コードギアス奪還のロゼは駄作である。批評と感想。

 当時映画を毎回観に行き、ディズニープラスも入り何回も見直した。当時から酷い作品だと思っていたが、地上波放送を気に、また見直したところやっぱり酷いので批評と感想をまとめたいと思う。
 嫌いとかじゃない。あまりに脚本と演出のクオリティが低すぎる。
 キャラクターデザインやナイトメアフレームのデザイン、音楽などは魅力的なのに脚本と演出のクオリティが低すぎて、物語として成り立っていない。
 破綻した継ぎはぎのストーリー、中身のないキャラクター、意味不明な会話、無意味なシーンの羅列、さらにはコードギアスの解釈ミスまであり、それはもはや制作陣がコードギアスを観ていないのではないか?と思わせるほどである。

制作陣がコードギアスに興味がない

『『反逆のルルーシュ』が、ファンの方に受け入れられたと思う点をピックアップしていったんです。友情や愛情、すれ違い、政治劇、KMFなど、様々ありましたが、できるだけそれらを採り入れようということになりました。』
 この作品はこの言葉どおりの作品である。それ以上でもそれ以下でもない。だからこそ、明確に駄作になった。
 この考え方は『奪還のロゼではコードギアスの続編として何を描き、何を語るのか。』の答えがない者の発想であり、事実、この作品には根幹となるテーマがない。
 何か哲学的なメッセージや政治的な信条、人間ドラマ、メカアニメとしてロボットをかっこよく見せる、キャラクターを魅力的に描く、なんでもいいがこの作品を制作する上で『これが描きたい!』というテーマがないのである。
 だから逆説的に唯一一貫した方針として『セルフオマージュとそれっぽいシーンで尺を埋める。』ということが発生する。
 その手法自体は完全に否定されるものではないが、コードギアスという最高峰の材料を提供されておきながら、それで何を描くかを考えることができないような制作陣なので、セルフオマージュもまともな解釈がされておらず、描写・演出もレベルが低く、旧キャラクターの解釈も間違っている。
 描きたいものがない故にストーリー上必要になる描写に優先順位が付けられず、オマージュに拘泥し、必要なシーンが不足しているにもかかわらず、不要なシーンが挟まれることになる。
 この作品を見た人の多くが『尺不足だった』と言う。
 その評価は正確ではなく、正しくは『尺が余った』のである。
 描きたいテーマがないために、取り合えず反逆から要素を持ってきて並べ、それっぽいシーンでつなぎ合わせたのがこの作品である。しかもそれでも尺が余ったので無理矢理シーンを冗長にすることで尺を埋めている。
 だから、ダモクレスを無意味に破壊することになり、アッシュは怒る必要のないことでサクヤに怒り、サクヤはウィンチで何度も上下することになる。
 尺が足りなそうと実感し始める終盤でさえ、黒戸の親子語りがはじまり、ノーランドはキャサリンとアッシュでまったく同じ戦いをし、ロゼはピラミッドの頂上であっさりと捕まるのである。最終話に至っては冒頭に執拗な虐殺シーンと無意味なCパートまである。
 この制作陣に何クール与えようが、意味ありげだけど中身のないキャラクターとそれっぽいシーンが挟まれるだけで、ナタリアみたいないつの間にか軍用シェルターに避難しているスパイやハルカみたいな電池入れるだけの2番槍が増えるだけである。

皇重護が命じる、アッシュよ、娘を護れ

 この作品の核となるのがサクヤ(ロゼ)とアッシュだと思っているのなら間違いである。
 アッシュが劇中で最も愛しているのは、サクヤでもニコルでもロゼでもなく、皇重護である。
 重護に心奪われたアッシュは、娘だからという理由だけでサクヤを護ろうとし、弟に成り代わっていたことをあっさり赦し、そして死に際に重護に気持ちを重ねるのである。
 数日間拘置所で飯を食って少し話しただけのおっさんに惚れ込み、脱獄に失敗した責任まで勝手に感じるのは、重護にギアスを掛けられたからとしか思えないほどであり、しかも最後まで解けることがない。
 アッシュは最初から最後までサクヤを護る理由を『重護さんの娘だから』から脱却できなかった。
 脚本家にはサクヤとアッシュで伝えたいテーマがないので、アッシュの行動原理について深く考えていないのである。
 この二人のターニングポイントになるシーンを時系列順に並べると
 ①アッシュが重護に娘を護るよう依頼される
 ②サクヤとアッシュが遭遇し、サクヤがアッシュにギアスを掛ける
 ③アッシュのギアスが解ける
 ④サクヤがアッシュにギアスを掛けなおす
 ⑤アッシュが死ぬ
 となると思うが、実は最初から最後までこの二人の関係性は変わっていない。

①アッシュが重護に娘を護るように依頼される


 会話のクオリティが低いとか看守の忠誠心が不自然だとかは一旦置いておいて、アッシュと重護が密接になる過程が意味不明である。
 アッシュはノーランドの暗殺者として親重護派の貴族などを殺しまわっているはずで、間接的に重護を死に追いやっているはずなのに、それに対する罪悪感がまるでない。
 後々アッシュが「皇重護は俺が殺した!」とヒスるけど、実際そのとおりだと思う。
 重護はカリスマ性のあるキャラクターとして描かれているが、弟が死んだ直後のアッシュに「また好きなものを見つければいい」などと抜かすし、サクラについてはノーコメントなあたり、こいつたぶんモラハラ、ノンデリだと思う。
 いっそのこと重護にギアス持たせて、娘を護るようにギアスを掛けたとかのほうが、娘のために手段を選ばない感じで無能だけど愛はあるキャラクターになったし、アッシュについても後々動かしやすかったと思う。

②サクヤがアッシュにギアスを掛ける


 パイロットスーツを着たブリタニア人の男がナイフを持って目の前に来たら、父親がノーランドに処刑された娘としては、自衛するのは当たり前である。
 サクヤがアッシュにかけたギアスは「あなたが一番大事なものとして、私を守りなさい」(このギアスがすでに不自然なことは置いといて)であるが、この時点でアッシュが一番大切に思っているのは重護なので、サクヤのことを重護だと思うのが自然ではないか?もしくは重護に託された娘であるサクヤを一番大切だと思っている可能性もありこのギアスは成り立たない。
 弟と思い込む(しかもロゼという新しい弟)までの過程が非常に不自然であり、なんでそうなるかというと、兄弟の絆の演出がしょぼすぎるから。
 1~6話の前半でアッシュからロゼ(兄から弟)への愛情の演出もほとんどないし、肝心のニコルがうざい感じになってしまっているので、ルルーシュの狂気的なシスコン要素をアッシュには感じることができない。だから、ギアスが解けたときの怒りにも無理を感じてしまう。

③アッシュのギアスが解ける


 ロゼの正体がバレるシーンであるが、前提としてサクヤがアッシュにギアスを掛けていたことの罪がそんなにないため、アッシュの怒りの正当性が弱い。
 生きている弟に成り代わっているならアッシュの怒りもわかるが、先述したようにサクヤのギアスは弟に直接成り代わるものではないので、勝手に弟と思ったのはアッシュである。サクヤのギアスからは、既存の人物に成り代わることは必ずしも読み取れるわけではないし、しかもニコルではなくロゼという新しい弟を生み出している。サクヤはアッシュに合わせて弟のふりをしていたことになり、それは一種のトラウマ治療ですらある。
 演出上アッシュが一時的に怒りを見せるのはいいとして、サクヤを赦す理由についてはありえない。
 ギアスが解けたアッシュは「弟として俺をだましてきたこと、それだけは赦さない。」と言って、救出できるサクヤを助けずにその場を1回離れて、それにもかかわらず結局特段の理由なく引き返してきて(この間に一般市民2名が死亡)、クリストフを不意打ちで襲い、サクヤに「俺はまだすべてを赦すことはできない。でも、俺を救ってくれた皇重護は信じている。…あなたを護るとあの人に誓ったから」と言う。
 このシーンはルルーシュとロロのオマージュとして、『偽物の兄弟は本物に成り得るか』というテーマを描くのに絶好の機会であったにもかかわらず、1年間以上一緒におり、数々のミッションをナナシの傭兵として過ごし、その間に偽物だったとしても本当の兄弟のように過ごしているはずの二人の絆は、拘置所で数日一緒に過ごしたおっさんに敗北したのである。
 サクヤを赦す理由は、アッシュとロゼの兄弟として過ごした「あの時間も本当だったから」でよかった。ついでに言うと直前のシザーマンの「ギアスの力で得られる信頼などありはしない」という前振りとも嚙み合わない。確かにギアスで作られた兄弟の信頼は否定されて、拘置所の誓いのほうが強かったことになる。
 アッシュは「弟として俺をだましてきたこと、それだけは赦さない」と言っておきながら「二人で行動するためには、ロゼの存在は必要だ。ことがすむまであなたはロゼのままでいたほうがいい」などと言う。(この時点でノーランドにロゼの正体がバレているので隠す必要もないし、むしろ正体を明かすほうが誠実である)
 アッシュにはロゼとの思い出が一切なく、1年間一緒に過ごしたロゼという弟の存在を一瞬で心から抹殺している。
 結局、拘置所でちょっと話しただけのおじさんを理由にサクヤを赦すのだし、弟への思いも大したことないので、最初からそんな怒るなよと思う。

④サクヤがアッシュにギアスを掛けなおす


 最後の決戦直前のギアスを掛けなおすシーンについては、ロゼの仮面を取り外してサクヤとアッシュの関係で挑む覚悟と誓いのシーンとして表現されているが、先述したようにこの時点でロゼは不要かつアッシュの心からも抹殺されているので、そもそもロゼの仮面を外すという表現に意味がない。
 しかも、ギアスが解けた後から、この二人が特に絆を深めるシーンがない(サクヤは独りで立ち直った)ので、このギアスで何を言いたいのかわからない。
 例えば、先述したようにロゼを本物の兄弟として赦したのであれば、兄弟から新しい関係(姫と騎士等)に進むことを示唆するシーンにできるが、この時点ではせいぜいギアスが解けて気まずい相手とラズベリーの正体という関係性でしかないので、友情も愛情も十分に育っていない。
 だからここでギアスを使われても、トラウマを克服するチート以上の意味を持たせられておらず、覚悟だとか誓いとか、それっぽいキーワードを使って雰囲気だけいい感じを出しているだけで中身がない。
 本筋から離れるがギアスの内容も酷い。
 「皇サクヤが命じる、アッシュ・フェニックス、あなたは私の騎士として、ともにノーランドと戦いなさい。そして必ず勝つのです。世界を護るために。」
 急に出てきた『騎士』という立場、『世界を護るため』という目的はどこから出てきたのか。
 あとギアスの中にノーランドという固有名詞は絶対に入れては駄目だろう。
 無理にでもギアスを掛けたいのであれば
 「皇サクヤが命じる、アッシュ・フェニックス、あなたは私の騎士として、ともに世界を護りなさい。」でよかった。それでも唐突な感じは否めないが。
 このシーンで端的な内容のギアスに出来なかったのは、まさにこの二人で描きたいテーマがないために、この二人をどういう関係にしたいかというビジョンがなかったからだろう。

⑤アッシュが死ぬ


 本当にしょうもないシーンである。
 なんで帰りの燃料がないことがノーランドと心中することに繋がるのか。
 死に際に言うセリフが重護の回顧なのは、さすがにしんどい。
 サクヤとアッシュが一緒に過ごした時間は、ほとんどがロゼとアッシュの時間であったはずであるが、ロゼとの思い出を振り返るシーンが皆無(そんなシーンがないから)なので、サクヤが号泣するほどの関係性も感じられない。
 アッシュを死なせることが決まっていたとしても、わざわざノーランドと心中するくらいなら相打ちで死ねばよかったと思うが。
 個人的には、「私の騎士でしょ!死ぬのは許さない!」キュイーンでアクロバティック脱出・落下で死にそうなところを、ランスロットorグレンが助けてくれるを見たかった。

まとめ


 アッシュと重護の関係が強すぎて、最初からアッシュを味方に設定したのは失敗だったと思う。
 ギアスを掛けてコキ使うことの罪がなく、二人の関係性で乗り越えるべき壁がなくなってしまう。
 例えば、自分を暗殺しようとしたアッシュにギアスを掛けて弟に成り代わり、一緒に戦っていくうちに兄弟としての絆を深め、最終的にギアスが解けてもアッシュが味方になってくれるというほうが、『嘘の優しさ』や『嘘に対する赦し』というコードギアスとのテーマとも一致する。
 そうすれば、サクヤとアッシュの関係でも仲を深めて、最終戦のギアスのシーンで兄弟からの脱却、新しい関係でサクヤのために戦うという覚悟のシーンにできたと思う。
 本作には『偽物の兄弟が本物になる話』『姫と暗殺者が王と騎士になる話』あたりを期待していたが、まったくそんなことはなかった。

サクヤ、覚悟なし

 この作品のキャラクターは総じて中身がないが、サクヤについても例外ではない。
 サクヤはギアスを全然つかわない。
 雑魚から情報を引き出すくらいにしかまともに使用しておらず、アッシュに対しても直接死を招くようなギアスではない。
 七煌星団やレジスタンスにさっさとギアスを掛けるのかと思いきや、なぜか岩本や東見には素性を明かすこともギアスを使うこともせずに、『同盟』とかいう詭弁でレジスタンスを傘下に治めている。(なぜか特攻するほど忠誠心が高い)
 1話のカークウェイン兄に掛けたギアスですら選択の余地を与え、死の責任を本人に被せている。
 つまりサクヤはギアスに対する覚悟がまったくないのである。
 ルルーシュは覚悟がある者にはギアスを与えることがあることを復活の最後で示唆しているが、これではルルーシュの人を見る目を疑ってしまう。
 3話でナタリアとサクヤの会話中にギアスについて葛藤するシーンがあり、「王の力は私(お前)を孤独にする」という言葉に葛藤するシーンがあるが、ギアスに関して葛藤するだけの出来事がないし、ロゼの正体を知っている者は結構沢山いる(というか目の前にいる)ので、まったく孤独ではない。
 同じ3話最後にサクラが即位したことに対して、「王の力はお前を孤独にする。大切なものをお前から遠ざけるだろう。」という回想が入り、「これがそうだと言うの!」とサクヤが思っているが、まったく違う。
 ルルーシュは元々あったナナリーやシャーリーなどの日常を、ギアスの力で反ブリタニア活動に勤しんだ結果、日常には戻れないほどいろいろ失ったという話であって、サクラの即位にサクヤのギアスはまったく関係がない。
 ギアスの罪がないので最後のアッシュにギアスを掛け直すときの直前の回想なんてクリストフに殺されたモブしか出てきていない。
 行動の末の結果に対する責任というギアスとは関係のない話を、サクヤは無理矢理ギアスに結び付けて考えており、その結果、全部ギアスのせいにする無責任なキャラクターに見える。
 そして、こいつは皇サクヤという立場でも責任を果たしていない。
 素性を明かせばギアスを使わずとも解決することが多いはずであるが、必要な時に素性を明かさない。
 ノーランドサイドに正体がバレた後ですら、こいつはレジスタンスたちに正体を明かさない。
 サクヤという正体を明かしてサクラを助けに行く、ノーランドを倒すことを宣言するほうが誠実だろう。
 そもそもサクラの命が危ないから素性を隠しているはずなのに、ロゼ=サクヤを知っている人が多すぎる。ナタリア、喫茶店メンツ、黒戸、黒の騎士団などが知ってしまっており、いつ情報が洩れてもおかしくはない。さらに言うとこいつらは、アッシュについてどう認識しているのか不明である。(間接的にギアスの存在を認識できてしまう)
 「王の力はお前を孤独にする」ともまったく演出上一致していない。
 終戦後のサクヤのヒステリック自傷ギアスは、ギアスを所持=罰と単純に考えている脚本の浅はかさが出ている。
 ルルーシュと違ってサクヤのギアスの使い方は先述したとおりであり、何の責任を取るのかまったく不明である。
 ギアスのせいで大切な身内が死んでいるならまだしも、アッシュが死んだ理由はギアスではないし、劇中では雑魚にしかギアスを使用しておらず、レジスタンスをギアスで支配下に置いて特攻させるとか、その結果ブリタニア人を虐殺する悲劇を生んでいるなどしなければ、ギアスの責任と言われてもピンとこない。ギアスを使った一般市民がクリストフに拷問されたり、一般市民が人質にされたりするが、それらは普通にクリストフの罪だし、行動に対する結果責任であってギアスは関係ない。(というかなんでナタリアを人質で出さなかったのか?)
 サクヤは統治者として北海道を治めていかなければならないので、その責任を果たすという意味でも喋れなくなるのは、むしろ統治者としての責任を考えていないように見えてしまう。
 サクラや周りに当たり前に気を遣わせるってお前ナナリーの笑顔の意味がわからないタイプだな?いや実際、脚本家はナナリーの笑顔の意味わかってなさそうだけど。

サクラの霊圧が…消えた…

 サクラはサクヤの第一の奪還対象であるはずであるが、序盤に取り逃がして以降はまったくの空気となった。
 サクラについては物語上必要なシーンが一切ないので、居なくても問題ないくらいである。
 レジスタンスとして打倒ノーランドを掲げるのは北海道を取り戻すという動機だけで十分なので、サクラがいなくても話が成り立ってしまう。
 サクラが敵対関係になるとか最後までノーランドの人質になるとかしていれば、多少の意味を持たせられたと思うが、結局政庁でおじさんとギャルとおしゃべりしているだけなので、尺を圧迫しているだけである。
 そもそもサクラが影武者(親友)という設定はかなり足を引っ張っている。
 この設定のせいでサクヤ側はサクラを殺されないために自分は身分を隠すという動機はできても、サクラ側には動機がない。
 影武者が本物に成り代わって即位までしたら意味不明(レジスタンスの士気低下)だし、せめてもっと葛藤を描くべきだった。
 サクヤとサクラの思い出シーン(迷子)も弱すぎて、サクヤとサクラのお互いの思いが全然くみ取れないし、実際物語終盤にはサクラを取り戻すことからノーランドを倒すことに目的がすり替わっており、最後の2話についてはお互いを気にするシーンが皆無である。なんでサクラを人質にしなかったのか。
 サクラは姉妹もしくはクローンという設定にするべきであったと思う。
 姉妹ならサクラ側の即位の動機に正当性が持たせられるし、サクヤとサクラ、ロゼとアッシュという本物の姉妹と偽物の兄弟という対比で、サクヤの葛藤を描くことができた。
 クローンであれば、ノーランドと絡めやすくなるし、ノーランドの深堀をすることもできる。
 そもそも影武者という役割は、ノーランドの立場と似ていて、人権がない。なんなら、戦後サクラは一生サクヤの介護生活になるわけだから大変かわいそうであるが、そのことに言及されることはない。
 サクヤとサクラの立場を入れ替えて、サクラに姿を変えるギアスとか持たせたほうが面白い話を作れたと思う。

本当に中身がないラスボス

 ノーランドについては、大した情報がないのに、数少ない情報だけで小物なのが確定している。
・兄弟の絆に嫉妬してます。(OPだけ)
・ガキと強盗の2キルです。
・ギアスのこと知りませんでした。(ギアスをほしがる)
・意味もなく皇帝暗殺します。(蚊マシーン)
・意味もなくダモクレス壊します。
・平和交渉団を死体で返します。
・サクラに呼ばれて部屋まで行きます。(ご意見は拝聴しました)
・アッシュは特別です。(キャサリンも殺しません)
・棒立ちで戦います。
・プライドが高いです。(アッシュ曰く)
・人類を抹殺するのにダイソンシュレッダーを世界にバラまきます。
・ロキ作った仲間の科学者殺します。
・死んだらロキ止まります。
 動機がどうとかロキを世界にバラまくとか以前に、こいつは頭が悪くて大して強くない。
 こいつの劇中での評価と演出が噛み合って無さすぎる。
 こいつが弱いせいで、ノーランドサイドだけじゃなくて、味方陣営まで株が下がっている。
 重護、こいつに負けたの?アッシュの暗殺がノーランドに多いに貢献していることがわかる。
 せめてノーランドにギアス持たせるべきだった。こいつの無能さは、ギアスがないと覆せない。
 脚本を雰囲気で作ってるからクローンだけど、クローンである必要のないキャラクターが生まれる。
 こいつが反逆のダモクレスとフレイヤを超えるラスボスにはなり得ない。
 前作の主人公とラスボスの格を下げるのは駄作続編にやりがちだけれども、それは前作に対して愛がないからだということを奪還のロゼは教えてくれる。

リストラリスト

 前提として、脚本家のお気に入りキャラクターが露骨で、女キャラが死んでいない。
 ストーリー上、無理矢理ねじ込まれたような、居なくてもいい、不要なシーンばかりのキャラクターが多すぎる。

1 ナタリアと喫茶店メンバー

 こいつらマジでいらない。いらないというかいないほうがいいまである。政庁にナタリアみたいなスパイがいたら、サクラの奪還なんてすぐできる。しかも連絡もめっちゃできる。サクヤを孤独にしないし、人質にもならない。

2 ハルカ含む七煌星団

 ナナシの傭兵という設定を殺した戦犯。
 いてもいいけど、親衛隊にせずに他のレジスタンスと同等の扱いにして尺を割くべきじゃない。
 小田、宗森あたりはキャサリンに殺させること。
 黒戸はロゼの正体は知らないことにする。
 ハルカは電池入れるだけでなく、キャサリンくらいは討ち取ること。

3 ヴァルター

 風呂上がりの主君にそっくりな女に手を出したクズ。オレンジのような紳士さは皆無なうえに、政庁で小言を言うだけで邪魔。シェリーの騎士だったのにノーランドに属している上に、クソの役にも立たない専用機なしの雑魚。重護の敵。

4 キャサリン

 制作陣のお気に入りのため、ヘイト管理によってハルカを殺し切らない長尺戦闘シーンを生み出した。なお、ハルカのリベンジシーンはない。
 強盗一人を剣で貫いた男を信奉している。
 見た目はポリコレに配慮されているので、ディズニー的に解雇はできない。
 活躍させたいという気持ちはわかるので、風呂に侵入したヴァルターを是非ボコしてサクラと仲良くなってほしい。

5 アーノルド

 ギアスキャンセラーを持たせる価値なし。
 終盤に無意味に尺を圧迫した罪人。
 カークウィン兄弟みたいに普通に死んどけばよかった。

6 ナラ

 資料を配るだけで黒の騎士団を論破したひろゆきもびっくりの最強論客。
 弟を殺された男に平気で戻れというサイコパス。
 戦後何故か赦されている。
 こいつだけじゃなくて、ネオブリタニア所属のやつ(サクラ含む)は戦後処理で赦される理由がない。(サクラはサクヤが立場を明かせば赦されるかもしれないが、即位した時点で普通はA級戦犯)
 黒の騎士団があっさりこいつを信用するのやばすぎる。モブ兵士が明らかに正しい対応なのにかわいそう。

7 ニコル

 病弱なのに兄より先に敵地に潜入し、幼馴染を射殺することができる。
 天才暗殺者としての片鱗を見せたが、それを恐れたノーランドに殺されてしまった。
 ずっと泣いているだけなので、普通にうざく見える。
 ナナリーの精一杯の笑顔がこいつに少しでもあれば兄を支えているようにも見えたろうに。
 こいつは普通に兄と一緒に暗殺稼業やってればよかった。こいつを人質みたいに扱ったせいで任務失敗後そろってノーランドのところに戻ったのが間抜けすぎる。

8 ラズベリー

 ツインテールにするだけで認識を阻害することができる尺圧迫の女王。
 本来こいつのシーンはアッシュとロゼの日常シーンに使われるべきだった。
 ラズベリーの正体がバレるシーンがロゼの自白なのは演出力のなさだろうし、タイミングも意味不明である。せめてバレるシーンは戦後に入れたほうがいい。
 なんとなくやりたいことはわかるので、この役目をサクラにやらせるように話を作ればよかったと思う。

変なセリフ集

 脚本のレベルが低すぎて、意味がない、矛盾している、解釈がおかしいセリフが散見され、会話も成り立っていないことが多い。
 AIとか外国人に作らせたのかというほど日本語が変。
 以下抜粋

  • ロゼ「ストラテジーゲームやらない?、チェスの駒をナイトメアフレームに見立てたゲーム」←ストラテジーがいらない。不要な情報。

  • ロゼ「次こそは絶対に失敗しない!」←人質救出作戦に次はない。切り替えの早さと覚悟のなさが異常。

  • CC「なのになぜあの娘にギアスを渡した?」LL「さあな」←!?「俺たちは、世の理から外れた存在だからな」←何か言っているようで何も言っていない。LLの格を下げるくらいならこういうシーンはいらない。

  • 漣「私は悔しいです。第一次第二次解放作戦の時、藤堂さんやコーネリア総司令がいれば、あれほど簡単に大敗することも…」←コーネリアはこれ言われたら絶対に怒る。思っていても本人に言うのはあり得ない。

  • ニーナ「あなたブリタニア人でしょ?どうしてレジスタンスの手伝いを?」←みんなの前で泣く時点で成長していない印象を与えるのに、この言い回しは差別意識あるように聞こえる。

  • ロゼ「同盟ってことでどうかな?」←レジスタンスとのここら辺の会話ビックリするくらい中身がない。さっさとギアス使うかサクヤと明かせよ。

  • 岩本「我らレジスタンスの芽を完全に潰すつもりですかぁ!?」←そりゃそうだろ。逃げられるように敢えて攻撃を緩めているシーンなのに変な言い回しするな。スパイに見える。

  • 皇重護「私が消えれば、まだ幼いカリスが皇位を継ぐことになる」←本当にどういう意味?こいつ皇帝だったの?この後処刑が早まったシーンでは「抵抗勢力のあぶり出し」を理由にしているのだから、それと同じでよくないか。拘置所での会話は全部おかしい。

  • サクヤ「あなたが一番大事なものとして、私を守りなさい」←先述したとおり、まるで弟の存在を知っていたかのようなギアス。日本語的にはなんで「最愛の人」にしなかったの?さすがに女主人公がイケメンにこれ言うのはキモイということに気づいたか。

  • ノーランド「ギアスの力を私によこせ。可能か?」←クリストフがギアスを自分たちで作るという野望を語っている横で、これ言うの超ダサいし、何も知らねえのなノーランド。別にここでノーランド挟む必要なかったよな?

  • キャサリン「納得はしたけど、なんか、なんかモヤモヤする」←じゃあ納得してないじゃん。

  • ジノ「急げ、防衛限界点はすぐそこだぞ」←防衛限界点なんて言葉はない。すでに民間人にめっちゃ被害出てるので、防衛ラインなんてとっくに突破されてる。

  • ハルカ「次の作戦、ニ番槍として切り込みたいんです!」←そもそもここら辺の黒戸親子の会話が意味不明で成り立ってないけど、まず、ニ番槍とかいう単語を使うな。嘘でも一番槍って言え。

  • カレン「機械が人を殺すなんて許さない!」←機械でなくとも許しませんよカレンは。

  • ジノ「待ってください。たった一人の企みで世界が滅びるなんて、私は受け入れられない!」←急にどうした?じゃあ複数名の企みならいいのか?なんにせよ、待たせてまで今言うことじゃないだろ。確かにこういう演技掛かった喋り方するやついるけど、ジノはそんなキモくない。

  • 黒戸「物部…深く感謝する」←深く感謝すな。謝れ。

  • サクヤ「皇サクヤが命じる、アッシュ・フェニックス、あなたは私の騎士として、ともにノーランドと戦いなさい。そして必ず勝つのです。世界を護るために」←先述したとおり、端的なギアスにできないのはこの二人のテーマがなく、一言で関係性を表現できなかったから。

 基本的にセリフがおかしいところが多すぎるので、書ききれない。
 旧キャラクターのセリフを聞くと、脚本家はコードギアスを観ていないことを確信する。

感想


 最初に偽の兄弟と聞いたときに、なるほど『偽の兄弟は本物に成り得るか』(ルルーシュとロロのオマージュ)という話になるんだろうなとか期待したが一切そんなことなかった。サクラも双子だと思ったらただの影武者で、『本物の姉妹か偽物の兄弟か』という選択を主人公に迫るものと思ったら全然そんなことなかった。それどころかサクラは霊圧が消えた。なんでサクラを人質にしなかったの?最後サクラかアッシュか選ばせればよかったじゃん。もしくはアッシュがサクラを助けるために死ぬとか。奪還する気なさすぎなんだよなこの作品。
 そもそもこの物語にサクヤの絶対遵守のギアス必要なさそうなんだよな。こいつもともと為政者の家系だから身分を明かすだけでレジスタンスを率いることできるし、なんならブリタニア側に味方になる家臣団もありそうだし。百歩譲ってギアスを使うにせよ、絶対遵守ではないギアスで工夫できたと思われる。
 正直、アッシュの自殺とサクヤのヒステリックギアスまでは、違和感はあれど楽しく視聴出来てた。自殺とヒステリックギアスのおかげで、製作陣のコードギアスへの愛の無さに気付かされてしまった。
 これは完全な推測だが、おそらく本作は途中で何らかの力が働いて駄作にされてしまったのだろう。ところどころに光る設定があることから最初はまともなプロットがあったのだと思う。そこに無理にオマージュ要素を入れてぶっ壊している。そうじゃなければ、本作の脚本を書いた人は描きたいものがないから、クリエイター向いてないよ。
 あと蛇足だけどOPEDのオシャレみたいな風潮が嫌い。(音楽はいい)
 中身のなさを小手先の演出で誤魔化しているだけとしか思えない。
 色が変わるだけのED比較動画を公式Youtubeアカウントが出してたのは超ダサいなと思った。

見たくなかったシーン

・真母衣波ランスロットカラー
・いい歳してクソダサいアキト組のファッション
・安易に日本に持ち込まれたアレクサンダ
・ブレイズルミナスを無効化するクソダサ攻撃
・チンタラ歩くジノの秘書官
・繰り返されるハコウ爆弾特攻
・無能な黒の騎士団
・ロキとナイトメアのクソつまらない戦闘シーン

見たかったシーン

・最終戦ダモクレス攻略戦の総指揮官になるシュナイゼル
・ブリタニア系家臣団のレジスタンス
・前半に助けたレジスタンスたちが最終戦で助けに来る
・本物の兄弟になったロゼとアッシュ
・サクヤとサクラの敵対関係(姉妹喧嘩、護りたい相手が敵同士になる)
・Cの世界にかかわるラスボスとその真意に気づいて先回りしていたCCとLL
・高笑いするサクヤ、顔芸するサクヤ
・サクヤとサクラに挟まれて戸惑うアッシュ
・ピンチに助けに来るカレン、スザク
・ナナシの傭兵の傭兵らしいところ
・ちゃんと強いラスボス
・ギアス戦
・テクニックのあるナイトメア戦

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