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【ドラクエⅠリメイクレビュー】ロト三部作をつなぐ虹のしずく

ドラクエⅠリメイククリアしました。
本当に素晴らしかった。
Ⅱのプレイ前なのにそう思った。

言うなれば、極上の前菜。

それ自体がたまらなくおいしい。
しかし、口当たりは軽く、この後のメインディッシュ(Ⅱ)への食欲は高まるばかり。

そう、正にBBコーンで作ったポップコーン

そして、Ⅱだけでなくロト三部作として見た時には、あたかも虹のしずくのように架け橋となる。
それがこの作品への脚色のない自分の感想である。

作品の魅力を、
①肉付けして再構成されたストーリー
②ストーリーを堪能させるためのバトルと設定
③まとめとして、Ⅱへの期待感

この3本立てで語っていきたい。

■①肉付けして再構成されたストーリー

・そもそもドラクエ1とは?

【あらすじ】
ロトの血を引く勇者が、平和の礎である光の玉を奪った「りゅうおう」を倒す(途中で姫を助ける)

桃太郎でもあらすじもっと長いよね

これが、初代国民的RPGのストーリー。
RPGを知らないこの国にRPGを知らしめた、極限まで無駄を削ぎ落とした王道中の王道。
リメイクしてなお、このシンプルな王道ストーリーは変わっていない。

ここまでシンプルでは、肉付けと言っても敵を増やすしかないのでは?
と思いがちだが、全く違う。
では、何が肉付けされたのか。

・ロトの血の意味

ドラクエⅠの主人公は、「勇者ロトの血を引く者」。
いわば血統主義。
「親ガチャ」を先取りしてたんですねってやかましいわ。

懐かしい画像を貼ってみる

原作では、冒頭で王様に「勇者ロトの血を引く者よ!」と、当然のように認められていた主人公。
しかし今作は違う。

血統書があるわけでもなく。
「ロト家」が名門として知れ渡ってもいない。
本人にも明確な自覚はなさそう。
どうやら初代ロトであるⅢの勇者は、人知れず子孫を残し、その子らも勇者の子孫である自覚を失って時が過ぎたらしい。
功績をひけらかさない勇者らしい結末。

子孫がいるなんて誰も知らない

では、本作の主人公がなぜロトの子孫と分かるのか?
答えは

【自称】

である。
それも、「夢でお告げを受けた」という、むしろ怪しさすら感じる自称。

しかし、それを信じたくなる圧倒的な強さ。
得体の知れない自信満々の男が、たった一人で魔物をなぎ倒し、ロトの子孫を名乗る。

モブ「つ、つええ!助かった、あんたは?」
勇者「ロトの血を引く者。勇者って呼んでくれ!」
モブ「あの伝説のロトの!?ロトの血はまだ残ってたのかい?」
勇者「ああ、昨日夢の中で、『なんとかしなさい』みたいなこと言われたからな!」
モブ「…??し、しるしみたいなもの持ってるの?」
勇者「夢で言われたって言ってんだろ!」

怖いよこんなやつ

言うなれば少年漫画や、なろう系の主人公。
しかし、一人で複数の魔物をなぎ倒す姿に周囲は「本当なのでは…?」と期待をかけ、徐々にそれは信頼へと変わっていく。

最初は疑い

この主人公が、その実力で数々の問題を解決し、次第に勇者として認められていくストーリーは、原作を壊すことなく見事に肉付けしている。

人からも
妖精からも
ドワーフからも

次第に勇者として認められていく物語は、「自分自身が勇者となって」紡ぐ、正にロールプレイングゲームである。

・助けたくなるヒロイン

ローラ姫。
原作では、「ゆうべはおたのしみでしたね」で知られてはいるものの、「助けなくても全クリできるイベントアイテム」に近い扱いだった彼女。

このイラスト好き。

まあ、「お慕い申しております」「そんな ひどい…」「ぽっ」などの印象的な台詞でしっかり記憶には残ってるんだけども。
堀井雄二先生のテキスト力本当にすごいな。

しかし、今作ではそんな半端なヒロインではない。
悪に屈しない高潔な精神性と民に慕われる親しみやすさを兼ね備える正統派ヒロイン。

なんと隣で喋る!

さらわれても強い意志で抗う姿や、それでも折れそうになり心で勇者を呼ぶ姿は、「オレが助けるからな!」と思わせてくれる魅力に溢れている。

頭ちょっとお花畑だけども

・Ⅲ→Ⅰ→Ⅱという中間地点としての役割

ドラクエⅠ〜Ⅲは「ロト三部作」と呼ばれ、ストーリーがⅢ→Ⅰ→Ⅱとつながっていることは、本リメイク発表時に堀井雄二先生がアナウンスしているくらい公知の事実。

しかし、Ⅰ原作そのものにはロト三部作のつながりを意識させる要素は極小。
容量の都合から当然。

むしろ、Ⅲの方にⅠの要素を付け加えることで、後付け的につながりに気づけるというのが、当時の感動要素だった。

今回は違う。
1の中に、存分にロトシリーズとしてのつながりを意識させるエピソードが組み込まれている。

たとえば、
Ⅲにおいて、突如別世界から現れてアレフガルド世界を救った勇者。
彼の伝説は後世にどう伝わったのか。
故郷に帰れなくなった伝説の勇者の心持ちやいかに

こういった疑問へのアンサーも随所に散りばめられている。

切ない

帰りたいではなく、「無事と伝えたい」。
勇者の強さと優しさが伝わる良エピソード。

更に

これは…!?

たまんねえよ。
ドラクエに育てられた人間は、祭壇の前で「ときは来たれり」と言われると無制限に脳汁が放出されるようにDNAに組み込まれてるんだよ。

11でも聞いたぞ

そして前後をしっかりつなげる楔がしっかり打たれている。

面白い。本当に面白い。至福のプレイ体験。

■②ストーリーを堪能させるためのバトルと設定

【一人旅、かつコマンドターン制RPGを、令和の時代に楽しめるのか?】
という最大の難所をよくぞ解決したと感動した。

・とにかく強いぼっち勇者

レベル1では、スライム一匹すら一撃で倒せないのが原作。
しかし今作では、初めての戦闘でいきなり主人公は二桁ダメージを叩き出す。

これにより、「でかい口を叩くこの怪しげな男(俺)は、どうやらガチで強い」ということがわかる。 

そして、パーティを組んで旅する冒険者だって他にいる中、この勇者はひたすらぼっちで戦う。

あらゆる特技、呪文、武器種を使いこなし、どんな敵にも(何度か死んだ上で)的確に立ち回っていく。

RPGが進化した現代での一人旅は違和感バリバリだが、この強さと精神性についてこられる者がいないということに説得力がある。

・超絶技

これがまた熱いんだ。
HP半分以下の状態になると撃てる、一部の技の強化版、超絶技。
(別条件でも発動できるけど。)

このクソ強い勇者は、ピンチになると更に強くなる。
3匹で現れたボス(しかも同時に倒さないと必ず仲間を呼ばれる)に、
「あーもう知らん!負ける!適当にゾンビ斬りの超絶技撃つわ!」
ってYボタン長押ししたらグランドクロスが放たれた時の興奮たるや。

ピンチ時に強化というバトル要素はRPG界で珍しいものではないが、一人で奮闘する勇者との相性は抜群で、「窮地に諦めず逆転の必殺技を放つ勇者(俺)かっけえ」となること請け合いである。

・ローラ姫連れ歩ける

原作でも連れ歩けるけども。
ちょっと違う。

圧倒的正統派ヒロイン

まさかの
「王のもとに帰す」
「家に帰さずずっとお姫様だっこ(ちゃんとストーリーに絡む)」

の二択から選べる親切設計。

対りゅうおう戦までずっと専用セリフが用意されている他、最終的には回復補助までしてくれる。
連れていかない場合のストーリーやアイテムにも価値があるので、どっちを選んでもおいしい。

ヒーローとヒロインの完全な二人旅というストーリーは、実はRPGだと新鮮。
そして

この超絶技は…?

王女との専用技は、エフェクト含めて完璧だった。
ダイの大冒険的な熱さを逆輸入したかのような演出。
ロトの血を引く者の伝説を余すことなく味わえた。

■まとめ・Ⅱへの期待感

一人旅の完成形であるほどのクオリティだったことは語ったとおり。

しかし、「仲間がいたらなあ…」と思わなかったといえば嘘になる。
ローラ姫の祈りによる回復効果がどれほどありがたかったことか。

そして、あそこまでシンプルだった1のストーリーを無駄なく魅力的に肉付けしたとなれば、2はいかほどか。

仲間が増えた上で、このハイクオリティなリメイク作品を楽しめる。
プレイ前からⅡの成功は約束されているようなものである。
極上の前菜の意味は伝わっただろうか。

そして、ⅠとⅡの関係では前菜だが、ロト三部作として見たとき、この作品は美しい架け橋になっていると思う。

俺は虹のしずくを使ったんや

Ⅲの勇者の足跡が残る世界を旅し、新たな時代の礎となった勇者。
王女と共に未来に渡って光となることを誓ったこの世界で、未来に何が待ち受けているのか。

少なくとも自分はこれから2をプレイするのが楽しみで仕方がない。
りゅうおうの謎は解決されるのか?
ロトの伝説はいったいどのように完結を迎えるのか?

原作を知った上でリメイクを楽しめる年代に生まれたことに感謝しかない。
どんなに好きなコンテンツが増えても、ドラゴンクエストは揺らがない王道として自分の中に存在していることを改めて実感した。

それではⅡの世界に行ってきます!
ありがとうドラゴンクエスト!

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