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不登校を経験したからこそわかる、学びたいときに学びにつながれる大切さ。子どもの選択肢を狭めないために

私は現在山形に住み、オンライン不登校支援「room-K」のメンター&現場リーダーとして活動しています。今回は、子どもたちとの関わり方の原点になっている私自身の不登校経験と、教育や支援に関わることに怖さを感じていた私が、なぜroom-Kに参画したのかについて、お話ししたいと思います。


中学校3年生のある日、私は学校に行けなくなりました。はっきりしたきっかけはなく、受験に関するプレッシャーや、思春期の女子特有の感情的なコミュニケーションに疲れてしまったのです。

でも、家族も先生もそんな私の気持ちを尊重し、私がやってみたいことを応援してくれました。そのおかげで私も学校に行かないことに不安を感じることはなく、「自分は大丈夫」という漠然とした自信をもっていたように思います。

高校には進学せず、ハワイやニュージーランドなどに短期留学し、アメリカの短大に入学しました。帰国した後、アルバイトを始めたファーストフード店で、自分のこれからについて大きな刺激をもらった出会いがありました

5〜10歳上のアルバイト仲間の方々が、酒蔵で働くための勉強をしていたり、資格を取るために通信の大学に入っていたりと、みんな何らかの目標や夢をもち、それに向かって頑張っていたんです。

みんながアルバイトを卒業していく前提で働いていることを知り、私も次のステップとして何か目指すもの、進む場所を探そうと思うようになりました。

そして、高等学校卒業程度認定試験を取得し、地元の芸大の文芸学科に入学。現在もメンターとして尊敬する恩師と出会って心理学を学び始め、大学卒業後、認定心理士の資格を取得しました。

そんなとき、ネットでカタリバのメンター募集の告知を見つけました。

もともと、教育分野に自分が関わることはあまり考えていませんでした。むしろ自身の不登校経験から「教育の仕事は誰かの人生を大きく変える可能性を持つ責任重大なもの」と感じていたので、そうした仕事に携わるのは少し怖いような気持ちもあって......。

でも、1対1で話を聞くメンターならできるかもしれない。そう考え、2022年からroom-Kに参画しています。

最初はとにかく手探りで子どもたちと向き合いました。でも、数ヶ月経ったとき、保護者さんから「うちの子、変わってきました!本当に感謝しています」というメッセージをいただいて、自分の関わりの何かがその子の心に届いていることに、大きな驚きとやりがいを感じました。

同時に私自身も、子どもたちと過ごす中で、「ここにいられてよかった」と感じられる機会をもらっています。1対1で話すことが誰かの、そして社会のために少しでもなるなら……これが自分にとって本当の「仕事」なのではないかと思います

子どもたちはみんな、自分の力で人生を切り開いていきますが、私たちの関わりが少しでもその子の活力になれたらと願いながら向き合っています。

ただその一方で、最近は「子ども時代に学ぶ大切さ」も強く感じています。
私自身、不登校で学びから遠ざかっていた期間があったために、いわゆる「一般教養」みたいな部分が抜け落ちているのではないか、という感覚をずっともってきました。

今年から通信制の大学に入学し、公認心理師の資格取得を目指して勉強をしているのですが、10代のやわらかな脳で勉強していたら、もっと多くのことを早く吸収できただろうと思うことがよくあります。

それでも、不登校であっても、自分が好きだと思うことや学びたいと思えることに出会えたタイミングで、いつからでも学びにつながることはできると思っています。
だからこそ、子どもたちが学校に行かない選択をしても将来の可能性が狭まらないように、room-Kで多様な経験をしてもらいたいです。

勉強に向き合うのがつらい子には楽しく遊べる時間やゆっくり話せる時間、「少し頑張ってみよう」と思い始めた子には学習機会や目標を見つけるお手伝いなど、その子に合ったサポートができたらと思います。

また、現在はマインクラフトを活用した支援の可視化も進めています。誰でも使いやすい形にまとめ、多くの不登校の子どもたちや支援者の方々に活用していただけるようにしたいと思っています。

今回のコラム担当:樋口早紀 (ひぐち・さき)/ room-K 現場運営フロアリーダー

1989年生まれ。山形県出身・在住。大学卒業後、他職種を経験しカタリバにて業務委託として働き始める。room-Kではメンター、ユーススタッフとして業務に取り組み、現在は事務局として日中現場のリーダーを務めている。日中現場では教育版マインクラフトなどのゲームを用いた活動も担当している。


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