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雨の体育館

体育館は、静まりかえっています。

とある土曜日の、昼過ぎだったでしょうか。雨音だけが、私の耳に届いてきました。
「本番」のピアノで練習したくなったのです。

「やはり、鍵盤の重さが違うな」
私は、タッチの感触を確かめます。と言えば聞こえがいいのですが、途中で止まるし、失敗の連続です。「よし、うまく弾けた」と、スマートフォンで録音した時に限って、また失敗します。

「ピアノを弾けるようになりたい」と、始業式で宣言してしまった昨年の4月。全校が集まる、最後の卒業式練習で披露することにしたのです。もちろん、内緒です。


結果は…またしても失敗だらけの「なごり雪」でした。でも、子どもや職員からもらった拍手やまなざしに、私はほっとしました。約束を守れた、安堵の気もちです。

数週間たった今も、「ピアノ、よかったですよ」そんなことばをかけてくれる職員がいます。私は、気づきました。「音楽って、気持ちを届けるものなんだな」と。

今日、体育館に立ち寄ることがありました。桜が咲き始め、ようやく春の訪れを感じた日です。静まり返った体育館で、私はこんな気持ちになりました。

「今年は、何を弾こうかな」

【2025年4月8日 初出】


☆ピアノの練習が、なかなか進まなかった時の記事です。よろしければ、ご覧になってください。


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