で長期不在だった父親に子供がくっついてる光景と似てる。
先生、成人してるけどな。
「い、一緒にご飯食べよ! 僕おごる! 親孝行する!」
「何でお前が奢るんだよ。普通親が払うもんだろう」
苦笑しつつもお父さんは嬉しそうだ。
家族仲、良いんだなぁ。
そして俺のことは放置なんだなぁ。
「父さんは構わないけど、お友達はいいのか?」
お父さんナイスフォロー!
俺もお父さんのこと好きです!
「うん! 人酔いしたから帰るって!」
ちょっと待って。
しれっと嘘をつくな。
確かに帰る話はしてたけれども!
「せっかく浴衣着てるのに、もう帰るのか? 似合ってるのに」
「えへへ……また三条さんに着つけてもらうからいいの」
先生、喋り方が少年みたいになってるぞ。
照れてる様子は可愛いんだけどさぁ!
もしかして俺、お邪魔でしょうか……。
俺が所在なさげにしていると、よーく知ってる声が聞こえてきた。
「ひめちゃんのお兄さーん! あ、久我先生も久我先生のお父さんもいるー!」
振り向くと、イケメンと手をつないで綿あめを食べている幼女みたいなショタがいた。
やっぱり少年だった~!
少年の登場は、吉と出るか凶と出るか。
悲しいかな、大体が凶なんだよな~!
「久しぶりだね。元気にしてるかい?」
「うん! ちーちゃんと毎日一緒だから心身ともに健康!」
え、ちーちゃんにそんな効果あるの!?
「それはよかった。お父さんは?」
「元気そうだった。音無・マサイ・奏になるって言ってたよ」
「……え?」
久我先生のお父さんが困惑している。
俺も意味がわからない。説明が欲しいところだ。
なんでマサイ?
「すみません、混乱させちゃって。音無さんが部族の人に気に入られたって話を勘違いして覚えてるみたいで」
少年に激甘なちーちゃんがフォローしている。
でも、この説明でわかるかな!?
俺はわからない!
部族って何!?
「先輩もあいかわらずだな」
お父さんは少年の父親とも知り合いらしい。懐かしんでいるような笑顔を見せた。
その顔は久我先生が時折見せる優しい笑顔と似ている。
お父さんは納得してるけど、俺の頭の中は未だにハテナマークが浮かんだままだ。
え、マサイは何?
もうマサイに関しては触れないの?
少年たちはもう帰るところのようで、久我先生も「僕たちも帰るとこ」なんて話をしていた。
俺、俺、俺のこと忘れてる~!
「父さん、何食べる?」
「この辺りはお前の方が詳しいだろう。輝の好きなところでいいよ」
「えー、どうしようかな」
これ、ワンチャン俺も混ざれるのでは……?
「俺、美味しい店知ってますよ!」って名乗りを上げればいいのでは?
お父さん、穏やかそうだから「君も一緒に」とか言ってくれそうだし。
勇気を振り絞って声を出そうとした瞬間、少年が俺の腹に突進してきた。
「ここで邪魔したら先生に嫌われちゃうよ」
聞こえるか聞こえないかの小さな声の忠告が聞こえてきた。
いつもと違う真剣な顔に、俺は動けなかった。
「それじゃあ、僕たちはここで」
お父さんの手を引いて、嬉しそうに去っていく先生の後ろ姿を見送る。
俺、気づいちゃったんだよなぁ
先生の香水の匂い。
お父さんと一緒なんだ。
先生の香水、ずっと気になってはいた。
先生らしくないと言うか、あまり若者がつける感じの匂いじゃないというか。
先生めっちゃお父さん好きじゃん!
俺、自分の父親にも久我先生のお父さんにも負けるの!?
ファザー強すぎでしょ!!
家族愛が強いのは良いことだ。
でも、ないがしろにされた気がして寂しい。
いや、いいんだ。
夏祭り一緒に来れたし……!
「ちーちゃん、ひめちゃんのお兄さん可哀想。なぐさめてあげよ? 何かゾンビみたいな顔してるし」
「そんな義理ある? ゾンビは憐れむものじゃなくて討伐対象でしょ」
「特にないけど、放置も後味悪いでしょ? 知り合い倒すの嫌だよ……」
おい、聞こえてるぞ。
あと俺をゾンビ扱いするな。
「音無くんが言うなら……。でも、先生慰め方知らないよ?」
「美味しい物を口につっこめばきっと大丈夫だよ!」
ちょっと待て、なぐさめる気ある!?
「そうしようか」
「そうしよ!」
どうやら2人の間で俺の処遇が決まったらしい。
こちらの意思は完全に放置だ。怖い。
「市媛くんのお兄さん、お酒飲めますよね?」
「まぁ、それなりには」
アルコールに関しては少なくとも久我先生よりは強い自信がある。
「良いワインがあるんですけど、僕一人じゃ飲み切れないので飲みませんか。生ハムもありますよ。というか原木が邪魔なので食べて欲しいというか……」
「原木あるの!?」
「生ハム食べながら一緒に映画観よ! 元気が出るやつあるよ!」
「そこ、ポップコーンじゃないんだ!?」
微妙にズレてる気がするけど、この2人なりに慰めてくれているのか。
何だか賑やかそうだし、たまにはいいか。
少年に手を引っ張られながら案内されたこのマンション。
……うん、デカいな。
いや、前々から駅前にデカい建物ができたなぁって思ってたけどさ。
オフィスビルだと思ってたんだよ。マンションだとは思わなかったんだよ。
まさかこんな身近に住んでる奴いるとはね!
ちーちゃん金持ちだな!
「ひめちゃんのお兄さん、映画観よ!」
「何観るんだ?」
ディ〇ニーとかジ〇リかな。
「海外のアクションもの!」
おお、意外だ。
元気が出るって言ってたし、俺を気遣って選んでくれたのかな。
何だかんだで少年は優しい子だよな。
……。
少年の説明に嘘はなかった。
アクションはあった。
襲い来るゾンビに対し、一致団結で戦う人間たち。
謎の映画だった。
だが、少年の説明には必要なことが欠けていた。
この映画の重要な要素であるスプラッタ要素について何の説明もなかったのだ。
さっきからゴア描写がハンパない。
赤ワインが生臭く感じられるくらいには画面が赤い。
何か色々飛び散っている。
「ふふっ」なんて可愛く笑ってる少年が恐ろしい。
いや、平然とレバーペースト食べながらワイン飲んでるちーちゃんも怖い。
さっき「元気が出る」って言ってたけど、この映画のどこからパワーを得ればいいのかな!?
映画を観始めてから1時間ちょい。ようやくスタッフロールが流れ、俺は開放された。
元気はマイナスになった。
あまり元気になってない俺を心配した少年が、今度はクマのぬいぐるみを持ってきた。
かなりデカい。
「ひめちゃんのお兄さん、これ貸してあげる。ぎゅーってしていいよ」
ふわふわのぬいぐるみは、確かに抱きしめたら気持ちよさそうだ。
むいぐるみを渡された瞬間、バニラのような甘い匂いが鼻をかすめる。
この匂いは嗅いだことがあった。
ちーちゃんの香水の匂いだ。
この前居酒屋で怖い思いをした時も、ついさっきも同じ匂いがした。
香水……。
今、香水という単語に関してはセンシティブになってるんですけど!
「良い匂いでしょ? ちーちゃんの香水かけたの! ぎゅーってすると、気持ちが落ち着くよ」
「おお、そういうことか……」
いや、少年はいいよ。
ぬいぐるみを抱きしめている姿を想像すると可愛いよ。
大好きなちーちゃんの香りに心が安定するのもわかる。
でもな。
俺が同じことしたら、ヤバいだろ。絵面的に。
それにちーちゃんの匂いで安心もしないんだ。
むしろ居酒屋の件がトラウマになってて、動悸が激しくなりそうだ。
「うん、遠慮しておく。少年が使え。これは少年だけのものだ」
そう言ってぬいぐるみを少年に返した。
少年は不思議そうな顔をしているが、君もいつか大人になったらわかる時がくる。
絵面って大事だからな。
いいか、ちーちゃんと少年の組み合わせも絵面的にヤバいからな。イケメン無罪になってるだけで。
さて、残りのワインを飲むか……というところでスマホが鳴った。
久我先生からだ。
『信夫くん? 今から飲みに行かない?』
「あれ!? お父さんとご飯行ったんじゃないの!?」
『行ったよ。でも、父さん心配性だから「早く帰りなさい」ってお開きになっちゃった。それに僕、父さんの前ではお酒飲めない子を演じてるからひとくちもアルコール摂取してなくて。ビール飲みたい』
酒好きの先生が、一滴も飲んでないだと!?
そりゃあ大変だ!
ちーちゃんの「さっさと行け」という視線が痛い。
「い、行きます!」
俺は挨拶もそこそこにタワマンから居酒屋へ走った。
結論から言うと、久我先生との飲み会は楽しかった。
楽しかったが……久我先生は、ずっとお父さんとの思い出やお父さんがどれだけ素晴らしい人物かを語っていた。
泣いてない。
俺は泣いていない。
目から何か水が出てきたけど、涙ではない。
過去イチで楽しそうに話す先生の様子が可愛いな……って感動してるだけだ。
その後、お父さんから「早く寝るんだぞ」というメッセージがきて、久我先生は酔いもあるのか「早く寝るから帰る!」と意味不明なことを言い出して、そのままお開きになった。
お父さんの言葉に素直なのも可愛い。
嫉妬とか感じてない。
好きな人と一緒にいられただけでも良かったことにしよう。
うん。
先生の残り香が、何だか切ない気持ちにさせる夜だった。
*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜*・゜゜・*:.:*・゜゜・*:.:*・゜
✨ここからあとがき✨
前回の音無パパ登場に引き続き、久我パパ登場回でした。
久我先生はファザコンです。
でも、お母さんのことも大好きです。
先生の浴衣は男性用の浴衣の色のバリエーションがわからなかったので特に描写しませんでした!
藍色あたりかな。
藤色とかも似合うかな。
あんまり藤色の浴衣見たことないけど。
響も浴衣着せようと思ったんですけど、描写すると文字数足りなくなるのでやめました。
だからここに書きます!
黄色い浴衣に赤いふわふわの兵児帯!
帯が金魚みたいで可愛いやつ。
ちーちゃんが選びました。
どう見ても女児用ですが、「黄色だから男女兼用」とか言って無理やり響を納得させてます。
ひどい男です。
響、本当にその男でいいのか?
久我親子の香水はことあるごとに話しているけど、これ。
信夫に関しては特に言及することはありません!
浴衣じゃなくてTシャツにジーンズです!
香水もつけてません!
あ、制汗剤くらいはつけてると思います。
あとは弟あたりにファ〇リーズ噴射されてる可能性はありますが。
そんなお話でした!
夏祭りは大抵予想ができますが、皆さんがゾンビと水をどう料理するのか、楽しみにしてます🥰
ゆっくり読んでいきたいと思います✨
そして次回の四四田さんとのコラボ企画!
こちらも楽しみです。
果たしてボーボボとギャグマンガ日和と南国少年パプワくんで育った私が死生観を扱った恋愛を書けるのか。
頑張る……!
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