『Oh!X』の懐かしい思い出
『令和版 Oh!X』(令和版)が届いた。
1995年に月刊誌として休刊したが、その後復刊。今回で3度目の復活となる。
『Oh!X』は、シャープのマイコン(以下、PC)MZシリーズ(1978年~)の専門誌だったが、同社がX68000シリーズ(1987年~)を発売し、その後誌名が変更になった。
改めて説明するまでもないが、1980年代はNECがPC-8801/9801シリーズ、富士通がFM-7/77、東芝がパソピアシリーズを発売していた。当時会社がPCソフトの流通をしており、ソフト販売のサポートをするため、各メーカーのPC専門誌を作ったようだ。
ハドソン、エニックス(現スクウェア・エニックス)、スクウェア(現スクウェア・エニックス)、日本ファルコム、光栄(現コーエー)、T&E SOFT、コンパイルなども取引先だが、こうした会社はPCゲームからゲームビジネスに参入している。
『令和版』に話を戻すが、今回注目の付録は、X68000 Z対応ソフト『ネメシス’90改』。1993年に発売されたX68000版ソフトを復刻している。
X68000発売直前だったと思うが、
『Oh!MZ』編集部近くの作業用デスクの上に発売直前X68000が置いてあった。編集部に出入りするスタッフやライターたちが、『グラディウス』をプレイしていた。
あるとき誰もプレイしていないのを見計らって、編集部の許可を得て『グラディウス』をプレイした。
そのときの衝撃は今でも忘れない。それまでのゲーム機の移植版とはレベルが違った。
その後『Oh!MZ』は『Oh!X』に誌名変更した。
この雑誌で思い出したのは、安田編集長のことだ。
『Oh!MZ』と『Oh!X』の初期まで編集長をしていた安田さんは、何度も話したわけではないが、この人は文芸関連の雑誌に関わっていたのではないかと思っていた。
PC雑誌は、1970年代後半登場した、それまでにはない新しいジャンルの雑誌だったので、雑誌編集経験者が出版社に採用されて編集長となり、雑誌作りに不慣れなスタッフの教育を行った。大学や専門学校の学生たちには、商業誌の書き方を教育していた。
安田さんもこうした人材育成をしながら雑誌を作った創刊請負人のひとりだった。
1990年代前半会社が上場した。会社の管理体制が強化されていくと、窮屈な環境になっていった。個人的な感想だが。
そのころ安田さんは退職し、新しい編集長の時代になっていた。
2000年代、都内で開催されたセミナーで講師をした。終了後会場にいた男性が名刺交換にやってきた。
「父と同じ会社で編集長をしていましたよね」
理解できずに曖昧な返事をした。
「『Oh!MZ』の編集長だった安田です」
「安田さんは、もちろん知ってますよ」
「よろしくと伝えてくれと父から言われました」と男性は話した。山梨在住ということだった。
安田さんが自分のことを覚えているのがうれしかった。
『令和版』は忘れていた昔のいろいろなことを思い出させてくれた。
