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【大型解説8】トップ同士から党組織同士へ、政権運営の転換点?ーー与党党首会談を読み解く

 高市早苗首相と日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)が7月7日、会談した。

 会談後、高市氏は「詳細についてはお答えを差し控えさせていただく」と述べ、吉村氏も「中身についてはなかなかここでお伝えできない。野党との関係もあるので、国対委員長間で協議を進めていくことになった」と語った。

政権運営の力学が変化か

 この会談は、政権内の力学が変化する一つの節目になる可能性がある。
 これまで高市氏と吉村氏というトップ同士の信頼関係を軸に進められてきた政権運営が、党組織を軸とする調整へと重心を移し始めた兆候が見て取れるからだ。

並立する二つのライン:「高市・維新」と「麻生・国民民主」

 まず、会談前までの政権内の構図を整理しておきたい。

 大まかに言えば、政権内には「高市・維新ライン」と、「麻生・国民民主ライン」という二つの流れが並立していた。

 高市氏は、歴代政権のように党側との緊密な意思疎通を重ねるよりも、官邸主導で政策を進めるトップダウン型の政治手法を取ってきた。一方で、政権発足時に連立を組んだ維新との関係は一貫して重視してきた。自民、維新両党の協力関係は、党組織というよりも、両党トップの信頼関係を軸に維持されてきたと言ってよい。

 こうした政権運営を快く思わない空気は、自民党内に徐々に広がっていった。

 もともと自民党は、党内で時間をかけて合意形成を図るボトムアップ型の政党である。高市氏のトップダウン型の政治手法に違和感を抱く議員は少なくなかった。加えて、自民党よりも連立パートナーである維新との関係を優先しているようにも映る政権運営は、党内に不満を積み重ねていった。

 一方、維新もまたトップダウン型の色彩が強い政党である。その源流である大阪維新の会は、当時の橋下徹大阪府知事が立ち上げた地域政党だった。そう考えれば、自民・維新連立は、トップダウン型の政治手法を取る党首同士の信頼関係を「核」とする連立だったと見ることもできる。

 維新は、衆院定数削減法案と副首都設置法案という看板政策の実現を強く求めてきた。

 しかし、この二法案に野党は強く反発した。その影響は、麻生太郎副総裁が最優先課題としてきた皇室典範改正をめぐる与野党協議にも及び、成立の見通しは不透明さを増していた。

 一方、麻生氏は国民民主党との関係強化を重視してきた。その背景には、国民民主を支える労働組合まで含めて政権基盤に取り込み、自民党の支持基盤を広げたいとの考えがあったとみられる。

 これに対し、維新は、国民民主が連立に加われば自らの存在感が薄れることへの警戒感からか、国民民主との対決姿勢を崩さなかった。

看板政策の推進と、皇室典範改正をめぐるジレンマ

 政権内の力学を単純化すると、次のような構図になる。

 ★政権内の力学
 👉「高市・維新ライン」VS「麻生・国民民主ライン」
 ★優先課題
 👉衆院定数削減法案・副首都設置法案 VS 皇室典範改正案
 問題は、この二つの優先順位が両立しなくなっていたことだった。

 野党各党は、衆院定数削減法案と副首都設置法案が強行的に審議入りしたことに反発し、衆院で審議を拒否していた。

 この状況が続けば、「立法府の総意」に近い幅広い合意形成が求められる皇室典範改正案の審議環境も整わない。皇室典範改正を進めるには、まず野党が審議に応じられる「静謐な環境」を取り戻す必要があった。しかし、高市政権は、その「静謐な環境」を乱す要因を自ら抱え込んでいたのである。

「個」の会談から「組織」の会談へ:7月7日の変化

 そこで、7月7日の会談をどう読むかである。

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