【エッセイ】私はあの粉を信じていたのだ
先日、風邪をひいてしまい喉の痛みを感じたのでいつも通りの市販薬を体に流し込む。
錠剤よりも粉のほうが体に「キク」気がしている。パブロンの黄色い粉は常用しすぎており、もはや塩や砂糖達となんら変わらない扱いになっている。なんなら鼻から吸い込んで「キクゥ!」と大声を出しても問題ないレベルまで達している。まぁそれが果たして問題ないのかどうかは一目瞭然であるわけだが。
翌朝、喉の痛みは若干。体に現れるマダラ模様。ははぁん。これはあれだな。蕁麻疹ってやつだな。ははは。
力なく笑うがどうにもこうにもそこまでのストレスが最近発生したとは思えなかった。
過去の蕁麻疹発症、もとい「オイラの本気を見せてやるぜ!」との掛け声と共に隈取りが発生するが如く体が赤く・・・ブツブツ・・・かゆ・・・あれ・・・かゆ・・・なんて変身シーン。蕁レンジャーの蕁レッド。ブルーもイエローもグリーンもレッド。蕁麻疹だもん。かろうじてピンクはアイデンティティを保てるか?
言いたいこととしては過去のストレス度合いから比べてもそこまで生活が乱れる出来事がなかったのである。
身に覚えがないのに体に紋様が発生するんじゃ困るもんだ。「はっはっは!今日はマダラお父さんだよ!」など子供の前でふざけはするが家族には大層な勢いで怒られてしまう。面白いと思ったんだけど、まだらお父さん。「今日は」って前置き。いいと思ったんだけど。じゃあ明日は?ってなるじゃないですか。なりませんか?部屋に戻りますね。
うー。熱っぽさもある。でもそこまで痒くはない。原因不明。痒いのが蕁麻疹では?
ともすれば病院に行くことは何を躊躇うことがあろうか(いいやそんなはずがない)自分の体であって自分で無いようなもやもやを抱えて自転車で田舎を駆ける。
病院。皮膚科。受付。呼ばれる。伝える。
「うーん」
お医者さん困る
「見た感じ、蕁麻疹とは・・・風邪薬飲んでます?」
「はい。それはもう(用量的には微妙かもですが。鼻から吸えますし)」
「薬のアレルギー反応に見えるんですよね。アレルギー抑える薬出しときますね。あんまり風邪薬飲まないようにしてください」
(えええ!?)
風邪をひいたら風邪薬飲んで良くしたいのに、風邪薬飲むとアレルギーが出るから風邪薬を飲むのを控えなきゃいけないらしい。いやまぁ同じ事を二度言っているだけなんだけど、ひどく頭が混乱した。回復しようとしていたアレが自分の体をおかしくしているようで。じゃあもうあの黄色い粉を接種できないっていうのか!あの粉を!!!
なんだか薬物依存のレクチャーを受けたようで途方に暮れたが、用法用量を守っていたかと言われるとうーん確かに微妙なところはある。ちょっとここで書くとしっかり目に怒られるような飲み方をしていた気がするし、そんな事をして病院に罹ってるなんて他の人に迷惑だろうボケミソカスという声が自分の中に響いてもいる。
でも私はあの粉を信じていたのだ。体に「キク」と思っていたのだよ。・・・いや体には「キマッ」ていたのかもしれない。キマリすぎた結果裏切られた気分にもなるんだけど。風邪薬飲んだら、効いたって言うよね・・・「キマッ」たって言わないよね・・・そうだよね・・・
病院で処方された薬。飲んだらめちゃめちゃ回復した。仙豆かよ。
・・・黄色い粉を手の届かない場所にしばらく移動しよう。
