我慢しすぎて手遅れになりかけた虫垂炎と、あたたかいお粥
このところ、お粥生活が続いています。

お鍋の中にお米少しとたっぷりのお水を入れて、
ゆっくりじっくり煮込んでいくお粥。
材料はたったこれだけなのに、
どんな贅沢な料理より美味しいと感じる時があります。
艶々した小さな泡がぷくぷくと弾け出し、懐かしすら感じるやさしい匂いが立ち込めてくると、何ともいえないあたたかい気持ちになります。
むかし母が作ってくれたあの頃のことがふっと蘇り、
そのぬくもりと重なってしまうからなのでしょう。
かつて母からバトンが手渡され"作ってもらう側"から"作る立場"に替わった自分が、いつの間にかまたバトンを次へと渡している。
ゆっくり時間をかけたとろとろのお粥を口にしながら、そんな思いが巡りました。

今は母からではなく、
我が子からよそわれるあたたかいお粥。
弱った身体にこれほど染みるものはありません。
お米と水だけなのに、そこにはきっと元気を願うやさしい想いまでがたくさん詰まっているからなのかもしれません。
思わぬ出来事
先月、わたしは人生で初めて「虫垂炎」にかかってしまいました。
まさかの出来事でした。
時間とともに痛みの部位が移動し、症状までが変化していくのが特徴と言われる虫垂炎。
それだけに、初期症状の段階では他の病気との見分けが難しいらしく、胃腸炎などと誤診されることもあるみたいです。
危うく手遅れとなってしまえば腹膜炎を起こす可能性もあり、処置が遅れると命に関わることもあると聞き、
軽く思われがちな病気ですが、決して軽視してはいけないことを知りました。
今回わたし自身も医師に正しい状態がうまく伝達できていなかったことが原因で、もう少しで発見が遅れるところでした。
危機一髪のところで回避できたのが幸いでしたが、今後同じ様な思いをされる方がおられた時に、
そう言えばあんな話を読んだなとその回避に繋がればと、参考までにこれまでの経緯を綴ってみようと思います。
発症〜移動する痛みの変化
[胃の痛み]
今から2週間ほど前。
さあ寝ようかなとベッドに入って間も無くのころ、
無性に胃の辺りに激痛が走り、晩ごはんの食べ過ぎだろうと、気になりつつもそのまま休むことにしました。
ところが痛みは増すばかり。
ここでいつもの悪い癖、
良くも悪くも忍耐強さだけには自信があって、この日もつい我慢してしまい一晩中痛みに耐えながら朝を迎えることに。
[お腹の異常な張りと吐き気]
目が覚めると胃の痛みは少し和らいでいたので、やれやれと安堵したのも束の間。
起きてみると、な、な、何が起こったの?と思うくらいお腹が張っていて…
その膨らみは目を疑うほど!
前にテレビで観た、無意識に空気を飲み込むことでお腹が張るという「呑気症」も疑ってみましたが、痛みがあるのでやはりそれではないはず。
取り敢えず、市販の胃薬や整腸剤等で様子をみることにしました。
とにかく胃腸がドボンドボンと、まるでお腹にリュックサックを抱えて上下に揺さぶられているような感覚。
重苦しいし吐き気はするしで横になるしかない状態でしたが、そのうちお薬も効いてくるだろう、
日頃からお腹の張りはたまにあることだし…
と、おそらく大丈夫かなとその日も様子をみることにしました。
しかし、夕方になっても期待していた市販の薬は一向に効く様子もなく、改善の兆しが少しもみえてこない状況に微かな不安が…。
[痛みが下へと移動]
その頃になると、これまでの腹部全体の違和感とは違い痛みは下腹部へと移動し、お腹をちょっと押すだけでも大太鼓を叩いたかの様に下部に痛みの振動が走りました。
歩くだけでも下腹部に稲妻の様な痛みが響きだし、
これはおかしい!
こうしてやっと2日目にして病院に駆け込みました。
1件目の病院へ -危機一髪事件-
そこはかかりつけの病院で日頃から常に健康チェックをして頂いている病院なので、先生も私の身体の事は熟知しています。
取り敢えずこの2日間の状態を伝えると、先生は触診後エコーで診て下さり
「ここが肝臓で…」
「これが膵臓で…」
と、あらゆる箇所をプローブを動かしながら詳しく説明してくれるのですが、見ていても素人には全くわからないもので、ここは先生を信じてふむふむと頷いてしまいました。
結局、画像内ではどこにも異常がみられず先生も安心した様子で「念のために近々胃カメラや大腸癌検診をすることをお勧めします」
そう言って、検査ができる専門の医療機関を今から予約しますのでとナースさんにその手配を指示をしていました。
その間わたしは、エコーで異常がなければいつもの一過的な胃腸炎なんだろうと一先ず安心はしたものの、
やはりこの今までにない膨張感と下腹の痛みは、
果たして胃腸薬で治るものなのだろうかと疑心暗鬼になってきました。
そこで再度先生に伝えてみることに。
「あの〜、やっぱりこの辺りがかなり痛むのですが」
そう伝えた瞬間、先生の表情が一変。
「これは虫垂炎かもしれない!」
「大きい病院を紹介しますから、直ぐに行ってください」
最初から全ての症状を伝えていたつもりでしたが、先生の慌てようで、肝心な右下腹部の痛みまではうまく伝えられていなかったことに気が付きました。
-納得せず必ず訴えるべし-
再度確認を促して伝えたことによって、最悪な事態を回避することができました。
言って良かった。
その後、紹介状を握り、すぐさまタクシーで次なる病院へと向かいました。
2件目の病院へ -アクシデントと結果-
先程の病院からはさほど離れてなかったので、午前の診察時間に何とか間に合いました。
受付を済ませ待つこと1時間。
なんだかおかしいな…?と確認すると、受付スタッフさんの連携が取れておらず長時間放っておかれる...というアクシデントがありましたが、
病院側もその後は迅速な対応を取ってくださり、直ぐ様CT撮影となりました。
そして結果は「急性虫垂炎」でした。
-免れた手術-
これは手術ってこと?
急なことで心の準備ができていませんでしたが、
最近は昔の様に、直ぐに手術をするわけではないと説明を受けほっとしました。
もちろん状態によっては直ぐに切開ということもあるそうですが、わたしの場合は、先ず投薬治療をし経過観察ということになりました。
痛みに耐えながら、駆けずり回った長い一日でした。
自宅で経過観察
それからは自宅で静養し、落ち着くまで様子を見ることにしました。
ただ、このまま痛みが治らなければ手術になるとのこと。
しかし、先日のアクシデントをはじめ、2件目の病院の設備等に少し不安があり、念の為にと他の医療機関を調べることに。
それから薬を飲み始めて3日目、次なる病院へと向かいました。
3件目の病院へ
そこは最新の設備と消化器系の専門チームで構成された、新しい病院でした。
担当医師の対応とても良く、結局はもう暫く薬を続けることになりました。
そして医師曰く…
◎虫垂炎は緊急手術を必要とする場合もあるが、本来炎症が強い場合より安定した状態での手術の方が好ましく身体への負担が少ない。
◎また余分なところまでの切除回避にも繋がるので『計画手術』がお勧め。
との説明を受けました。
十分納得です。
もちろん2件目の病院での判断と同じでしたが、
再発が考えられる疾病なので、自分の為の"納得"が欲しかったわけです。
この経験からの学びと内省
発症から2週間以上が経過し、幸いなことに現在は痛みは殆どなくなりました。
あれだけ膨らんでいたお腹も正常に。
頂いた抗生剤はかなり強いものでしたが、投与の甲斐あって手術に至らず安堵しています。
今回の騒動、色々なハプニングやアクシデントに見舞われましたが、
・我慢はほどほどに
・おかしいなと思ったら早めの診察
・正しい状況報告、念には念を
・セカンドオピニオンも頭に
これらは普通のことではありますが、わたしにとっては良い教訓となりました。
また、娘たちの協力がなかったらこんなにも安心して療養ができなかったと思います。
彼女たちにも心からの感謝を伝えたいです。
我慢が癖になってしまい(自分では我慢と感じていない)ついつい無理をしたり、やり過ぎてしまうわたしにとって、こんなことがない限りなかなか自分を緩めることができず、
それでもやっぱり何かをやろうとしてしまう!
その度に娘たちから愛のお叱りを受けることもありましたが、この突然の虫垂炎騒動は自分を見直す良いきっかけにもなり、そのために必要な時間だったのかもしれません。
お腹の痛みだけでなく、自分のこれまでを変えていくことの難しさや、そうすることの"痛み"も重ねて体感した闘病生活となりました。
今後再発も危惧される虫垂炎。
そうなる前に万全な身体で計画手術をするか否か、難しい選択ですが、これを機に改めて生活を整えて行きゆっくり決めていこうと思います。
さあ、お粥のおかげで身体も少し軽くなったことだし、
心も軽やかに元気に過ごすとしますか!
