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スポーツと精神医学: トップアスリートのメンタルヘルス問題~IOCの論文紹介~

皆様、こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です。

最近、スポーツ選手のメンタルヘルスのことが、とても気になっております。

きっかけは、K-1の武尊氏が、数年前よりパニック障害うつ病を患っていることを最近公表したことです。

皆様の中には、武尊氏のカミングアウトに「意外」「イメージと違う」...などと、驚いた方もいるのではないでしょうか?

確かに格闘技を含め、プロスポーツ選手の方々は”心身ともに健康”というイメージがありますが、現実は必ずしもそうではないのです…。

私はスポーツ医学を専門としておりません。

しかし、いち精神科医の私がアスリートを応援できることはないか…、そう考えたところ、やはり"メンタルヘルスに関する啓蒙しかない"という考えに至りました。

そんな中、あのIOC(国際オリンピック委員会)が2019年に、アスリートのメンタルヘルスに関するconsensus statement (合意声明)を発表していることがわかりました。

そこで今回はこのIOCが発表した「一流アスリートのメンタルヘルスについて」という論文を、皆様にご紹介したいと思います(論文はやや長めなので、重要と思われる箇所を抜粋して紹介します)。

本記事が、アスリートの方々および関係者の皆様へのエールになれば幸いです

なお、今回は急いで記事を書きましたので、読みにくい部分があると思いますが、ご容赦ください

Mental health in elite athletes: International Olympic Committee consensus statement (2019), Reardon CL et al., Br J Sports Med, 2019

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31097450/

【一流アスリートにおける精神疾患の有病率】

まず、本論文に記されている、アスリートのメンタルヘルスに関する具体的な数字を紹介しましょう。

このレビュー論文によると、12ヶ月間の間に一流アスリートの5-35%が精神疾患を発病するそうです。

また燃え尽き症候群、アルコールの乱用が5%のアスリートに認められるそうです。

もう少し細かい数字を挙げると、チームスポーツの男性一流アスリートの不安・抑うつの有病率は45%であり、女性アスリートの場合は不安・抑うつ以外にも摂食障害の割合が高くなるそうです。

【一流アスリートが注意すべき11の精神疾患】

論文では、アスリートが注意すべき11の精神疾患について紹介しています。

1.睡眠障害
オリンピック選手の64%が不眠症という報告がある。
・特に競技前夜は十分な睡眠をとることが難しくなる。
・体重が必要な競技では、睡眠時無呼吸症候群が多い(アメフト選手は特に多い)。

2.うつ症状
アスリートのうつ症状の有病率は一般人と比較して差はない
・しかし、アスリートはうつ症状の自覚に乏しく、また症状あっても”スティグマ(偏見)"のため受診や相談を控える傾向にある
女性アスリートは、男性アスリートの2倍抑うつ症状がある
・遺伝要因や環境要因の他に、怪我、競技の失敗、スポーツからの引退、脳震盪の経験、痛みなどがうつ病のリスクファクターとなる。

3.自殺
・米国における大学生アスリートの死亡のうち7.3%が自殺。
・アスリートの自殺率は一般人口より率は低い(アスリート: 0.93/10万人、一般: 11.6/10万人)。

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