【前編】「-14LUFS」という“縛り”を辞めた理由【サウンドクリエイターの小話】
こんにちは!サウンドクリエイターのKawです!
そして、いつも私の記事に「スキ」を押して下さっている方々、ありがとうございます!
私は作曲家、サウンドクリエイターを生業とする傍ら、オンラインによるDTMレッスン教室【かわべの音楽工房】を運営し、DTM講師としても活動しております。
私のプロフィールも含め、【かわべの音楽工房】オンラインDTMレッスン
につきましては、下記の記事をご覧いただけますと幸いです。
さて、今回はまたDTMに関するお話を書かせていただきましょうか。
この記事をお読みいただいているDTMerの皆さんの中には、その楽曲の制作だけでなくミックスやマスタリングもご自身の手で行っているという方も多くいらっしゃる事でしょう。
その中でも今回の記事ではマスタリングにフォーカスした内容でお話させていただこうと思います。
念のためマスタリングという事柄について簡単にお話すると「その楽曲全体のサウンドと最終的な音量を決定する」という作業であると言えますよね。
尤も、一言で「マスタリング」と言っても、その工程と内容は多岐に渡ります。
「その楽曲全体のサウンドを整える事」というのは先にお話した通りですし、「その楽曲の最終的な音量を決定する事」と言うのは、例えば古くは同じCDアルバム内に収録されている個々の楽曲それぞれの音量感に顕著な差異、つまりバラつきが無いように調整する事というのが重要でした。
また、これはCDに代わり楽曲を配信する時代となった現代であっても、アルバムという形でのリリースであれば同様に調整が必要となりますね。
さらに近年では、特にその楽曲全体の“音圧”というものを意識するのも重要な要素となる事も多いですね。
“音圧”、これを高めるという事はそれすなわち、そのサウンドの迫力感を求め、音の密度や「ダイナミックレンジをより狭く調整する」という事との関りが深くなってきますよね。
さて、そんなマスタリングという作業ですが、この作業を行うにあたってDTMerの皆様は、何か自身の拘りや決め事があったりする方も少なくないのではないでしょうか?
例えば、先ほどの“音圧”を例にしてみると、これらはLUFS(Loudness Unit Full Scale)という数値で表すのが現代では主流と言えるでしょう。
あくまで一般的にはですが、比較的“音圧”が高めで迫力があると感じられる楽曲では-8~-9LUFS辺りが多い印象でしょうか。
逆に、その楽曲全体を通して音量差が大きい、つまりダイナミックレンジが広い楽曲の場合だと、上記よりももっと低い数値となります。
そんなLUFSという数値ですが、これは楽曲を配信するという現代に於いては、非常に大事な要素となってきます。
というのも、ご存知の方も多いかとは思いますが、楽曲の配信を受け持つ各配信サービスに於いて、このLUFSの上限に制約を課しているものが一般的である為です。
ラウドネスノーマライゼーションというやつですね。
例えば、公式にはアナウンスされていないものの、手元の資料によるとYouTubeでは凡そ-14LUFSだと言われています。
また、公式にアナウンスされているサービスでは、有名なものでSpotifyやSoundcloudでは共に-14LUFSを上限としているそうです。
尤も、上記のこれらはあくまで一例であり、他の各種サービスによってその数値の上限(下限も含め)はそれぞれ異なっている場合がありますので、その辺りはご自身でしっかりとチェックされたほうがよいかと思いますね。
さて、簡単にとは言えそんなLUFSのお話をしていると、ずいぶんと前置きが長くなってしまいましたので、そろそろ本題に入りましょうか。
私の場合、これまでは上記で触れたような各種サービスにて自身の制作した楽曲が配信される事を見越して、基本的には-14LUFSとなるようマスタリングを調整していました。
ですが、「もうそんな事しなくて良くない?」と感じたんですよね。
それは何故なのか?
その理由について、前編・後編の二つの記事に分けてご説明してみようと思います。
ぜひぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
どうして今まで-14LUFSに調整していたのか
先ずは、何故今までの私はマスタリング時に-14LUFSとなるように調整していたのかについてお話しておきましょうか。
理由その①
先に触れていますが、その理由としては第一に各種音楽配信サービスにて私の楽曲が配信される事を見越して、という点があります。
と言いますのも、私は普段から音楽販売サービスにオリジナルの楽曲等を登録・販売させていただいているのですが、そちらのサービスでは上記のような各種音楽配信サービスでの楽曲配信も代行してくれたり、販売している楽曲の中から申請し採用となれば、同サービスのコンピレーションアルバムとして収録され、同じく各種音楽配信サービスにて楽曲を配信してもらう事ができます。
私の場合だと、今のところ自身の手では楽曲の配信はしていませんので、専ら上記のコンピレーションアルバムに採用・収録していただいている楽曲のみ配信されているという事になりますが。
だからこそ、予め何等かの配信サービスにて楽曲が配信される事を見越した上で、それらのサービスの中でも最も一般的であろう-14LUFSに調整しているのが大きな理由です。
理由その②
また、上記の音楽販売サービスのユーザー、つまり購入者の皆様にとっての用途が、主にYouTube動画としての使用が多い(と言われている)点もその理由の一つでもあります。
こちらも先に触れていますが、YouTubeでは凡そ-14LUFSにノーマライゼーションされると言われています。
その為、こちらでアップロードする販売データの段階で、予め-14LUFSに合わせておこうという魂胆ですね。
尤も、YouTube動画としての使用であっても、恐らく「その動画内の音声はBGMだけ」という事は少ないかとは思いますが、それでもある程度はYouTubeの仕様に合わせたデータとしておけば、ユーザー(購入者)にとって親切であるのでは?という考えで-14LUFSとして調整していたんですよね。
前編の最後に
と、ここまではこれまでの私が-14LUFSにマスタリング調整をしていたその理由についてお話させていただきました。
今回の記事はあくまで「私が-14LUFSを辞めた理由」という点にフォーカスした記事の前半ではありますが、それでも当記事でお話した「-14LUFSにしていた理由」自体も、この記事をお読みいただいたDTMerの方にとって、何かしらの参考にでもなっていれば幸いです。
あまり文字数が多くなってしまうと、当記事をお読みいただいている方々への内容が少々過多となってしまいそうだったので、今回は主な二つの理由に絞ってご紹介させていただきました次第です。
とは言え、実際にはまだいくつかの理由があっての判断ではあったものの、今はその理由を捨ててでもこの-14LUFSという数値を狙っての制作は辞めたわけですが、ではその辞めた理由は何なのか?という点については次回の記事で書かせていただこうと思います。
因みに、辞めたとは言え今だに必要であれば-14LUFSとして制作するシチュエーションもあったりするんですよね。
例えば制作のご依頼主、クライアント様から「-14LUFSで納品して」と明確に指示される事も私の場合はままあったりします。
常日頃から柔軟に対応できるようにしておくことは、クリエイターにとっても大事な事ですよね。
それでは最後に、私の運営する当工房の宣伝をさせていただきましょう!
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