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02.距離                (古代はどのように2地点間の距離を計測したのか)

邪馬壹國の比定地に関しての考察を始めます。
これからの記事では、地名などの固有名詞は古文書に記述されている文字(いわゆる旧字)をそのまま使うことにします。
*三國志
*中國
*倭人傳
*邪馬臺國
*卑彌呼
などなど。

さて、魏志倭人傳に記述されている2地点間の距離は、どのように計測されたのでしょうか。そもそも、倭人傳に記述されている2地点間の距離は、行程距離なのでしょうか、それとも直線距離なのでしょうか。

1.行程距離(移動距離)
A地点からB地点までの行程距離(移動距離)の計測は、現代であればスマホの距離アプリでを簡単に計測することが出来ます。これはGPS(全地球測位システム)を利用して出発地点、移動中、そして到着地点の位置情報を読み取ることにより、移動距離を計測するしくみです。GPS衛星からの電波を受け取れる場所であれば計測が可能です。
実際に移動しなくても、Google Mapsなどの地図アプリに出発地点、経路、到着地点を入力すれば移動距離を計測することが出来ます。
ではGPSも正確な地図もなかった時代には、どのように移動距離を計測したのでしょうか。
徒歩の場合、歩測が計測に用いられます。A地点からB地点までの歩数を計測し、一歩の歩幅を掛けて移動距離を計測する方法です。歩幅を正確に一定にすることにより、かなりの精度で計測が可能です。これはレンジャー部隊の基礎技術とされています。しかし人間の技量に頼るため、長い距離になると誤差がより大きくなる欠点があります。
移動距離を機械的に計測する機器として、下のリンクにあるようなホイール型距離計があります。

https://www.monotaro.com/k/store/%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%9E%8B%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E8%A8%88/

リンク先:ホイール型距離計のおすすめ人気ランキング 「モノタロウ」

道幅の狭いところを移動して計測する場合には重宝しますが、長い距離だと手で持って計測するのは多くの労力を要します。
車輪を2個にして手で持って計測する代わりに、馬などに引かせるようにした走行距離計が開発されました。歯車を組み合わせて、車輪の回った回数を目盛りでアナログ表示し、目盛りを読み取ることにより距離を計測するものです。自動車のオドメーターの古代版です。ギリシアのアルキメデスが紀元前300年頃に開発したものを復元したのが下の画像です。

画像引用元: Wikipedia Odometer
https://en.wikipedia.org/wiki/Odometer

このような走行距離計は古代中國にも存在しました。記里鼓車です。中國では黄帝の時代(紀元前2717-2600年)に、指南車があったといわれています。指南車は距離は計測はしませんが、車があらゆる方向に移動しても常にある方角(例えば南)を指し続けるようなからくりが取り付けてある車です。その画像が下です。

画像引用元:ウィキペディア 指南車https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E5%8D%97%E8%BB%8A

このようなからくりを応用して走行距離を計測できるようにしたのが、記里鼓車です。記里鼓車は漢の時代(紀元前206-8年)に開発されたといわれています。
そして倭人達もこのような走行距離計を、2地点間の行程距離(移動距離)の計測に使用したと憶測します。
陸路の2地点間の行程距離(移動距離)は、歩測、もしくは古代の走行距離計を使用して計測したと憶測します。
では海路はどうでしょうか。海路の場合、歩測は出来ませんし、車輪のある走行距離計を使用することも出来ません。
海路の移動距離を計測する方法として、速度計を使用して移動速度x時間=移動距離の演算を行い距離を計測する方法があります。船の速度は、ロープの先端に木片もしくは丸太をしばり、ロープに一定の間隔で結び目を作り、丸太や板を海に投げ込んでから一定時間(砂時計の落ちる時間)の間に結び目がいくつ手の中を通過するかをカウントして計測しました。木片(丸太)のことをログといったので、この計測器はハンドログと呼ばれました。

画像引用元: 日本財団図書館
            船の科学館ものしりシート
               財団法人 日本海事科学振興財団
      平成12年度
           No.36/36 海をわたるII
              2. ログとノットについて
            (1) 速力を知るには
               ハンドログと砂時計
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2000/00200/contents/072.htm

結び目はノットといったので、船の速度の単位はノットとなりました。ハンドログにより計測された移動速度に移動時間を掛け算することにより、移動距離を計測することが出来ます。古代もハンドログのような器具を用いて計測して海路の移動距離を計測していた憶測します。

2.直線距離
直線距離の計測はどのように行われたのでしょうか。
現代では、光波や電波を用いる電磁波測距儀で計測が行われています。少し前までは三角測量で計測が行われていました。三角測量は、目視もしくは望遠鏡で確認可能な範囲であれば計測が可能です。歴史は古く、周髀算経(紀元前2世紀ごろに記述されたとされる中國の古文書)にも記述されています。
目視出来ない2地点間の直線距離は、太陽、星などの天体を用いた天文測量を用いて計測することも、周髀算経に記述されています。三角測量、天文測量には下図のような象限儀を用いられました。

画像引用元:ウキィペディア 伊能忠敬
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%83%BD%E5%BF%A0%E6%95%AC

倭人傳の記述で直線距離は、三角測量、天文測量を用いて計測が行われたと憶測します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は「方位」(古代はどのように方位を計測したのか)について考察する予定です。


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