『漫画家やめたいと追い込まれた心が救われていく1年間』を読んで
“怖さ”を抱えたまま、生きていくために
この本を読んで、心の奥に静かに響くものがあった。
私は「やってみたいこと」自体は怖くない。興味があることにはすぐ飛びつく方だ。
けれど、怖いのはそのあとだ。
自分が作ったものへの反応やコメントを受け取る瞬間——
その時間が、どうしても苦手だ。
誰かの言葉を、つい“自分への否定”として受け止めてしまう。
頭では「作品へのフィードバック」とわかっているのに、心のほうが先に痛がってしまう。
作者も、同じような怖さを抱えていた。
「見放されるのが怖い」「馬鹿にされるのが怖い」
編集者さんからのフィードバックにビクビクしていたという。
その“気にしすぎる感じ”、私にはよくわかる。
けれど、作者はコーチングを通して少しずつ変わっていった。
アドバイスをもらうわけではなく、
会話を重ねる中で自分の内面を覗き込み、
「ああ、これはこういう感情から来ているのか」と認識していく時間——気づきの時間。
その静かな理解の積み重ねが、怖さをやわらげ、自分を取り戻していく過程になっていった。
お父さんの話にも私は強く共感した。
私の場合は母との関係が苦しかった。虐待されたわけではないけれど、幼少期のトラウマはいまだに私を苦しめる。
けれども、あの母がいたからこそ「同じ間違いはしない」と決めて子育てをしてきた。
子どもに同じ気持ちを抱かせたくなかったから。
そう考えると、「反面教師にできたから……まあ、いいか」とさえ思える。
そして、読み終えた今思う。
フィードバックって、作品をよくするためのものであって、個人攻撃ではない。
当たり前のようで、ずっと怖かったこと。
でも、その恐怖心が少し薄れた。
きっと、作者のように“理解する”ことで、
私の中の怖さも静かに形を変えていくのだと思う。
私の場合は、動画を作ることが趣味だ。
これからは、どんなフィードバックも怖がらずに、素直に受け取ってみようと思う。
怖さをなくすことではなく、
怖さを抱えたまま、自分を理解していく。
そんな自分を、これからは抱きしめていこうと思うのだ。
