『この光が、曇りませんように』―詩―
アクリル越しに
奇妙なナマケモノが眠っていた
まわりには
もっと人気がありそうな犬や猫もいたけれど
きみが好きそうだと思ったのは
そのナマケモノだった
声をかけると
きみはケースの中をのぞきこんで
「かわいい」って言った
媚びも、比較も、証明もない
ただ
きみのまっすぐな笑顔だけが
そこにあった
ぼくは アームを操った
何度もすくっては 逃げられて
それでも、きみが見ていたから
手を止めなかった
どうか
この光が、誰かの声で曇りませんように
この笑顔が、世界に傷つけられませんように
そしてやっと
ナマケモノが、落ちてきた
