お題は・夏の音『宇宙に咲いて』#風まかせ文芸部 #風まかせな物語
*参加させて頂きます。宜しくお願い致します。<(_ _)>~✨
*とある宇宙空間で
星の住人になる事をやめてからどのくらいになるだろう・・・?
こうして、時間の柵(しがらみ)の中に居続けることが細やかな
オレ自身への戒め。自由の全てを享受するほど身勝手でもない。
暗黒に見える宇宙空間にもそれなりに変化があって、例えば今も
惑星で肉体の終わりを迎えた《魂》たちが行先を求めてあちこちで
迷子のように飛び交っている・・・
手を貸すこともできるがオレの性じゃない。
ん? あれは・・・ちょっと珍しいタイプだ。
「おや、誰かから声を掛けられるなんて久々のことじゃ。
あんた、自分が天使だったことも忘れているのかい?」
「ちゃんと覚えてる。ただ、天国に帰るのをやめてるだけさ。」
「はは、こんな孤独な宇宙空間で何をしてるのかね?
ずい分、物好きな堕天使さんだ。」
「あんたこそ! そのお爺さんの風体では・・・
とても《妖精》さんには思えない。物好きを超えてる。
で・・・その大きな荷車は何?なんか、売っているの?」
「あぁ、わしの商売だからね。とはいえお金は取らない。
ちょっとした夢を叶える『音玉売り』じゃよ。」
「へぇ、初めて聞いた。具体的には?」
「これから行こうと思っていたのは、氷河期に入った惑星の人々に
遠い昔に閉ざされたままの《夏の音》を届けようとしていたとこじゃ。
彼らは自分たちの星に、かつて《夏》があったことさえ知らないからの」
「ふ~ん・・・記憶の底に眠っている 音 を届ける・・・か。
うん。あんたの風体には、似合ってると思う。素敵な仕事だね!」
「よかったら、あんたも聴いてみるかね?
とある惑星の《夏の音》・・・ あんたもかつて住んでいた星かもじゃよ?」
「 いいのかい? うん、お願いするよ!!」
お爺さんは荷車から幾つかの《音玉》を取り出しました。
お爺さんの手から離れた幾つもの音玉が、
男の周りを取り囲むように浮遊して行きます・・・
同時に、音を聴くための球空間が 彼の周りを大きく包みました。
《音玉》の一つが輝き、かれの耳元でパッ☆とガラスが破裂して
包まれていた音が飛び出します・・・☆
チリン☆ チリリ~~~~ン☆
「・・・・・これは? 思い出した。《風鈴》の音だね?」
「まだまだあるよ。あんたも《夏》を楽しむといい。
わしは先を急ぐので、これで失礼するよ・・・」
お爺さんの《光》は、あっという間にその場から消えました。
☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
宇宙空間に浮かぶ 彼を包む 球空間 の中で・・・ 《音玉》が割れて
次々と夏の音が弾けました。
ジリジリジリジリジリジリジリジリ・・・・ (アブラ蝉の声)
ミーン ミーン ミーン ミーーーン ミーーーーン・・・・(ミンミン蝉の声)
チリン☆ チリリリ~~~ン☆ (風鈴の音)
ザァアーーーーーーーーー・・・・ (雨音)
ドン☆ ドドン☆ ドーーン☆
ドン☆ ドドン☆ドーーーーーーーーン☆☆☆
(打ち上げ花火の音)
様々な音が 彼を夏に誘います.。
果てない宇宙空間の そこにだけ
遠い日の・・・
真夏が訪れているようでした。
《了》

*このお話はフィクションです。
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