辰砂|魔法のような反応と不老不死
読者のみなさまから、考察に感想やコメントを頂く機会が増えてきました。本当にありがとうございます。自分自身の考えを整理したり、または再考したりする良い機会だと思っています。私の考察は時にぶっ飛んだものに見えるかもしれませんが、それを都合良く補完していくのが楽しくもあります。
さて、今日は秦の始皇帝が探していた「仙薬」について少し書きたいと思います。
もともと秦が統治していた地域(古蜀含む)、特に四川省あたりは生薬の宝庫です。私も何度か訪れてますが、「天府之国」と言われるほど土壌が豊かです。今は政府が管理する生産サイクルの元、生薬が大事にされています。そんな土地柄なので、戦国春秋時代においても生薬が豊富にあったと思われますが、始皇帝が日本に求めた「仙薬」とは、一体何だったのでしょうか。
私はこの「仙薬」という言葉を、少し別の捉え方で見てきました。
動画を見ていただいたほうが早いので、下記の動画をシェアします。
※時間がない方は、上記の動画の13:26あたりからご覧ください。
この真っ赤な物質が「辰砂(しんしゃ・しんさ)」です。

この辰砂を熱すると、たちまち黒く変化していきます。これが水銀です。



この水銀に「ある物質」を加えてさらに熱すると…辰砂に戻ります。

この「ある物質」がないと、水銀は辰砂に戻れません。「ある物質」の正体は「硫黄」です。始皇帝と言うと水銀ばかり注目されますが、彼はなぜ水銀を服用し、始皇帝陵の中に川を造り水銀で満たしたのでしょうか。
私はこう考えました。
始皇帝は、生前に水銀を体内に取り入れていました。死期が迫った時に、硫黄を体内に入れれば、体内にある水銀と化学反応が起き、水銀が辰砂に戻るように肉体も不老不死として蘇るのではないか、と。辰砂と硫黄による永遠の還元作用を、神秘的なものとして捉えただけではなく、実際の化学反応を体内で引き起こすことで、本当に不老不死(再生)が手に入ると考えていたのではないか、と。
この件については、拙著で詳しく展開しましたので、ぜひ紙本でお読みください。
ここに詳しく書いたので既に読まれた方もいると思いますが、硫黄が採取できるのは火山帯です。中国にはほとんどなく、九州には活火山があります。その1つが霧島山で、霧島山には高千穂峰があります。天孫降臨の舞台ですね。
天孫降臨、高千穂峰、硫黄、呉太伯(太伯山)、徐福(徐市)、絹・養蚕、邪馬台国、稲作、姬姓、呂氏春秋…このあたりを点と点で繋げていくことで、多くのものが見えてきた気がします。
とりわけ火山については、面白いことに、日本の神話に火山の話も出てきますし、火明命などは「火」という字がある通り火山を思わせます。硫黄が出土する火山帯において、人を近寄せない噴火・噴煙というものは、古代において畏怖と共に信仰の対象であったでしょうし、御神体として山を祀ることで祈りを捧げてきたことを考慮すると、荒唐無稽な話でもなさそうに感じます。
このあたりは神話に絡めて考察しているのですが、また機会がありましたら記事にしたいと思います。
お読み頂きありがとうございました。
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