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【沖縄と歴代県知事】第8弾・玉城デニー 〜「誰一人取り残さない」3期目を目指す現職知事〜

ハイサイ!八重瀬町議会議員の秋田一成(あきた かずなり)です。

今年の9月、沖縄県では県知事選挙が行われます。その前に「歴代の沖縄県知事」を一人ずつ紹介してきたこのシリーズも、いよいよ最終回です。
屋良朝苗(やら ちょうびょう)さん
平良幸市(たいら こういち)さん
西銘順治(にしめ じゅんじ)さん
大田昌秀(おおた まさひで)さん
稲嶺惠一(いなみね けいいち)さん
仲井眞弘多(なかいま ひろかず)さん
翁長雄志(おなが たけし)さん
7人に続く最後の一人は、現職の第8代沖縄県知事・玉城デニー(たまき デニー)さんです。
※このシリーズは、特定の党派や立場を応援するものではありません。

はじめに、ひとつお断りがあります。玉城さんは現職の知事であり、今年9月の知事選挙に出馬する意向を示しています。これまでの7人のように「歴史上の人物」として振り返ることができない、いままさに評価の途中にある政治家です。そこで今回は、私が「功績」として評価を書き込むのではなく、事実とエピソードの紹介に徹します。評価を下すのは、9月に一票を投じる私たち一人ひとりだからです。

なお、次回はこのシリーズの番外編として、同じく知事選への出馬を表明している古謝玄太(こじゃ げんた)さんを、同じ姿勢でご紹介する予定です。候補になる方を、できるだけ同じ距離感で知ってもらいたいと思っています。

■ 玉城デニーってどんな人?
玉城デニー氏プロフィール:全国知事会

在任期間:2018年10月4日〜現在(第8代沖縄県知事)

玉城さんは1959年、アメリカ統治下の沖縄・与那城村(現うるま市)に生まれました。前回紹介した翁長さんの急逝を受けた2018年の知事選で、「イデオロギーよりアイデンティティー」という遺志を継ぐかたちで立候補し、当選。2022年の知事選で再選され、現在2期目です。

政治家になる前は、「デニー玉城」の名前で活躍したラジオDJ。気さくで社交的な人柄と、ギターを弾いて歌う音楽好きの一面は、知事になった今もよく知られています。そんな玉城さんのエピソードを、3つ紹介します。

■ ① 「十本の指も、十人十色」 二人の母に育てられた少年

玉城さんの父は、アメリカ海兵隊の軍人でした。玉城さんが生まれる前後にアメリカへ帰国し、親子は一度も顔を合わせていません。昼も夜も働くシングルマザーの実母に代わり、幼い玉城さんは母の友人の家庭に預けられ、「おっかあ」と慕う育ての母と実母、二人の母から愛情を受けて育ちました。

米兵を父に持つゆえに、幼い頃は容姿をからかわれ、「アメリカに帰れ」といじめられた経験もあったそうです。そのとき母親がかけたのが、こんな言葉でした。「人間の十本の指も形や長さが違うように、人間も十人十色。容姿は皮一枚のことで、めくれば皆同じ赤い血が流れている」。

玉城さんが知事就任のときから掲げるスローガンは「誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会」。この言葉が、生い立ちと地続きであることは、想像に難くありません。
光文社新書:note記事

■ ② 中学卒業まで医療費無料  引き継がれた子どもの貧困対策

前回、翁長さんが子どもの貧困率29.9%を「見える化」し、対策の土台を築いた話を書きました。玉城県政は、その施策を引き継いで進めています。

2022年4月からは、県内すべての市町村で、中学校卒業までの子どもの医療費(通院・入院)の窓口無料化(現物給付)が実現しました。子どもが熱を出したとき、財布の中身を心配せずに病院へ行ける。ここ八重瀬町の子育て世帯にも、直接届いている制度です。

私がこの流れで感じるのは、「政策は一つの県政だけでは完成しない」ということです。翁長県政が数字で実態を示し、玉城県政が制度として広げた。立場や評価は人それぞれでも、前の県政の仕事を引き継いで育てるという行政の継続性は、町議会で仕事をする私にとっても大事な視点です。

八重瀬町では令和8年度から高校生まで拡充

■ ③ 辺野古と「地域外交」 賛否が分かれる、現在進行形のテーマ

玉城県政を語るうえで避けて通れないのが、辺野古です。ここは評価がはっきり分かれるところなので、事実と両方の見方だけを書きます。

玉城さんは就任直後の2019年2月、辺野古埋立ての賛否を問う県民投票を実施し、反対が71.7%を占めました。その後も軟弱地盤の改良に伴う国の設計変更申請を「不承認」とするなど、一貫して反対の姿勢を取ります。しかし訴訟では2023年に県の敗訴が最高裁で確定し、同年12月には史上初めて、国が県に代わって承認手続きを行う「代執行」が行われました。玉城さんは現在も、対話による解決を求める姿勢を続けています。

辺野古の普天間飛行場第替施設の建設工事写真

また2023年には「地域外交室」を新設し、訪中団への同行や、スイス・ジュネーブの国連人権理事会でのスピーチなど、沖縄の基地負担を国際社会へ発信する独自の取り組みも行っています。

こうした姿勢には、「県民投票で示された民意を代表し、貫いている」という支持の声がある一方で、「国との対立が県政の停滞や振興予算の減少を招いた」「地域外交は安全保障上の懸念がある」という批判の声もあります。

■ おわりに  8人の知事と、9月の一票

復帰を背負った屋良さん。県政の礎を築いた平良さん・西銘さん。基地と経済のはざまで揺れた大田さん・稲嶺さん・仲井眞さん。ふり子の軸を変えようとした翁長さん。そして、その遺志を継いで現在の沖縄を預かる玉城さん。8人の知事は、それぞれの時代の重い宿題を背負ってきました。

このシリーズを書いてきた理由は、シンプルです。歴史を知ると、選挙が立体的に見えてくる。誰に入れるかの前に、まず「知って、考えて、投票所に行く」人が一人でも増えてほしい。その思いで書いてきました。

8人の知事の歩みの先に、9月の一票があります。沖縄の次の4年を決めるのは、私たち一人ひとりです。

次回は番外編として、知事選への出馬を表明している古謝玄太さんをご紹介します。どうぞお楽しみに!

【秋田一成からのお知らせ】

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