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7歳のときの「あとがき」がいまだに成仏してくれない

わたしには、時折思い出しては「ウワーーーーーーーッ」となるトラウマフレーズがある。

それは

「まだ7さいなのに」。

ウワーーーーーーーッ!!!

しんどい。つらい。でも今日はこの話を頑張って供養しようと思う。


あれは小学校1年生のときのこと。妹が幼稚園で「真っ白な絵本」をもらってきた。

こういうの。

ちゃんと製本されていて、表紙もちゃんと硬くて、どこからどう見てもそれは「本」だった。たしか説明書のようなものもついていて、そこには「じぶんだけのおはなしをかこう」といったことが書かれていたはずだ。

すごい!すてき!ほしい!

わたしも同じ園に通っていたのに、そんな面白いアイテムをもらった記憶はない。

羨ましい!ずるい!ほしい!

普段は幼いなりに「私は姉というモノになったのだからワガママを言ってはならぬ」と考える典型的長女だったわたしだが、このアイテムに関してだけは我慢できず、妹に「ちょうだい」と頼み込んだ。

まだ「本」という概念を理解していなかった妹は、この神アイテムをあっさりとわたしに譲ってくれた。

ククク、これだから物の価値の分からぬ幼子は……と思ったかどうかは流石に覚えていない。


当時のわたしは、とにかく物語の世界にのめり込むタイプの子どもだった。

お気に入りの作品は10回でも20回でも繰り返し舐めるように読んで味わっていたし、そこからイメージしたイラストを描くのも大好きだった。幼稚園のときの「おえかきちょう」も、小学校に入ってからの「自由帳」も1~2ヶ月で使い切ってしまうような超・空想少女生粋のオタク気質だったのだ。

懐かしい。

そんなわたしが「自由に書き込める真っ白な絵本」を手に入れたものだから、そりゃあもう張り切ってしまった。

(今だから言えることだが、書き始める瞬間にはここから自分の作家人生が始まるのだとすら思っていた。恥ずかしい。)

わたしは丁寧に本文を書いた。
知っている限りの漢字を使って、精一杯カッコつけながら。

表紙や挿絵だって自分で描いた。
クレヨンじゃなくて色鉛筆を使う自分はもう子どもじゃないのよ、と思いながら。

そして最後にあとがきとして作者コメントを……。

そう、わたしはここに【あの呪いのフレーズ】を書いてしまったのだ。

「まだ7さいなのに、ぜんぶ一人でかきました」と。

ウワーーーーーーーッ!!!

違う、そうじゃない!そういう意味じゃないの!

実は書いた瞬間に「この言い方はナンカチガウ」とすぐに気付いていた。しかしこんなときに限って父のボールペンを拝借しており、この文言を消す術がなかったのだ。

これは大人が自分を褒めるときに使うやつだ。自分で自分を褒めてどうするんだ。しかもご丁寧に自画像とふきだしつきだ!

違うんだってば、お願いだからそんな目で見ないで、


わたしはそんな恥知らずな子じゃないのよーーーーーッ!


この作品を、わたしはずーっと机の引き出しにしまい込んでいた。

一度くらいは両親に読ませたかもしれないが、万が一じっくり読まれて、「あら、この子自分で『まだ7さいなのに』なんて書いてるわ、ぷぷぷ」と思われるのではないかと恐ろしく、基本的には人に見せないようにしていたのだ。

かといって捨てるのも惜しかった。

そしてわたしは昔から、自分の過去の作品を振り返るのが好きだった。

だからこの絵本も定期的に自ら開いては「ウワーーーーーーーッ」となっていた。その結果、40年近く経ってもこのフレーズを引きずる身体になってしまったのだけれど。

この本は実家を飛び出すときに置いてきてしまったが、わたしの机は数年後に丸ごと処分されたと聞いている。他のノート等と一緒にサクッと処分されたことを祈るしかない。

(1,500字)


このエピソード、茨木さんの「#全裸noteプロジェクト」に使おうと思っていたんだけど…

なにっ。10代の恥ずかしいエピソードが対象だと!?

うぅ、確かにこんな7歳児の話じゃ微笑ましすぎて、まだまだ全然全裸度が足りていない。

なんだ全裸度って。

というわけで今回は全裸の前哨戦とします。本戦はまた今度!


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