「空飛ぶタイヤ」を見た(ネタバレあり) #112
少し、映画を見ていこうと考えたので、見た映画の感想をメモしていく。
父から引き継いだ運送会社を経営する社長の赤松徳郎は、ある日自社のトラックのタイヤが脱輪し、通行人を巻き込み死亡させたと聞く。当初、整備不良と思われたが、整備不良ではないことがわかるが、保険会社が委託した検査を担当した会社からは、整備不良であるとの検査結果が出る。という、出だしのトラックのタイヤ脱輪事故と、某社を売却に追い込んだ、リコール隠しを題材にした映画だ。
まずは、やはり主人公の長瀬智也でしょ
運送会社の社長赤松を演じるのが長瀬智也だ。中小の運送会社である赤松運送は、整備部門の閉鎖を検討するも、もともと車の整備から発展した会社であるため、整備部門の閉鎖は断念する。その際に、「社員は家族」と言い切るところは、彼らしさが出ていてとても良かった。
会社のため、リコール隠しに立ち向かうところも、彼の持ち前のヒーロー感が滲み出ていて、とても絵になる。
意外と気が抜けない展開
この物語は、赤松からの電話を最初に受ける、販売部カスタマー戦略課長を演じるディーン・フジオカや、車両製造部課長、品質保証部課長、常務などをはじめ、自動車会社の系列銀行の融資担当者、内部告発をうけ内情を探る新聞記者、事故調査を行う警察など、登場人物が多い。
これらの登場人物は、当然主人公である赤松と全て直接関わるわけではなく、それぞれの思惑で動いていく。
赤松の動きや、そのほかの動きをトリガーにして、時として赤松に有利な動きをしたり、そうでない動きをするため、見ていて最後まで気が抜けない。
例えば、ディーン・フジオカは、当初赤松からの電話を部下に処理させて自分で受けないどころか、会おうとすらしない。ところが、会社がリコール隠しを行なっている可能性を察知すると、彼に会い、協力をしていくといった具合だ。
程よくリアリティにこだわっている
こういった社会悪を駆逐していく話では、主人公が逆境に見舞われながらも、孤軍奮闘して最終的に会社を救うという展開が定番だが、今回はそうではなかった。
赤松社長の行動はあくまで自動車会社を追い詰めるきっかけにはなるが、最終的に追い詰めるのは、他の人たちのアクションが合わさっての結果になる。
主人公一人のアクションで全ての問題が解決しないところに、現実社会の仕組みの再現(表現)にこだわったところが感じられ、より物語をリアルに感じさせるのに役立っていると感じた(それでも、すんなり行き過ぎのところも無きにしもあらずだが、そこはフィクションということで許容範囲か)。
できれば、また長瀬智也の演技を見たいと思った。音楽活動は再開するようなので、もしかしたら縁起の世界にも戻ってきてくれる日も近いのかもしれない。
