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明暗對山流⭐︎普化尺八根本道場にお邪魔してきました

「虚無僧発祥のお寺」といわれている京都明暗寺の山門の看板の下には、「尺八根本道場」とある。

東福寺善慧院HPより


東福寺 善慧院(明暗寺)について

善慧院(ぜんねいん)は大永年間に臨済宗の僧、彭叔守仙(ほうしゅくしゅせん)が退隠所として創建しました。その後、1871年に明暗寺を合寺し、普化尺八明暗流の尺八根本道場になりました。なお、明暗寺は1335年、天外明普(てんがいめいふ)が虚竹了円を開山として創建したと言われています。


「尺八根本道場」とは


「尺八根本道場」について、稲垣衣白編『浦本浙潮先生』262頁には、「紫山師は明暗教会から独立した形で明暗根本道場を創りあげた。」とある。

大正十五年(1926年)八月十五日発行の『明暗』第三巻第一号には、巻頭に「普化の復興を宣す」という一文が大きな活字で組み入れられた。それは本邦普化宗の開祖朗菴虚竹晩年の居、宇治の汲江庵を再興することにおいて物心共に普化宗を再興しようと明暗根本道場の主旨であった。


宇治の汲江庵普化宗の再興というのが、「明暗根本道場」の主旨であったとのこと。
それと一心同体で、津野田露月の祖跡汲江庵再興会が結成され、それが宇治ではなく、小林紫山宅、即ち明暗根本道場に出来、谷北無竹が明暗三十六世を継承する時に、本尊虚竹禅師像の木像がそちらに移されることになった。

明暗教会に飽き足らないと、ある意味で革命的あるいは革新的な立場から明暗教会と離れて作られた小林紫山の明暗根本道場は、既に生命を失っていたが、形の上で再び明暗教会に吸収されたことになったようにみえる。

と浦本浙潮は書いている。

先程の写真にある現在の「明暗寺」は、その後昭和25年(1950年)に宗教法人として再興された。

現在は、宗教法人「明暗寺」の元に「明暗教会」「虚竹禅師奉賛会」「明暗寺護寺会」と、四つの組織が連なる形になっています。(小濱明人著「尺八の聖地2 明暗寺」邦楽ジャーナルより参照)


という事で現在の「明暗尺八根本道場」は、京都明暗寺内に吸収されているという形のようですが、この流れを汲む別の「普化尺八根本道場」が存在する。

それが、明暗對山流四世である塚本竹仙師の開く「普化尺八根本道場」だ。


塚本竹仙師とは昨年ご縁があり一度お会いしました。


今回は昨年竹仙師をご紹介下さったそのお弟子さんに、竹仙師の道場に行くお誘いを受けまして、自宅兼道場に案内して頂くことになったのだ。

noteにも書いたように、塚本竹甫師のことは本で知っていてもご子息竹仙師の事を存じ上げなかったばかりか「明暗尺八根本道場」の存在も私は知らずにおりました。


竹仙師は、幼少期から父親である塚本竹甫師に尺八の手ほどきを受け、虚無僧行脚にも同行。ご本人曰く子連れ狼のようだったとのこと。剣道も幼い頃から学んでいたという武道家で、四歳の時に父親からもらった木刀が床の間に刀と一緒に飾ってある。
今井宏泉著『素浪人 塚本竹甫』にある、三十七世谷北無竹から譲られたという対山流三世の看板もここに飾られていた。

ご自宅に伺った際は、一緒に食事を頂いたり散歩に行ったり弟子でもないのに大変良くして頂きました。
そして、一緒に吹き合わせもして頂き、こんなへっぽこが20数年も明暗流を吹いている事にさぞかし驚愕された事と想像しますが、散々お叱りも受けつつ、その数倍もの貴重なご指導頂いた次第です。



竹仙師は、前述のnoteにも書いたように中国の横笛奏者の趙松庭師と出会い、中国に尺八を返すという彼との約束を果たしているということで、中国で道場を開いていましたが、数年前に日本に戻り道場を開きました。今は中国から生徒さんが道場を訪れます。

生まれたのが100年遅かったかも、というような気質の方で、「普化尺八根本道場」は、武道と禅の精神を明治の頃のまま引き継いでいるかのようでした。


ちょうど中国から若いお弟子さんたちが習いに来るという事で、稽古の見学をさせて頂きました。この日は集会所にての稽古。

若者ばかり。



畳の説明から始まり、基本の音の出し方、姿勢などなど、とても丁寧に初心者に向けての稽古から始まります。そこに熟練者も加わります。
これは毎回初心に帰る為にも、熟練者自身が弟子に教える時の為にも大変良い稽古だと思いました。

是非ともこのような稽古は日本人向けにもと思いますが、竹仙師は趙松庭師との約束の為に中国の方々に教えているだけとの事。日本人には教えないそう。

ただし、竹仙師、めちゃめちゃ厳しいです。

正眼寺の時のnoteにも書きましたが、その厳しさはその人に対する真摯な愛情の表れだと感じます。

ご本人はご自身の記録を残すつもりはなく、誰にも知られず生涯を過ごしたいとのご意志ですが、既にお弟子さんも活躍されており、そのうち日本人が明暗對山流を中国のお弟子さんたちに学ぶ日が来るかも知れませんね。

尺八も文化も、海を越え陸を越え、30年後にはどうなっているのでしょう。


明暗對山流、塚本竹仙師の「普化尺八根本道場」のお話でした♪

参考文献
神田可遊『尺八研究』第10号 
今井宏泉『素浪人 塚本竹甫』
今井宏泉「禅話 吹禅」『一音成仏 第七号』虚無僧研究会機関誌
稲垣衣白編『尺八本曲と古管尺八を愛好された浦本浙潮先生』

明暗根本道場については、國見昌史師のブログから参考資料を知ることになりました。この場をお借りしてお礼申し上げます🙏



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