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英語力が低いと、会話まで浅くなってしまう

僕はこれまで、5,000時間以上英会話を学習してきた。

留学も経験したし、アルバイトでは観光客のガイドをしたり、ホテルで外国人対応をしたりしてきた。

英語学習を始めてから、多くの外国人と話す機会があった。

その中で、ずっと感じていることがある。

英語力が低いと、会話の内容まで浅くなりやすい…

そしてもう一つ、相手に必要以上の気を使わせてしまう。

これはネイティブが初心者を見下しているという話ではない。

単純に、会話を成立させるためには、相手がこちらの英語力に合わせるしかないのである。

英語力に合わせて、話題も簡単になる

僕が考える英語の中級者は、一人で海外旅行に行っても、なんとか対応できるくらいのレベルである。

自分の言いたいことは8割ほど伝えられる。
相手の話も8割ほど聞き取れる。

難しい表現は使えなくても、中学英語を使いながら会話を続けられる。

旅行をするだけなら、十分に困らない。

ただ、人と深い関係を築くとなると、話は変わってくる。

英語力がまだ高くない相手と話すとき、ネイティブは自然と簡単な単語を選ぶ。

話すスピードを落とし、理解しやすい話題を振ってくれる。

「昨日は何をしたの?」
「週末は何をするの?」
「趣味は何?」

会話としては成立している。

雰囲気も悪くない。

それでも、どこか表面だけをなぞっている感覚が残る。

僕もカナダに留学していた頃、何度もこの感覚を味わった。

現地の人と話す機会はあった。

しかし、話している内容は趣味や昨日の出来事、週末の予定ばかりだった。

会話が終わったあとに、「今日も英語を話せた」と満足する。

一方で、相手がどんな価値観を持っているのか、どんな人で、将来何を目指して生きているのかは、ほとんど知らないままだった。

「これって、本当に友達になれているのかな」

そんなことを考える日もあった。

日本語に置き換えると、よく分かる

反対の立場で考えると、相手が気を使う理由が見えてくる。

日本語を勉強中の外国人が、片言の日本語で話しかけてきたとする。

その人に対して、いきなり将来のキャリアや恋愛観、仕事の悩みについて深く聞く人は多くないはずだ。

「この言い方で伝わるかな」
「難しい話をして、困らせないかな」

そう考えながら、食べ物や旅行、休日の予定など、理解しやすい話題を選ぶ。

英語でも同じことが起きている。

相手はこちらを子ども扱いしているわけではない。

会話が止まらないように、こちらが困らないように調整してくれている。

だからこそ、英語力が低い状態では、本来の自分よりも幼く見られることがある。

頭の中には意見がある。
仕事について考えていることもある。
恋愛や人生について語りたいこともある。

それなのに、口から出てくるのは簡単な言葉だけである。

「本当の自分は、こんなに薄くないんだけどな」

英語を学んでいると、そんな悔しさにぶつかる。

どこまで話せれば「普通の会話」ができるのか

では、どのくらいの英語力があれば、相手に気を使わせずに自然な会話ができるのだろうか。

僕の感覚では、相手が日本人と話すときと同じようなテンポで質問してきても、余裕を持って返せるレベルである。

こちらも相手に対して自然に質問を返し、会話を広げられる。

文法のミスがほとんどなく、発音も聞き取りやすいので、お互いにストレスなく会話が続いていく。

「英語で話している」という感覚よりも、「普通に会話している」という感覚に近い。

このレベルになると、相手もこちらの英語力を気にしなくなる。

だから仕事の話や人生観、恋愛観など、少し踏み込んだ話題も自然と出てくるようになる。

このレベルに到達するには時間がかかる

ただ、このレベルは一朝一夕では身につかない。

単語帳や参考書でインプットを続けるだけでは足りない。

実際にさまざまな国の人と話し、自分の言葉で伝え、失敗しながら修正していく経験が必要になる。

僕自身の感覚では、このレベルに到達するまでには、およそ2,000時間ほどの学習と実践が一つの目安になると思っている。

毎日3時間勉強したとしても、約2年かかる計算である。

もちろん個人差はあるので、もっと早い人もいれば、もう少し時間がかかる人もいる。

それでも、英語は積み重ねた時間が裏切りにくいスキルだ。

焦って結果を求めるよりも、毎日少しずつ積み重ねていくほうが、結果として一番早くそのレベルに近づけると思う。

話せるようになると、相手の反応が変わる

英語学習を続けて、言いたいことをほとんど言えるようになると、会話の景色が変わった。

相手が言葉を過度に選ばなくなり、話すスピードも普段に近くなる。

仕事の悩み、将来への不安、人間関係、恋愛、価値観の違い。

以前なら出てこなかった話題を、相手から振ってくれるようになった。

こちらが理解できると分かれば、相手も安心して自分の話をしてくれる。

英語力が上がることは、単に使える単語が増えることではない。

相手が遠慮せずに話せる状態をつくることでもある。

自分のことを正しく知ってもらうためにも、相手のことを深く知るためにも、言葉はやはり必要である。

最後は、人として好かれるかどうか

ただし、英語が流暢になれば、自動的に深い友人関係ができるわけではない。

英語力は入り口を広げてくれる。
しかし、その先で関係を築くのは人間性である。

相手の意見をすぐに否定しない。
相手を尊重しながら、自分の考えも伝える。
何でも人任せにせず、自分から予定を考え、誘い、行動する。

会話中も、「自分がどう見られているか」ばかりを考えない。

相手は何を話したいのか。
どんな時間を過ごしたいのか。
何を大切にしているのか。

自分ではなく、相手に意識を向けられる人のほうが、やはり友達になりやすい。

英語力が低いと、会話は浅くなりやすい。

だから英語力を上げる価値がある。

相手に気を使わせず、もっと深い話をするために。

自分の本当の姿を知ってもらうために。

そして、言葉が十分に通じるようになったあとに問われるのは、どんな人間として相手と向き合うかである。

英語を学ぶことは、話せる内容を増やすことである。

同時に、人と深くつながれる可能性を広げることでもあると思う。

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