自己一致警察
仲がいいわけでも悪いわけでもない、羨ましいわけでもない友達。
話したり、SNSの投稿を見たりすると、違和感のサイレンが体中に鳴り響く。
サイレンの音を小さくしようとスクロールすればするほど、逆に音は大きくなり、赤いピカピカが激しく回る。
推察と粗探し。
これはまずい。
どうもサイレンは内から発せられている。
原因探求班が大きなスコップ片手に出動してから、かなりの日数が経過していた。
お蔵入りかと思われた矢先、スコップが何かに当たった。
“自己一致警察”
おっと、これは思ったより大物だ。
掘り進めると形が見えてくる。
表面的に聞き心地のいい言葉を発していても、行動がその言葉と一致していないと分かると、パトカーが出動する。
赤いランプと大きなサイレンが、目にも耳にも騒がしい。
逆に、聞き心地が悪いことを言っていて、実際にその行動をしている人たちには、警察は出動しない。
むしろ、自分の弱さや欲望を言葉にして、その通り実行している人たちには盛大な拍手を送る。
潔さと清々しさが警察たちの目に光を宿す。
でっかいスコップで、もう一踏ん張り掘ってみる。
思い返せば、子供の頃、周りにいた大人は、体裁を守るために嘘をつくことがある人達だった。
よく帳尻を合わせるように言われたっけ。
最初は違和感だった帳尻合わせ。
大人になるとすっかり板について、周りの大人と大差なくなった。
自分の手が首に伸びて、だんだん苦しくなっていく。
このままだと息の根を止められる。
「どうしてそんな嘘つくの?」
恥ずかしいから。
腹黒いから。
情けないから。
愛されたいから。
原因が分かると安心する。
そんな自分も大きなハグで迎えた。
前より生きやすい。
私の中で、ある意味それは正解。
そして成功。
でもその正解の影に、“自己一致してないとダメ”という価値観をもった警察を誕生させていたみたい。
しまった。
コインの裏の確認を忘れてた。
警察はあれよあれよと増員されて、今では我が物顔でパトカーを乗り回している。
“人に目くじら立てるなんてカッコ悪い”って顔をしながら、パトカーを暴走させていた私。
また一つ、恥ずかしいところみーっけ。
苦笑いで迎えよう。
自己一致警察の私に、大きなハグを。
