清原流スクリーニングマニュアルSTEP6【暴落待機と実行】
はじめに
――銘柄分析よりも、はるかに難しい“最後の壁”
清原流バリュー投資で最も難しいのは、銘柄を見つけることではありません。
それは「暴落時に、設計通りに実行できるかどうか」です。
(かっこつけましたが、私もはじめは設計通りに実行なんてできませんでした。)
なぜなら、分析は冷静な環境でできますが、暴落は恐怖の中で起こるからです。株価が急落し、ニュースが悲観で溢れ、SNSがパニックになる。その空気の中で「予定通りに買う」という行為は、想像以上に難しいのです。
例えば、購入予定価格を決めていても、いざ到達すると「まだ下がるのでは?」と指が止まります。逆に上昇相場では、条件に達していないのに「今買わないと乗り遅れる」と焦ってしまう。これが人間の本能です。
だからこそSTEP6は、清原流バリュー投資の核心であるのです。
待つこと、そして怖い時に撃つこと。
この最後の壁を越えられるかどうかで、投資家としての完成度が決まります。
第1章
「何もしない」という最強の戦略
――上昇相場で“買わない勇気”を持てるか
結論から言います。
清原流バリュー投資において最も強い行動は「何もしないこと」です。
投資というと、銘柄を見つけて、分析して、タイミングを計って、機敏に動くものだと思われがちです。しかし実際に資産を伸ばしている投資家ほど、普段はほとんど動いていません。なぜなら、リターンを生むのは「売買回数」ではなく「条件に合った売買」だからです。
人は動きたくなる生き物です。特に上昇相場では、「今買わないと置いていかれる」という焦りが生まれます。SNSを開けば「この銘柄で+30%」「今からでも間に合う」といった投稿が流れてきます。ニュースでは「最高値更新」「強気相場入り」といった言葉が並びます。こうした環境の中で何もしないというのは、想像以上に難しいのです。
たとえば、投資初心者のAさんの例を考えてみましょう。Aさんはしっかりスクリーニングを行い、購入予定価格も決めていました。しかし株価がじわじわ上昇し始めると、「少しくらい高くてもいいか」と予定価格より上で購入してしまいました。その後、調整局面が訪れ、株価は当初の予定価格まで下落。結果的に含み損を抱え、精神的に不安定になり、底付近で売却してしまいました。設計を守らなかった代償です。
一方で、成功例もあります。Bさんは同じように銘柄を監視していましたが、価格が予定に達するまで一切手を出しませんでした。周囲が盛り上がっている間も、「自分の条件ではない」と淡々と見送りました。数か月後、市場全体の調整で株価が下落し、予定価格に到達。その瞬間に迷わず購入しました。その後株価は回復し、しっかりと利益を確保できました。違いは才能ではなく、「何もしない勇気」だったのです。
上昇相場で買わないというのは、決して消極的な行動ではありません。むしろ極めて積極的な“防御”です。割高で掴まない、感情で動かない、焦らない。これらはすべて資産を守る行為です。そして守れなければ、攻めることもできません。
清原流バリュー投資では、スクリーニングによって厳選した銘柄だけを監視します。そして三段階の買付価格を設計します。優先順位も決めます。ここまで準備したら、あとは「待つ」だけです。株価がどれだけ上がろうと、条件に達しない限りは動きません。これは退屈です。正直、相場が堅調な時期はやることがありません。しかし、その退屈さこそが清原流バリュー投資の本質なのです。
多くの初心者は「何かしていないと不安」になります。毎日トレードしないと取り残される気がする。口座が動いていないと損をしている気がする。しかし、実際は逆です。無駄な売買を減らすことこそが、パフォーマンスを改善する最短ルートです。
ここが本当に重要です、私の投資経験28年でいきついた答えは無駄なトレードを省くことが一番パフォーマンスが上がりました。
投資は「行動量」ではなく「精度」です。そして精度を高めるには、条件以外では動かないことが不可欠です。清原流のSTEP6は暴落時の実行がテーマですが、その前提として「上昇相場で何もしない」という姿勢ができていなければ成立しません。
もう一度結論に戻ります。
何もしないことは、弱さではありません。
それは最も高度な戦略です。
買いたい気持ちを抑え、焦りを抑え、設計に従う。
この積み重ねが、いざ本番の暴落が来たときの“動ける自分”を作ります。
上昇相場で動かなかった人だけが、
暴落相場で正しく動けるのです。
第2章
暴落はニュースではなく“価格”で判断せよ
――指数ではなく、暴落は自分のリストが答えをくれる
結論から言います。
清原流バリュー投資では、暴落をニュースや指数で判断しません。
自分の監視リストが、すべての答えを教えてくれます。
なぜなら、ニュースは感情を煽り、指数は平均値にすぎないからです。投資家が本当に見るべきなのは、「自分が買うと決めた優良銘柄がどうなっているか」なのです。
多くの投資家は、日経平均やTOPIXが大きく下がると「暴落だ」と感じます。しかし指数は、市場全体の平均です。割高な銘柄が売られているだけの可能性もありますし、一部セクターの崩れかもしれません。指数だけを見て動くのは、実は非常に曖昧な判断なのです。
さらに厄介なのはニュースです。「世界同時株安」「金融危機再来か」といった見出しは、恐怖を最大化します。しかしニュースは“結果”を報じるものであり、投資判断の基準ではありません。ニュースに反応する投資は、感情に反応する投資になりやすいのです。
初心者の失敗例を考えてみましょう。Cさんは日経平均が▲5%下落した日に慌てて株を売りました。「暴落が来る」と感じたからです。しかしその後、市場はすぐに反発。結果的に安値で手放してしまいました。指数だけで判断した典型例です。
逆に、Dさんは違いました。Dさんはあらかじめ監視リストを作り、Sランク・Aランクの銘柄と購入予定価格を決めていました。ある日、日経平均は▲3%程度の下落。しかし彼の監視銘柄はほとんど動いていませんでした。つまり、それは“自分にとっての暴落ではない”と判断し、何もしませんでした。
数か月後、市場全体が大きく崩れました。そのとき、彼の監視リストの複数銘柄が同時に購入予定価格に到達しました。Sランクが2銘柄、Aランクも到達。ここで彼は「来た」と判断しました。ニュースを見る必要はありませんでした。自分のリストが答えを出していたからです。そして設計通りに買付を実行しました。
これが清原流バリュー投資の考え方です。
暴落とは、
指数が下がることではありません。
ニュースが騒ぐことでもありません。
自分が厳選した優良銘柄が、同時に割安水準に叩き売られること。
これこそが本質的な暴落です。
あなたの監視リストは、財務健全性、収益力、割安性を満たした銘柄だけで構成されています。70点未満は排除されています。つまり質の高い銘柄群です。その銘柄たちが同時に購入予定価格に達するということは、個別要因ではありません。市場全体の需給が崩れているということです。
これが“価格で判断する”という意味です。
価格は嘘をつきません。
ニュースは解釈ですが、価格は事実です。
さらに重要なのは、価格判断は感情を排除できるという点です。
「複数銘柄同時到達」という客観条件があれば、迷いは入りにくい。判断基準が明確だからです。
一方、ニュース判断は曖昧です。「この下落は一時的か?」「まだ下がるのでは?」と、無限に思考が広がります。曖昧な基準は、迷いを生みます。迷いは行動停止を招きます。
清原流バリュー投資は、曖昧さを排除する投資法です。
暴落判定すら、事前に設計します。
そしてその答えは、
常にあなたの監視リストの中にあります。
もう一度結論に戻ります。
暴落はニュースではなく価格で判断する。
指数ではなく、自分のリストで判断する。
それができれば、あなたは市場の空気に振り回されなくなります。
そして本当に買うべき瞬間だけを、静かに待てるようになるのです。
第3章
監視リストは“暴落検知システム”である
――あなた専用の市場センサーを持て
結論から言います。
監視リストは単なる銘柄メモではありません。
それは、あなた専用の“暴落検知システム”です。
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