Photo by
aoism935
銀河の片すみ─ 香りで読む、もうひとつの宮沢賢治。
あの日、少しだけ現実がかすんで見えた。雨があがったばかりの朝、ふと開けた引き出しの奥に、小さな瓶がころんと転がっていた。
ラベルには、手書きの文字でこう書かれている。
「銀河の旅。乗車は一滴から」
半信半疑でキャップを外すと、すうっと冷たい空気が頬をなでた。
青りんごのようなみずみずしさ、白檀の静けさ、草の葉についた朝露の匂い。
それは、まだ誰も目覚めていない山の朝だった。
世界が、しん…と音を立てている。
ゆっくりと香りが広がるたびに、目の前の景色が少しずつ変わっていった。
銀色の列車。青いりんどうの咲く野原。遠くでこだまする風。
誰かがそっと隣に座り、「どこまで行くの?」と尋ねてくる。
わたしは何も答えず、ただその香りに身をゆだねた。
やがて、森の奥から木々の香りが立ちのぼり、苔のしっとりとした気配が足元に広がる。
銀河鉄道は終点に近づいていた。
それは、終わりではなく、新しい静けさのはじまり。
「きっと本当のさいわいは...」
言葉の続きは、香りの奥に沈んでいた。
この小さな瓶の中には、物語が棲んでいる。
香りで読む、もうひとつの宮沢賢治。
もしも、あなたが今日ちょっとだけ遠くに行きたくなったら。
この香りの切符を、そっと手に取ってみてください。
ニュースレターで最新情報をお届けしています

Cosmic Scent Scaleの最新情報や開発ストーリー、ワークショップ、新製品のご案内は、カオリ乃メールマガジンでいち早くお届けしています。
さらに、
・毎月のお花買い開運法
・季節の花や香りを楽しむヒント
・イベント・ワークショップ情報
などをお届けしています。
プロジェクトの成長を一緒に楽しんでいただける方は、ぜひカオリ乃BASEショップのメールマガジンへご登録ください。
