《モコンさんの庭》ぼくのセルアニメ業界現場 WORKS Memo:Events 15・『うる星やつら~いつだってマイ・ダーリン~』1991年
「うる星やつら」はもともと制作に関わってみたいと思っていた作品でした。それがアニメーション制作の十周年記念作品としてぼくが監督するとはまったく思ってもいませんでした。
マッドハウス制作ですが、ぼくが監督に決まる以前にすでにシナリオができあがっていました。ですのですぐに絵コンテに入りました。十周年記念作品ということもあり、今まで物語に登場したキャラクターをワンカットでもよいので、できるかぎりだすようなシナリオ構成になっています。
今回の物語にでてくる新キャラは原作者の高橋留美子氏より届きました。かなりエキゾチックでユニークな感じが面白いキャラクターで、細かいところまでしっかりと丁寧に描いてありました。
キャラクターおよび作画監督が高橋久美子氏になり、代々の「うる星やつら」とは絵柄の雰囲気が変わった感じになっています。
一番苦労したのはアフレコでした。歴代の「うる星やつら」キャラクター総出ということもあり、スケジュールを押さえるのが大変だったとのこと。
ということで約77分という長編のアフレコがなんと1日限りとなりました。朝9時から始まり終わったのが夜の11時頃で、声優さんが入れ替わり立ち替わり、中にはダブルブッキングで一時抜け戻ってきて収録という声優さんも。なかでも、諸星あたる役の古川登志夫氏、ラム役の平野文氏、おユキ役の小原乃梨子氏、弁天役の三田ゆう子氏らは、最初から最後までずっと出番のないときも待機という大変申し訳ない状態にもかかわらず持ち味を遺憾なく発揮してくださいました。
1日限りのアフレコということで録音スタッフはろくに食事もできないままずっと収録にかかりきりとなりました。
十周年記念作品なのでオープニングとエンディングのアニメーションを梅津泰臣氏にお願いしました。SDキャラが可愛いオープニングとなりました。
「うる星やつら~いつだって・マイ・ダーリン」のタイトルはプロデューサーの松下洋子氏が名付けました。

※本稿はぼく個人のセルアニメ業界での実体験をもとにした記録です。当時の資料としてご覧いただけたら幸いです。個人名は当時の状況を踏まえ実名で記しております。関わってくださった皆さまに心より感謝いたします。
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