中華風のたまご粥 乳化した米の旨さ|ごはん粥ラボ#01
お粥研究家が「ごはんからつくるおかゆ」のコツをご紹介する連載「ごはん粥ラボ」!
第1回のこの記事では「中華風のたまご粥」をレシピとともにご紹介します。
みんな大好き、中華粥。日本のおかゆは味気ないから苦手だけど、中華風のおかゆは好き!……という声もちらほらお聞きします。
ところで、日本のおかゆと、中華粥の一番の違いは何でしょう?
出汁を使うかどうか?米粒が崩れているかどうか?……いいえ、中華粥のおいしさの秘密は、ズバリ「油」です。中華粥らしさの要は、油で粥が乳化しているところにあるのです。
鍋にお米(ごはん)と中華だしを入れて煮込んでも、中華だし風味のいつものおかゆができるだけで、中華粥特有のとろみやコクは生まれません。
お米からつくるときも、ごはんからつくるときも、おかゆを中華風にしたいときは、ちょろ〜っと、油!
……これ、すっごく使える調理法なのですよ。
油の力を実感できるおかゆとして、ごはんからつくる「中華風のたまご粥」を作ってみましょう。いつもとの違いは、きっと「油」だけ。こんなに違うものなのか〜!と、びっくりしますよ。
中華風のたまご粥のレシピ

調理時間は15分程度。ごはんからつくるおかゆ(入れ粥)のレシピです。
【 お茶碗1杯分の材料 】
ごはん 100g
ごま油 小さじ1/4(約1g)
水 300ml
卵 1/2〜1個
塩 少々
*顆粒だしを入れる場合は、小さじ1/4(約2g)程度を目安に。
参考:【 お茶碗2杯分の材料 】
ごはん 200g
ごま油 小さじ1/2(約2g)
水 600ml
卵 1個
塩 少々
*顆粒だしを入れる場合は、小さじ1/2(約4g)程度を目安に。
レシピのまとめ&アレンジアイディアは「おかゆワールド.com」で!
作り方
お水と一緒に油を入れるのがポイント!
油と一緒に煮込むことで、油がお米と水分の「つなぎ」となり、一体感がでます。食欲そそる香りもポイント!コクのあるおいしいたまご粥に仕上がります。
①中火にかける
鍋にごはん100g、ごま油 小さじ1/4(約1g)、水300mlを入れます。

顆粒だしを入れる場合は、小さじ1/4(約2g)程度を目安にここで入れます。冷凍ごはんを使う場合は、解凍してから調理します。
材料を鍋に入れたら、ほぐさずに、中火にかけます。

💡土鍋は△
土鍋で油を使用する調理をすると、土鍋の表面の細かな穴に油が入り込んでしまい、傷みや割れの原因になることも。表面がツルツルとした厚手の鍋、ステンレス製鍋やホーロー鍋がおすすめです。
💡出汁を入れるか入れないか
ごはんからつくるおかゆは、煮込み時間が短いため、お米の甘みや旨味が広がりにくく、あっさりとした仕上がりになる傾向があります。風邪をひいたときの療養食として食べるときは出汁なしであっさりと、日常でいただくときは顆粒だしや白だしを入れることが多いです。昆布出汁で炊いたり、桜エビや鶏肉など旨味のある食材を組み合わせるのもおすすめです。
トッピングやシーンに合わせて、アレンジしてみてくださいね。
②弱火で煮込む
鍋の中がふつふつと湧いたら、おたまの背でやさしくごはんをほぐします。

💡ほぐすタイミングがポイント
ごはんをほぐすタイミングがポイントです!ふつふつとしてからほぐすことで、糊のようなベッチャリ食感になるのを防ぐことができます。
ときどき混ぜながら5〜10分ほど、弱火で煮込みます。

水気が減りすぎてしまったら差し水を。
③味付け→たまご
米粒がやわらかくなったら、塩で味をととのえます。

一度火を強め、溶き卵をぐるっと回し入れます。

10秒ほど待ってから、ふわ〜っと、やさしく混ぜ火を止めます。

ふんわり、いい感じに仕上がりました!

💡味付けが先!卵はあと!
先に卵を入れてしまうと、卵が塩をキャッチして、味ムラの原因に。味付けをしてからたまごを入れる、この順番がとっても大事なのです。
ここで完成としてもよいのですが、時間があれば、ぜひ蒸らし時間を!全体の味がなじみ、さらにお米がふっくらと仕上がります。
④蒸らし
最後に、フタをして2〜5分ほど放置して蒸らします。

器に盛りつけたら完成です!
いただきます!中華風のたまご粥。
あら〜、きれいな黄色!卵がふんわり仕上がりました!

トッピングには、おろし生姜、クコの実、青梗菜をセレクト。あと、黒胡椒も!

たまごは「ほぼ完全栄養食」と言われていて。
「ほぼ」の理由は、ビタミンCと食物繊維が含まれていないからなのだそうで、ということはつまり、茹で青菜をちょっと足すだけで、はい、ばっちり〜◎
茹でるのはおっくうなので、パッとちぎって、さっと洗って、アイラップに入れてチン。青梗菜のほかにも、小松菜、かぶの葉、豆苗、春菊などでも◎

茹でるより断然ラクですし、栄養を逃さず、緑も濃く仕上がります。おかゆ以外でも、パスタとか、ラーメンとか、ちょっと野菜足りてないかな……ってときに大活躍のトッピングです。
ごま油の「トッピング」も香りがよくなっておいしいのですが、油を一緒に「煮込む」と、おかゆ全体に魔法がかかります。一体感とサラリ感が共存!

うまい……乳化した米とは……うまい!

粘り気が出過ぎるのを防ぎつつ、油分が水分と乳化することで、全体になめらかなとろとろ感が生まれる。
油って、すごくないですか……!?
まとめ
「中華風のたまご粥」からみえてくるポイントは、乳化した米の旨さ。
#01 おかゆを「中華風」にするときは、ちょろっと油を入れる。
ほんとのちょっとの油を足すだけなので、どんなおかゆにも転用できちゃいます!
油には「カロリーが高い=悪」というイメージがつきまといますが、ただ避ければいいってわけではないようです。
油は、香りを引き出し、コクを与え、料理を立体的においしくしてくれる。ときには、栄養の吸収まで助けてくれる!まるで魔法のような「おいしいのジャンプ」を起こしてくれる、すごい存在なのですね。
おかゆと油の関係を知ったときに、ふと、思ったことがあって。
油も、塩も、お酒も、ひょっとしたら、不安みたいな気持ちでさえも、「避けるべきもの」と一刀両断に扱えるほど、ものごとは単純ではないのかも……と、そんなふうに感じたのです。
ちょろっとの油がおかゆをおいしくしてくれていたように、気づかなかった役割はきっとあって。その使いどころさえわかれば、主導権をもって、いろんなものと付き合っていけるのかもしれません。
きのうまでなんとなく避けていたものが、おいしさの種だったりする。
料理って、暮らしって、おもしろいですね。
ちょろっとの油の魔法が、おいしい時間のヒントになりますように。
お粥研究家の鈴木かゆでした!
レシピのまとめ&アレンジアイディアは「おかゆワールド.com」で!
🌾余談:生米からつくるなら是非出汁なしを試してみて!
卵は旨味を持った食材。なんと、昆布やトマトとおなじ「グルタミン酸」を持っています。
お米の甘みも加わる「生米からのおかゆ」の場合は、いつもお出汁を入れずにつくります。出汁がなくてもじゅうぶんおいしいのです。
生米からたまご粥をつくるなら、是非出汁なしをお試しあれ!(参考:「たまご粥のレシピ 卵粥は出汁なしでおいしい」)
おかゆのトッピングの定番、クコの実🙌
— お粥研究家 鈴木かゆ (@kayu_szk) October 23, 2025
急ぎの時はお湯で戻しちゃうんですけど、そこにちょこっと「お醤油」を入れてみたら……🤏
✅いつもより赤が濃い!
✅いつもより甘い!
いつもより色が濃くなるのは、 醤油自体の色か、浸透圧の変化で色素成分が抽出されるのでしょうか。… pic.twitter.com/1sFui0IboN
卵黄は平性、卵白は涼性で、それぞれ性質が異なります。ビタミンCと食物繊維以外の栄養成分が含まれた、ほぼ完全栄養食品です。
