WebライターはSEO記事とビジネス書ばっかり読むのをやめるべし
Webライター兼編集者・ディレクターの田中歌耶子です。
これまでに、さまざまな媒体で編集者・ディレクターをしたり、自身のライター養成講座および添削サービスに申し込んでくださった方の原稿を添削したりしています。
田中歌耶子さん(@kayaco_writer)の添削では事実と意見を必ず述べてくれる。「文法上はこう」という事実を踏まえたうえで「私ならこうする」という意見をくれるのがすごい。すごい多いんです、情報量が!(圧)
— 田中いずみ@ライター (@tanaka_izumi115) May 22, 2025
歌耶子先生(@kayaco_writer
— 園田みのり(風花)|Webライター (@kazahana569) March 24, 2025
)に構成案の添削をしていただきました☺️
「風花さんはこういう表現しないと思うので」ってコメントいただき、なんでわかるんですかと…😭
(構成慣れてなく、SEO対策をやりすぎ、完全に自分を見失ったパターン…😓)
この愛に応えるためにも、頑張ります💪🔥
#Webライター養成講座エクリワーク を開講された歌耶子さんに記事の添削をしてもらいました!
— tomakoro@副業ライター (@tomakoro177808) March 19, 2025
国語科塾教師の歌耶子さんの添削はわかりやすく、「なるほど!」ポイント満載です。「なぜ、こうしたほうが良いのか」について、詳しくコメントを入れてくださってるので、スッと腑に落ちます。
以前から憧れていた、田中歌耶子さんに添削していただきました。
— 金沢 美和|note案内人 (@manasaka55) July 18, 2025
歌耶子さんがいつもお話しされていますが、見ていただくって大事ですね。自分がいかにエッセイをわかってないかが分かりました。鍵は人の心の動きかな。… https://t.co/8WLTOisUc4
そんなこんなで幅広いジャンルの添削をしているわけですが、たまーに聞かれるんです。
「文章が単調になってしまうのですが、何か改善する方法はありませんか?」
って。
しかも、旧態依然とした「シンプルイズベスト」なSEO記事はAIでも書けてしまう時代になり、「それ」しかスキルのないライターさんが案件獲得に苦慮しているという世の中の流れも見られます。だからこそ今、「文章力を高めたい!」と焦っているライターさん、多いんじゃないでしょうか。
今回はその辺について考えていることを書いてみようと思います。
■SEO記事“限定”では文章が下手になる説
ちょっと危険なフレーズかもしれませんが、わたしは割と本気でこの説を信じていたりします。
SEO記事ばかり読んだり書いたりしている人は、普段の文章も「悪い意味で」SEO記事っぽくなっちゃう。その結果「何を書いていても平坦な感じ」「せっかくコラムを書いても面白くない・読まれない」ということに。
もちろん、論理的な構成や文法的な正しさなど、SEO記事によって向上する文章スキルというものも存在します。それが一種のスキルなのは事実だし、Webライターで学んだ書き方を本業のメールやチャットで活用している人も多いんじゃないかなと思います。
ただ!
SEO記事に求められる文章スキルって、世間一般で言われる「文章のうまさ」とか「魅力的な文章の要素」とはほとんど真逆なんですよね。
中学生でも理解できる平易な文
一文を極力短くシンプルに
比喩などのレトリックは用いない
「ですます調」の中で最低限のバリエーション
一切の主観を取り除き、伝えるのは「情報」
この通りに書かれた文章が「面白い」ものになるわけがないじゃん!
…そう思いませんか?
しかも現実的に考えて「中学生に分かるように」って設定も実情とは異なっている気がするんですよね。だって中学生にもなれば、一般書籍コーナーに並んでいる文庫本くらいは読める状態だと思うんです。教科書の文章だってSEO記事より遥かに難しいですよ。
ってことで実際のSEO記事の文体は「偏差値40の相当アホな中学生、あるいは標準的な小学4~5年生にも理解できるレベル」まで落とされていると感じています。
SEO記事が悪い、と言っているわけではないんです。Webメディアの記事の多くは紙媒体と比べても圧倒的に「情報」が求められるものですし、誰が書いたかではなく何が書かれているかの方が重要な世界ですからね。
「SEO記事を書ける」ということは、それ自体間違いなくひとつのスキルです。
■面白さは「無駄」と「主観」に宿るのだと思う
わたしのnoteはコラムとかエッセイとかそういう分野に属するものだと思うんですが、まぁちょこちょこ「面白い」って言っていただけるわけです。
これ、ぶっちゃけSEO記事とは真逆の文章だからだと思うんですよ。
読者はそれなりに文章を読める大人だと思ってる
一文の長さ?あんまり意識してない
比喩も体言止めも反復法も省略法も気ままに使いまくるよ
文末のバリエーションなんて気にも留めてない
主観だらけの「好きな人だけ読んでね」スタイル
わたしの文章ってほぼこれ。普段何かを意識しながら書いているわけではないけれど、多分こうなんだろうなーって感じです。
ただ、MBTI的にも建築家=エモよりロジック派なのと、本業が本業(塾講師)ゆえ、無意識に構成やら具体例の入れ方やらが論理的になっている可能性はあるかも。
二重敬語や重言のように「日本語的にも間違ってるよソレ」ってことはやらかさないようにしていますが、巷で「Webライターはこれを削ぎ落とせ!」って言われているような「冗長表現」は気にせず使いまくっています。
だって、「どこにどのような表現を使うか?」もその人の個性だと思うんです。好きに使わせろー。
■無駄や主観を身に付けるには?SEO記事以外を読むしかない
「じゃあどうすれば、SEO記事以外の文章を書けるようになるの?」って、そりゃーSEO記事以外の文章にたくさん触れるしかないと思います。
厳密にいえば「情報の伝達のみを目的とする文章ではないもの」です。以下のような文章は「情報の伝達のみを目的とする文章」なので、除外します。
ニュース:情報を素早く正確に伝えるための文章
SEO記事:情報を読者の求める順序で提示するための文章
ビジネス書:ビジネスのコツを素早く理解させるための文章
自己啓発本:マインドという情報?を伝えるための文章
こういった記事・書籍は、なるべく幅広い人に情報を届けることが目的で書かれているので、文章そのものの癖は極限まで減らすよう調整されています。
「ビジネス書や自己啓発本には筆者の主観が入っているのでは」って思うかもしれませんが、それは「文章の内容に主観が含まれている」のであって「文章そのものが主観的に書かれている」わけではありません。
シンプルで使いやすいタッパーの中に癖の強いオリジナル料理が入っているようなものだと考えていただければ、多分大体合っています。
「情報の伝達のみを目的とする文章ではないもの」っていうのは、わかりやすいところで言えばエッセイやコラムです。
出版されているエッセイ本
Web上に掲載されているプロのエッセイやコラム
noteに書かれているこの記事のような「誰かの書いた文章」
昔ながらの個人ブログ(SEOとかアフィとか狙ってないやつ)
その人のクセがバリバリゴリゴリに出ている、人によって好き嫌いが分かれる可能性も孕むような文章ですね。先ほどのように料理に喩えるのであれば「容器からして明らかに個性的」ということになるかしら。
中身の味付けが普通でも、器が個性的だと美味しく感じられたり、ちょっと特別な気分になれたりしますよね。それと同じことが文章でも起きるのだと思います。
好きな人を見つけたら、その人の文章を読みまくってみましょう。
そしてその文体をちょっとだけ真似しながら、自分でも書いてみるのが一番手っ取り早い上達法なんじゃないでしょうか。
◆構成力や論理性はSEO記事で培われたものを活かせると思う
ここでひとつお伝えしておきたいこと。
「個性的な容器」は大いにアリなんですが、「容器としての仕事を果たさないほどの個性」では逆効果になります。
そういう意味では、SEOライターって基礎的な「器の作り方」は身に付いている状態なんですよね。
ってSEO記事とその書き手をフォローしておいてみる…。
■個人的なおすすめは…?
さて、「エッセイとか読もうぜ!」なんて言いつつ、わたしも最近あんまりエッセイとか読めていないんですよね。
だから「今すぐこれを読みましょう!」って言えるものは正直あんまり思いつかないんです。
ただ、若いころ馬鹿みたいに作家買いしていたエッセイはいくつかあるのでご紹介します。
基本的に女性向けになっちゃうとは思いますがご了承ください…!
◆酒井順子さん
わたしの微妙に毒っぽいエッセイの源流は間違いなくこの方(笑)
「負け犬の遠吠え」が有名ですが、その頃には既に何十冊もエッセイを出版していた大ベテランの作家さんです。
丁寧なんだけどちょっと毒舌で、ユーモアのある感じ。
◆中村うさぎさん
もともとは少年向けライトノベルを書いていた方ですが、「ショッピングの女王」というエッセイが大人気になった作家さん。
印税を前借りしまくりながら高級ブランド品を買いあさっちゃう買い物依存症だったんですが、その様をめちゃくちゃ面白おかしく書いています。
その後ホストにハマってみたり、美容整形に走ってみたり…あたりまでは追いかけていたんですが、その後大病をされたりもしたようですね。
ハチャメチャ系エッセイの後には「女性とは」「美ってそもそも何?」のようにシリアスなエッセイを書いていた時期もあり、そのギャップもめちゃくちゃ魅力的だと思っています。
◆三浦しをんさん
箱根駅伝を描いた『風が強く吹いている』や、辞書を作るマジメ君の物語『舟を編む』が有名な小説家さんですが、実は活動初期からエッセイも書かれているんですよ。
わたしと同世代のオタク女子なので面白いです(笑)
◆姫野カオルコさん
この方もメインの活動は小説家さんだと思いますが、個人的にはエッセイの方がクセになって何度も読んでしまう感じ。
「愛は勝つ、もんか」
「ブスのくせに!」
「すっぴんは事件か?」
などなど、タイトルからしてもう癖が強いし面白い作家さんです。
■素敵な文章をたくさん摂取して自分の力に変えていこう!
結局、インプットとアウトプットが重要だという点はSEOライティングでもエッセイ執筆でも同じことだと思います。
素敵な表現を読む!そして書く!
その繰り返しによってしか、文章スキルを上げることはできないんじゃないかな~と。
わたしの場合はもともとが活字中毒の陰キャなので、学生時代までのインプット量がおそらく一般的な人よりちょっと多め(でもガチの読書家を名乗るほどではないと思う)。
しかも気に入った表現が出てくる本を何度も何度も何度も何度も何度も読みまくるという、ちょっと気持ち悪い読者だったんです。
その結果として今、こうして「文章が面白い」と言っていただける状態になっているんじゃないかなと。
というわけで、いろんな文章を読もうね!ってお話しでした。
