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40代ナース、20年ぶりのマッチング。画面越しの「はじめまして」に指が震えた話。


目次

1. アプリ通知の「バイタルサイン」に戸惑う日々
2. 20年前の「メール」と、令和の「チャット」の壁
3. 職場で「強い女」を演じる私、画面の向こうで「女の子」になる私
4. ついに来た、心停止レベルの一言
5. 最後に:リハビリは、ゆっくりでいい。


1. アプリ通知の「バイタルサイン」に戸惑う日々

マッチングアプリを登録してからというもの、私の生活は一変しました。
仕事中、ナースステーションでスマホが震えるたびに「あ、患者さんの急変指示?」と反射的に体が動いてしまう職業病。
でも、恐る恐る画面を確認すると、そこには火が灯ったようなアイコンと「マッチングしました!」の文字。
20年ぶりの恋愛リハビリ。
初めての「いいね」を返したとき、私の心拍数はたぶん120を超えていました。
「はじめまして!マッチングありがとうございます」
画面越しの男性からの、丁寧な挨拶。
それだけで、夜勤明けの疲れきった心に、栄養剤を1本打たれたような不思議な感覚になったんです。

2. 20年前の「メール」と、令和の「チャット」の壁

そこからが、また難題でした。
私の恋愛の記憶は、20年以上前「ポケベル」や「キャリアメール」で止まっています。
令和の「チャット形式」のスピード感に、ナースの思考回路が追いつかない。
「何て返せば失礼じゃない?」
「絵文字はどれくらい使うのが正解?」
「既読をつけてから、何分後に返すのが『余裕のある女』?」
考えすぎて、結局送ったのは「お疲れ様です。今日は日勤でバタバタしていました」という、あまりにも色気のない報告。
でも、彼は「大変なお仕事ですね。無理せず、ゆっくり休んでくださいね」と返してくれた。
その一言が、独り身の部屋に灯った小さな明かりのように思えました。

3. 職場で「強い女」を演じる私、画面の向こうで「女の子」になる私

病院では、後輩を指導し、ドクターの無理難題をこなし、患者さんの不安を受け止める。
いつの間にか、私は「何でも一人でできる強い女」という仮面を脱げなくなっていました。
でも、アプリの中の彼は、私を「ベテランナース」としてではなく、一人の「女性」として扱ってくれる。
「今日は何を食べましたか?」「最近笑ったことはありますか?」
そんな他愛もない質問に答えているうちに、クローゼットの奥に押し込んでいた「甘えたい自分」が、少しずつ顔を出し始めたんです。
「あぁ、私、本当は誰かに『お疲れ様』って言ってもらいたかったんだな」
そんな当たり前のことに、40代後半になってようやく気づきました。

4. ついに来た、心停止レベルの一言
やり取りを始めて2週間。

スマホの画面に、心停止しそうになるくらい心臓に悪いメッセージが届きました。
「もしよかったら、今度の週末、ランチでも行きませんか?」
怖い。
でも、嬉しい。
鏡を見て、20年前にはなかった目尻のシワを指でなぞる。
「こんな私が行ってもいいのかな」という不安と、「もう一度だけ、誰かと笑い合いたい」という希望が、胸の中で5:5で混ざり合っています。
結局、返信したのは「はい、楽しみです」の5文字。
送信ボタンを押した後、あまりの緊張で、手洗いのシンクで1分くらい手を洗い続けてしまいました(これも職業病ですね)。

5. 最後に:リハビリは、ゆっくりでいい。

20年ぶりの「初デート」が決まりました。
何を着ていけばいいのか、何を話せばいいのか、正直パニックです。
でも、一歩踏み出した自分を、今は少しだけ褒めてあげたい。
同じように「空の巣」で寂しさを抱えているナースさん。
私たちのリハビリは、まだ始まったばかりです。
次回は、**「40代ナース、20年ぶりの初デート。待ち合わせ場所で心停止しそうになった件」**をお届けします。
クローゼットの奥から引っ張り出したワンピース、入るかな……(笑)

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