お題は『本屋』#風まかせ文芸部 第44回お題企画
*参加させて頂きます。宜しくお願い致します。<(_ _)>~~✨
*死神のつぶやき
死神 の私が 本屋 に立ち寄るなど、聞いたこともない。
どうかしていると・・・死神 仲間 の冷笑が浮かぶ。
迷う魂の誘いを任とする私の立場には 非情が基本である。
職務では自らの想いを閉ざしたままに
あくまでクールに遂行する。
そんな・・・変わることのない日常に変化が生じた?!
どうしたことだ? ・・・・閉じたままの想いに
変化を求める小さな衝動が生まれて・・・
目的さえ希薄なまま・・・・まるで、人間のような足取りで
引き寄せられるように 本屋に向かわせた!!
これは・・・人間社会で言う流行りの 感冒疾患 のようなものか??
意味不明の自分の行動に 御都合の理由を求めていた。
***********
理屈はともかく、今・・・私の目の前には 古い本 が並んでいる。
なるほど、ここが本屋の中でも 古さを武器とした書店?
・・・・数多の本のタイトルに連動するように
ありとあらゆる想いが 津波のように押し寄せ・・・・
人々の死に関わった私の歴史が 走馬灯のように浮かんだ。
私はすでに、この場にいる事を後悔している。
このまま何かの本を手に取り、読み始めでもしょうものなら?!
まるで人間のように・・・・妄想の闇に囚われる危険を感じた。
本には、すでに死した人々の魂が宿っている。
彼らの魂までも誘う職務過多の恐怖に駆られていた。
死神 として・・・
人間と想いを共有することだけは 避けねばならない。
****
?・・・店番らしき若い娘が近付いてくる?!
関わってはならない・・・・!!
「何か・・・お探しですか?
よろしかったらお手伝い致しましょうか?」
「あ、いや・・・結構です!💦」
「あの・・・
そんな風に《 死神 》のような眼で見つめられたら・・・
探している本まで、怖がって逃げてしまいますよ?」
「・・・・・・?!!」
「 フフツ、失礼しました。ごゆっくりどうぞ ♪ 」
(・・・ ビックリした。 思わず正体がバレたかと思った!!💦)
****
気付けば・・・・
本棚にあった一冊の本の前で立ち尽くしていた。
***********
逃げるように・・・
一冊の本を手にしたまま 本屋を後にした。
(料金は支払った。)
持ち帰った本の名は永遠に明かせない。
私自身が・・・・
かつて人間だった事を明かす物証・・・残照 だからだ。
私は平凡な 死神である。
職務は、迷える魂のゆくべき道に誘う・・・・・・☆
死神に本屋は似合わない!!!
《完》
*このお話はフィクションです。
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