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なぜ僕はお金持ちになれなかったのか?(第3話:悪そうなやつはだいたい金持ち)

僕は良い奴だった。
I was a nice guy.

過去形である。

人間力を高めるためにあらゆる本を読んだ。自己啓発など100冊はゆうに超えている。試しに僕と面識がない人に「これぞ良い人!というイラスト描いて」と頼んだら僕の似顔絵になる。間違いない。

しかしそれも過去の話。

多くのお金持ちを観察した結果、僕は100冊以上の本を投げ捨てたのだ。似顔絵と一緒に。


他責は恥ずべきことだと思っていた。

自分の身に起こる現象は、全て自分の責任だ。

自分の収入が低いのも、彼女がヒステリーを起こしたのも、店員の態度がクソなのも、同僚が仕事できないのも、電車が止まって遅刻したのも全部自分の責任だ。

それだけじゃない。

遠い他国で起きている戦争も、複雑に絡んだ糸をほどいていけば、10億分の1ぐらいは自分の責任だと思っていた。

世の中が平穏でありますように。そのために僕ができることはありませんか?

そんな慈悲の心を持ち合わせているthe ナイスガイ、それが沢山のお金持ちと会う前の僕。

しかし、世界は変わった。

僕の出会ったお金持ちの世界は完全に違ったのだ。

僕らが起業し、採用に失敗していた頃の話だ。いつも1人のスタッフの事で悩んで消耗していた。しかしそれも全ては僕の実力不足。反省する日々だった。

そんなある日、成功している先輩が経営するチェーン店にいくと数人の従業員が感じの悪さこの上なし。こんなんでよくやっていけるな!!きっと先輩の会社は大きい分だけ心を痛めているに違いない!と思い、後日やんわり聞いてみた。

「あのお店、素敵でした!ただ、働いている方達がトッポい感じで、、、心地悪く感じる人もいませんか?」

すると

「あーーー、あの店ね。奴らあれがカッコいいと思ってんだよ。笑えるよね。自分の首絞めるだけなのに。言っても無駄だだから放っておいてる」


まーーーじか。他人事!?!


事実、数ヶ月後に再訪すると、感じの悪い奴らは、いなくなってお店は今までにないほど繁盛していた。
想像するに、彼らはお客さんや他のスタッフとうまくいかず、ブツクサ文句を言って退職したのだろう。

お金持ちの方は、その期間を耐えるだけの体力があったからか、元々そういう性格なのか。
僕らのようにメンタルを痛める事なく、ノーダメージだった。

他のお金持ちの方々も、何かがうまくいかないと全フィールドでちゃっかり他責していた。

新ビジネスがうまくいかなかったら、アイツが悪い、広告が悪い。
投資が失敗したら、騙された。
ゴルフでスコアが悪かったら、ドライバーが悪い。

反省する姿がまるで見えない。

これって、どうなのか?
そんなんで成長できるのか?
お金持ちのワガママってやつか?

【他責はしない。全ては自分の責任である】

そのように思いつつ、心のどこかで他責できる彼らが羨ましいと思う自分もいる。

心のどっかにある自責をリリースして心にある罪悪感をそこらへんにブチまけて空っぽにしたい欲。セルフ贖罪。

そして僕は決行することにした。お金持ちに近づくために。

金がないのも、女で酷い目にあったのも、洋服の質が悪いのも、店員の態度が悪いのも、電車が来ないのも、全部奴らのせいだぁあああ!!!!!!!クソが!!!!!!ふざけんな!!!!!!

想像の100倍溜まってドロドロに腐敗し、悪臭を放ち、目を覆いたくなるような自責。

そして、どうなったか。

状況は、何ひとつ変わらなかった。

奴は相変わらずクソのままだし、洋服は毛玉だらけだし、電車も来ない。

けれど、それでも、ずっと前向きになれた。心と身体が自責分だけ軽くなったのだ。

ここで僕は、「他責」を誤解していたことに気づいた。

彼らは、全部を人のせいにしているわけじゃない。変えられないことに固執して執拗に自分を責めず、学ぶべきことだけ抜き取って、さっさと次に進んでいただけだ。

自責の足枷から解放された僕も、見違えるほど動けるようになった。

さらにもう一つ。

僕はずっと全方向への優しさがナイスガイのあるべき姿だと思っていた。この人には良い顔し、あの人には冷たく接する。そんな事はしてはいけない。

しかし、違う。

多くの場合、それは「自分が嫌われるのが怖い」だけだ。 相手を思いやっているフリをして、自分の保身をしている。これは優しさではない。弱さだ。

弱いから、優しいフリをするしかない。断る勇気がないから、いい人でいるしかない。売れなから安くするしかない。かつての僕がそうだった。

お金持ちの人たちは、ここが明確に違った。彼らは、遠慮も、謙虚さも、繊細さも、持っている。

ただ彼らは、「優しさ」と「自分を安売りすること」を、混同していなかった。

これは紐解くと、自信と呼ぶのだと思う。

ほんと彼らは見れば見るほど自信を持っている。
というか成り上がるためには、絶対的に自分の能力を信じきれる男にならないといけないのだと思う。

人気アーティストは500円で作ったタオルをファンに5000円で売る。
そして、ファンが一生働いても買えない豪邸に住んで、ファンを麻痺させる詩を書く。

有名シェフがお水をレストランで800円で提供していたことで大炎上した一方で、水のような化粧品を堂々と1万円で販売し富豪になった者もいる。

違いは何か。

それを堂々とできる、えげつなさ、図々しさ、図太さ、なのか?

ナイスガイだけでは、足りていない部分。
オレはやれる男だ。オレがやることには価値がある、無ければ価値をつける。いらない奴は買わなきゃ良い。オレのやることに何か文句ある?それを貫ける自信と強さだと思う。

シンプルに憧れる。僕も強くないたい。そんな思いを胸にジムへいくと、平日の昼から高級会員制ジムのエアロバイクを漕いでるオジさんがいる。

「こんな時間から汗流すなんて儲かってる証拠!」

と言うと、

「あったりめーだろ!お前は良い奴だから儲からねぇんだよ。どうせ暇なんだろ。飲みいこーぜ」と言われた。

金持ちって嫌だねぇ〜。
僕は、彼の身体からこぼれてる汗とお金の分だけ、酒に付き合うことにした。


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