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黒い軽トラ

「カフェに行こう」
 
喫茶店ではなく、カフェです。今回は、間違えずに言うことができました。
妻の実家近くに、素敵なカフェがあることを知り、行くことにしました。
 
駐車場に車を停めたときのことです。
妻は、誰かに話しかけているのです。義母でした。
自転車に、たくさんの荷物を括り付け、家に帰ろうとしているところを、見かけたようです。
 
とにかく、一緒にカフェに入り、温まることにしました。
3人で、遅めのモーニングです。家で、朝食をとってきたので、2回目の朝食とも言えます。
深煎りのコーヒーや、美味しいパンをいただきました。そして私は、ディスプレイしてある車の模型を楽しみました。
 
さて、帰るときのことです。
荷物もたくさんあることだし、妻が自転車に乗り、私は義母を車で送ることにしました。

そんな様子を見ていた、一人の男性が声をかけてくださいました。
「この軽トラに、自転車を載せましょか? 後、ついていくし」

寒空の中、なんやら相談をして、自転車と車に分かれて乗るところを、たまたま見かけたのでしょう。
その男性は、手際よく、自転車を軽トラの荷台へ載せてくれました。ぐらぐらしないように、自転車はロープで固定されています。
 
私は、ゆっくり目のスピードで妻の実家を目指しました。時間にして、5分くらいでしょうか。無事に到着です。

3人での、短いドライブの時間をくださったその男性。
お名前は、分かりません。お住まいやお仕事も、もちろん分かりません。
 
彼のことで知っていること。
それは、黒い軽トラに乗っていること、だけです。
次の予定があったかもしれないし、送り先がすごく遠いところだったかもしれないのに…。

暮れゆく2024年。
この素敵な出来事を、次の誰かにつなげていきたいな。
 
彼のことで知っていること。
それは、黒い軽トラに乗っていること。それと…心の豊かさ、かな。
 
今年も、記事を読んでいただいた皆様、ありがとうございました。


☆果たしたかった息子との約束です。よろしければ、ご覧になってください。


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