二十四節気|小満の終わり|七階を風が抜けていく
今日はハウスクリーニングの日である。
作業服に着替え、近くの物件へ向かう。
昨日は台風の影響で大雨で大変でした。
もっとも、今日は朝から晴れているが、ぼやけている感じだ。台風一過というほどスパッと抜けるような青さではない。道路には葉っぱが散り、風もまだ少し強く残っている。
昨日の名残だろうか。
そんなことを考えながら現場へ向かう。
最近は車で通勤することも多くなり、以前ほどゆっくり景色を見る機会が減っていた。
久しぶりに公園へ寄ると、木々はすっかり葉を広げている。
まだ六月四日だというのに、五月がずいぶん前のことのように感じた。

窓を開ければ気持ちのいい風が入り、朝晩は少し肌寒い日もあった。
ほんの少し前のことなのだが、季節は思っている以上の速さで進んでいるらしい。
今日の現場は七階の角部屋だ。
南側にベランダがあり、北側にも窓がある。網戸にすると、風が部屋を抜けていくのがよくわかる。
これは体験してみないとわからない心地よさだ。
不動産の広告には「通風良好」と書かれるのだろうが、実際にその部屋に立つのとは少し違う。
薄曇りの向こうには新宿副都心の高層ビル群が見えていた。
スカイツリーも見える。
富士山は雲に隠れていたが、晴れていればきれいに見えるし、神奈川の大山はくっきりと姿を見せていた。
風が気持ちよく抜けていく。
あまりにも気分がいいので、スマホからラジオではなく、YouTubeのボサノバを流した。
掃除をしていて楽しいのだから不思議である。
ハウスクリーニングという仕事は、なかなか段取り通りには進まない。それでも今日は、ご機嫌な風が部屋の中を通り抜けていった。

二十四節気では、今は小満というらしい。
小さく満ちると書く。
草木が育ち、少しずつ実りへ向かう季節だという。
なるほど、今日の景色を見ていると、そんな言葉も悪くない気がした。
気がつけば小満も終わりである。
その先には芒種があり、夏至があり、梅雨があり、そして暑い夏が待っている。
さあ、今年も少しずつ覚悟を決めて、暑さに向かっていこうかと思う。

<少しだけ補足>
小満(しょうまん)とは二十四節気のひとつで、
おおよそ 5月21日頃から6月4日頃まで を指します。
「小さく満ちる」と書く。
昔の農家が、冬を越えた麦や作物の成長を見て、
「今年もなんとか実りそうだ」と少し安心した頃だと言われています。
つまり、
満開でもない。
収穫でもない。
完成でもない。
少しだけ満たされる。
そんな季節なのです。
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