【LUNATIC FEST. 2025 Day1】at 幕張メッセ 11/8
経緯
LUNATIC FEST. 2025のDay1に行ってきました〜
2015年に初回が開催され、その後2018年にも開催されたLUNA SEA主催のフェス、LUNATIC FEST.。
第3回の開催がファンの間では待ち望まれていましたが、それ以降音沙汰はなく。
しかし、転機が訪れたのは2025年2月。
LUNA SEAにとって久々の東京ドーム公演となった【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-】にて、2025年11月にLUNATIC FEST.を行う旨の告知がなされました。
病気を克服する姿を見せるRYUICHI(vo)や結成35周年記念ツアーの締めくくりなど、メモリアルなテーマが目白押しだった公演でしたが、そこにルナフェスの告知までなされたわけですから、現地のSLAVEは阿鼻叫喚。自分も東京ドームのスタンドで絶叫し、どんなメンツでも絶対行かねばと固く心に誓って帰途につきました。
そして、いざ発表されたラインナップはめちゃくちゃ豪華なもの。
唯一GLAYが名を連ねていなかったことは予想外でしたが、それ以外は納得の陣容。感触としては2015年と2018年のメンツを足して2で割ったようなものでしょうか。LUNA SEAのルーツとなるアクトから同年代、逆にLUNA SEAをルーツに持つ後輩まで幅広いアクトが揃ったバランスの良いセレクトで、LUNA SEA主催のフェスとしては申し分のないものでした。
大物であるはずのT.M.Revolutionまでしれっと名前が書かれていましたし、THE YELLOW MONKEYなどドーム/アリーナ級のアクトも多数含まれていて、そのスケール感に感嘆の声が出たのが懐かしいです。
なお、出演者の発表時点ではそれぞれのアクトの出演日はまだ決まっておらず。しかし、どんな結果になっても2日間行かないと後悔するな、と思い気合で通し券を購入しました。チケット代は約4万円と今年買った中では1日当たりで最も高いチケットのうちの一つ…。
もちろん財布は痛みましたが、長年待ち望んできたルナフェスのためなので、仕方ないですね。音楽のために労働しているので、ここで使わずしていつ使うのか。
まあ、当日までは4万を無駄にはできん、という心持ちで健康に気をつけて過ごしました…。
当日は頑張って早起きし、海浜幕張駅には9時に到着。
幕張メッセに来るのはNEX_FEST以来だなと思いつつ、まずはのんびりホール6へ向かいました。
ホール6に入ってスッとリストバンドをつけられ、さらに進むとそこには長い物販の列が。今回はロンTを買おうと決めていたため、そのまま列に並びました。
自分が並び始めた時点でも相当長い列でしたが、その後もどんどん後ろに列は伸びていき、最後尾がどこだか分からないほどに。頑張って早めに来てよかった…。
それでも結局物販とクロークを済ませてステージのある9/10/11ホールに着いたのは11時過ぎ。
時間も微妙だったので、とりあえず喫煙所に寄ってlynch.から見ることにしました。
lynch.
NovelBrightの出番が終わって少しした頃にフロアに入場。
まだフロアの床も見られるくらいの空き具合だったので、フロアの向かって右側、MOTHER STAGE側の中央付近を目指して進むことに。
まだこの時間帯は余裕があったため、人混みをスルスルと抜け、それなりに前の方に潜り込むことができました。
そして定刻を少し過ぎた頃に暗転。トップバッターのNovelBrightとは打って変わって、いきなりメタリックなSEと共にメンバーが登場しました。
この日2組目のアーティスト、lynch.は「OBVIOUS」からスタート!!!!
スクリームも交えたヘヴィネスにより、フロアは瞬く間にlynch.の世界に。朝からこの刺激的なラウドサウンドを浴びるとたぎるものがありましたね。自分も一気にフェスモードになりました。
そして2曲目にはLUNA SEAの「PRECIOUS…」をカバー!
しかも玲央(gt)はSUGIZOモデルのストラトキャスター(おそらく)を持ち出す徹底ぶり。そこに加えて葉月(vo)は自他ともに認める名SLAVEであることもあり、このLUNA SEA愛に溢れたバンドによるカバーにはさすがにオーディエンスもぶち上げ。ここに来てフロアに上がる手の数が急に増えていました。
しかしこの選曲もツボを抑えたものだなと。lynch.のラウド的スタイルから鑑みるとダーク寄りのファストチューンとの相性が良く、その中でもセットリストに組み込んでボルテージを上げていくとすると、ライブの定番曲である「PRECIOUS…」は正に最適。空間系のエフェクトを用いた幻想感に主軸が置かれていないポイントもlynch.の音像と相性が良いですしね(lynch.の曲にもLUNA SEAの幻想感を想起させるものは多々ありますが)。
続く「Adore」ではJ(ba)が登場してコラボ!!!
Jがベース片手に出てきた時点では「TRIGGER」か!?と思いましたがこう来るとは。やはり明徳(ba)と合わせて2本のベースが同時に奏でられていると存在感が大きかったですね。7弦ギターが用いられる全体的に重心の低いサウンドにもかかわらず、ベースの輪郭が普通に抜けてくるほどでした。ここまで明確にゲストが参加していることが分かるとは思っていなかったので、ちょっと感心しましたね。当たり前ですが、本当に弾いてるんだ、と。そしてこの「Adore」での歓声は、彼らの代表曲ということもあってか大きなもの。やはりこういう音楽のホームなんですね。
なお、音自体はそこまでは良くなかったです。
特にボーカルはこもり気味だったかなと。前のNobelBrightのボーカルはクリアに抜けていただけに、余計に差を感じてしまいました。
一方、楽器隊のサウンドは最初こそ低音がモコモコしているように感じましたが、途中から改善されました。しかしボーカルも含めて全体的に音は小さめ。もうちょっと音量でパンチが欲しかったところではあります…。
まあ会場が幕張メッセであることを加味すると全然許容範囲内ですけどね。幕張メッセでのバンドサウンド体験ってこんな感じだったな、と懐かしささえ覚えた時間でもありました。
それでもパフォーマンスは熱くて満足。午前中ということで、まだ寝ぼけているようなオーディエンスにバシッとラウドサウンドを叩きつけることによって、しっかり場を温めることに貢献していたと思います。
この後は一旦昼飯にするか、と思いフードエリアへ。しかしどの屋台にも長蛇の列ができていました。
仕方ないので、数あるフードの屋台の中でも一番回転が速そうなホットドッグの列に並んだものの、結局は1時間ほど待つことになりました。そのため気になっていたGODLANDも見れず…。ワンチャン音漏れが聴こえないかな、と思い必死にステージ側の音を聞こうとしたりしましたが、徒労に終わりました。
ホットドッグはGODLANDのパフォーマンス直後くらいのタイミングでやっとゲット。急いで食べて再度フロアへ向かいました。
なお、このホットドッグは1000円もしましたが、その分トッピングがちょこちょこついていたので結果オーライ。フェス飯だから相場より高いのは織り込み済みですが、それでもちょっとしたラグジュアリー感があると嬉しいものですね。
シド
フロアのSTYLE STAGE側に駆け込んだところ、始まったのはシドのステージ!!!!
現在は暗め/激しめの曲を主軸に据えたツアーの最中とは聞いていましたが、この日のセトリもそれに準ずる形。あまり彼らのイメージにはないヘヴィネスが際立つ曲が多かった印象です。
個人的には「モノクロのキス」と「眩暈」を聴くことができて嬉しかったですね。特に前者はこのコンセプトだとギリないかなあと思っただけに、余計に感激しました。
しかし、「モノクロのキス」以外には代表曲を演奏しなかったため、フロアがぐわっと湧く瞬間はそこまでなく。ルナフェスというフィールドには合ってる曲選だったとは思うんですけどね…。実際自分も後でこの日披露された曲を調べて聴いたりしてますし。まあフェスという場所柄、誰もが知ってる名曲をぶつけていかないと単純な盛り上がりという面では厳しいでしょうか。シドのディープなファンであれば場の雰囲気にマッチした巧みなセレクトを存分に楽しめたと思います。
なお、マオ(vo)の調子は悪そうでした。シャウトの声量はかなりのもので予想以上のインパクトでしたが、クリーンは厳しそうで…。声質はマオそのものなのですが、高音や声の張りをキープするのに苦労しているように見えました。
厳しそうな部分はフロアに振ったり、明希(ba)のコーラスでカバーするなどして対応していたため、パフォーマンス全体で見れば問題なくこなせていましたが…ちょっと残念。
まあボーカルは生モノですし、こういう日があるのは仕方ないんですけどね。ツアー中ということで、疲労も溜まっているタイミングだったとは思いますし。でも万全のコンディションで今回のセトリを聴いていたら、かなり印象が変わっていたのではないかなと思います。
一方、楽器隊はキレキレ。特にShinji(gt)のプレイには目を見張るものがありました。
速弾きからカッティングまで多様なフレーズをそつなくこなしており、そのテクニックには単純に驚かされましたね。技術面で魅せるギタリストだとは思っていなかっただけに、余計に引き込まれました。
サウンド面でも、ヘヴィーな歪みからカラッとしたオーバードライブまで音色を幅広く使い分けていましたが、どれもクリアに響いていて完璧。
ギターがギュイギュイ主張してくるバンドではないだけに、見逃していましたが、これからはShinjiの演奏にしっかり目を向けていきたい所存です。確かに、今から考えれば1stに収録されているフレーズもサラッと細かいフレーズをアコギで弾いているんですよね。この時点からテクニック的にはここまで高度だったのか。
しかし万全の状態のマオの歌唱も聴きたいところ。どこかでリベンジできる機会を模索します…!
SIAMSOPHIA
続くのはSIAM SOPHIA!!!
このグループはSIAM SHADEのDAITA(gt)以外のメンバーとSOPHIAのメンバーで結成された期間限定のもの。今年はこのメンバーで積極的に活動していた印象です。
ホール6に展示されていたアー写に写っている人数がEluveitie並みに多くて笑っちゃいましたね。しかも全員レジェンドなのがまた非現実的でシュールでした。
なお、この日がこのグループでのラストライブだそうで、彼らのマーチやSOPHIAのシンボルであるひまわりを持った人を多く見かけました。
そしていざSIAM SOPHIAの出番になるとフロアはパンパン。まだ昼過ぎだというのにぎゅうぎゅうで、幕張でのフェスとは思えないほどでした。
そんなSIAM SOPHIAですが、まず最初に現れたのは…SIAM SHADEのメンバー!!!
淳士(dr)の手堅さと手数の多さを兼ね備えたドラミングを軸に、盤石の演奏でした。ラストの「passion」以外はフュージョンやプログレ的な曲が多く、あまり知っている曲はなかったのですが、緻密な音の絡み合いに感心している間に終わってしまいましたね。
なお、サポートのRENO(gt)はDAITAパートを完全に弾きこなす見事なプレイ。しかし音量は少し小さめでそこだけ残念。サポートという立ち位置ゆえの配慮ではあるのだと思いますが、それはそうとしてあのシュレッドはデカい音で聴きたかった…。
栄喜(vo)は所々歌いにくそうな仕草を見せつつも、しっかりと音は取って上手くこなしていました。音域的には全く問題なく歌えるようでしたし、もっと良い条件で彼の歌を聴いてみたいところです。なお、ルックスが若い頃とさほど変わっていなくて驚きましたね。さすがはRYUICHIの後輩、普段からトレーニングは欠かさないのでしょう…。
いや、これほどの技術を持つバンドが上手く活動できていない事実が悔やまれます。なんとか諸々解決してしがらみなくライブなり何なりできるようにはならないものでしょうか。これが事実上のラストライブ、なんてことにならなければ良いのですが。
さて、続いて現れたのはSOPHIAのメンバー!!!
こっちはバラード調の曲(「青空の破片」)で入ったかと思ったら、「little cloud」や「街」を惜しげもなく演奏。初見にはありがたいセットリストでした。「little cloud」は原曲から少しキーが下がっていましたが、「街」は原曲と同じキーだったかと思います。
ハードロックがベースにあるSIAM SHADEとは打って変わって、総じてポップで優しい時間でしたね。サイリウムを持っているファンもいるくらいで、ヴィジュアル系の幅広さをまた肌で感じることとなりました。
MCは想定よりボリュームのあるもの。松岡充(vo)もLUNA SEAとの繋がりがあるらしく、今回出演できて光栄、といった内容の話をしていました。それにしてもLUNA SEAの顔は広いですね…。SOPHIAとも90年代から付き合いがあるとは…。これまでルナフェスに出たことのない他の同世代バンドとの付き合いもあったりするのでしょうか。今後のルナフェスのメンツを考えると夢が広がります。
ちなみに、松岡充はダンディーに歳を重ねたようなルックスでこれがまた惚れ惚れしいもの。若い頃から輪郭や体型に変化はありませんが、唯一刻まれた皺が確かな時の流れを写し出してはいます。しかし、それはマイナスにはならず、むしろ大人の魅力を匂わせるもの。栄喜とは異なる形で理想の歳の重ね方を見せてくれていて、やはり2人とも最前線のボーカリストなんだなと痛感させられました。
そして最後に全メンバーが登場!!
栄喜と松岡充が小ボケをかましたりするMCを挟みつつ、両バンドから1曲ずつ演奏しました。
最初に披露されたのはSIAM SHADEから「グレイシャルLOVE」!!!!
これには震えましたね。自分のカラオケの十八番なのもあって、思い出深い曲で…。確か2015年のルナフェスでも聴いたような記憶がありますが、それをアップデートできて感無量です。もう生では聴けない一曲かと思っていたので。
なお、歌メロはボーカル2人で交互に歌っていたのですが、こう見ると豪華なコラボだよな…としみじみ思いました。今年に入って当たり前のようにこのグループで活動していたため、ありがたみをすっかり忘れていましたが、本来このようなフェスなどの場でしかあり得ないような組み合わせなんですよね。90年代のシーンにしっかり名を残した2組のジョイントライブなんて。いや、貴重な瞬間の目撃者になることができて良かった…。人生も捨てたものではありません。
2曲目はSOPHIAから「黒いブーツ〜oh my friend〜」。何でもSIAM SOPHIAのテーマ曲のような扱いになっているらしく、締めくくるという意味合いでこの曲が選ばれたのかと思います。
この日初の1時間に渡るステージということもありますが、普通に対バンライブを見たような満足感を覚えました。まあそりゃこれだけのレジェンドが2組交互に出てくんだから、それだけの重みもあるわな…。
コンセプトは理解していたとはいえ、現地で体感するとよりその価値を理解することができました。
ここで一旦フロアからは離脱。この間にトイレに行ったりコーヒーを飲んだりと、夜に向けての準備を済ませました。
何かお腹に入れておくかとフードエリアも一瞬覗いたのですが、あまりに列が長くて撤退。何度も言いますが、これだけ人でごった返している幕張でのフェスは初めてですよ…。
T.M.Revolution
DIR EN GREYを出来るだけ前で見るべく、MY FIRST STORYからの転換の隙にMOTHER STAGE側のフロアへ。抜けていく人々の傍をスルスルと抜けていき、何とか前よりの部分まで辿り着くことに成功しました。
そこで待っている間に、反対側のステージに現れたのは…T.M.Revolution!!!!!
もちろん代表曲はよく知っているアーティストだけに、どんなライブを見せてくれるかと密かに楽しみにしてたんですよね。
そんなT.M.Revolution、もとい西川貴教(vo)はバックバンドとマーチングバンド(!)を率いた豪勢な構成で登場。
そしていきなり「Hot Limit」と「White Breath」を披露する大盤振る舞い!!!!
これにはフロアにも火がついたかのように歓声が広がり、大合唱がホールに響き渡りました。この2曲のフロアの声量ははこの日で一番だったかもしれません。
もちろん自分も煽られるままに熱唱。この2曲は聴き込んでいるわけでもないのに自然に口から歌詞が出てくるんですよね。気持ちよく歌いながら驚いてしまいました。
なお、「White Breath」後にはマーチングバンドの種明かしが。なんと早稲田大学の応援部のメンバーらしく、病気での療養となったLUNA SEAの真矢(dr)を応援するために出演を依頼したんだそう。西川貴教、なんて粋な男なんだ…。
さらには途中でSUGIZO(gt)とINORAN(gt)がゲストとして登場。2人の個性がT.M.Revolutionの中でどう生きるのかとワクワクしながらステージを見つめていましたが、2人が登場してから始まった曲ではコードしか弾いておらず。何かトラブルか、もしくはさすがに忙しすぎて覚えられなかったか、と心配していたら、後のMCで釈明が。どうやら西川貴教が呼ぶタイミングを間違えて1つ前の曲で呼んでしまったそうで、SUGIZOとINORANからすれば想定外ながらも涼しい顔で合わせていくしかなかったみたい。むしろそれでよくコードも間違えずに入っていけたな。元より参加する予定だった続くナンバーでは、SUGIZOらしいアーミングを用いたソロも炸裂していました。
そんなハプニングもあったT.M.Revolutionでしたが…シンプルにライブが上手い。
序盤のヒット曲の知名度もあれど、それを活かしてオーディエンスを歌わせたり飛ばせたりする西川貴教の煽りが秀逸。90年代からソロで戦ってきただけあって、ライブというもののコントロールを熟知しているようでした。
自分が待機していた反対側のステージまで走ってきたり、どんどん服を脱いで上裸になっていったりと、見るものを楽しませるアイデアが矢継ぎ早に飛び出してくるのも見事。あくまで歌唱をベースに置きつつも、その中で華やかな演出上のフックをいくつも用意しているという、ロックバンドがひしめくこのフェスでは異色のエンタメ性に溢れていました。MCでも本人が言っていましたが、本当に空気を変える男だなあ。
また、全体的にEDM調のリミックスに近いサウンドとなっていたのも注目すべきポイント。アレンジが共通しているため、曲間をシームレスに展開することができ、結果フロアを冷まさずに進んでいけるんですよね。追加されたホーンなどのサウンドも癖になるキャッチーなもので、オーディエンスのテンションを底上げしていた一因だったと思います。そして一部ブレイクダウンのようなパートもあり、そこではエレクトロコアの風味まで漂うほど。
EDM調のリミックス自体もそうですが、90年代の曲であってもその年月を感じさせず、年代を問わず無心に楽しむことができる巧みなアレンジだったと思います。
そして、何より歌が上手い。ピッチ、声量、声の伸び…。全ての観点で単純にトップクラスの実力でした。
自分の場所からでもボーカルがクリアに聴こえたことにも驚きましたね。ここはなんと言っても幕張メッセなので。ボーカルなんてボワボワしてナンボのこの会場で、しかも反対側の位置でここまで綺麗に聴こえるなんて。
もちろん音響的にも彼のボーカルに全力で合わせて音作りをしていると思うので、そのチューニングのおかげという節もあるとは思いますが、なんにせよ素晴らしい歌声でした。
最後まで伸びやかでストレートな歌声を保っていたことも重要ですね。上手い上にスタミナも完璧とは。
ルナフェス2日間で数多くのボーカリストが出演しましたが、その中でもトップクラス、というか実際ベストボーカリストに選ぶ人も多いのではないか、それほどのクオリティーでした。歌一本で食べてる人間の実力を文字通り体感させられましたね…。
なお、淳士はここでもサポートとして演奏。彼のスタイルとしてはリズムジャストで叩いている印象ですが、それがEDMのブレのないリズムとシンクロして、ダンサブルなサウンドになっていました。
DIR EN GREY
ここに続くのがなんとDIR EN GREY!!!!
T.M.Revolutionの余韻も冷めぬまま、フロアの人口密度はどんどん上がっていく一方。
あのハッピーかつ笑顔に溢れたステージの後に、陰鬱と狂気のDIR EN GREYタイムなのか。改めてフェスという空間のカオスに改めて驚き、そして武者震いしました。
普段ワンマンで見ることがほとんどのDIR EN GREY。自分が一番好きなバンドが、この場所でどんなパフォーマンスを見せられるのか。おそらく通常運転で来るだろうけれど、虜以外の人はどう思うのか。幕張メッセという場所で普段通りの演奏ができるのか。クオリティーが上がり続けているパフォーマンスで虜以外も釘付けにして欲しい。
不安と期待が入り混じった思考が頭を駆け巡っている間に時間は流れていき、暗転。いよいよDIR EN GREYの時間が始まります…!!!!
トップバッターは「人間を被る」。
いきなりのスピードチューンに嬉しい驚き…でしたが、サウンドがぼやけ気味。ディルのサウンドはライブハウスだとキンキンするくらいなのに、それを凌駕する幕張メッセの”パワー”を目の当たりにして少し心配になりました。(この後だんだん改善されていったので結果的には問題なかったです)
メンバーはそんなことは気にせず進行。2曲目には現時点での最新シングル「The Devil In Me」を持ってきました。
フェスという場で最新の曲で勝負する、という手法はどのアクトでもありがちですが、今のディルだとよりにもよってこれになるのか…。虜でもこの曲のつかみどころのなさを時間をかけて咀嚼しているというのに、初見だと困惑するのではないでしょうか。
まあ分かりやすさなど微塵も気にしないこのバンドの姿勢が早速出た選択でしたね。これ以降も常に彼ららしいセレクトの楽曲が続き、そうそうこれなんだよと知ったような顔で何度も頷いてしまいました。
そして続くは「空谷の跫音」。ここではSUGIZOがゲストとしてバイオリンで参加しました。
2015年のルナフェスでもこの曲でコラボしていましたね。普段から演奏されている曲ではないので、初回からの縁は意識していたのでしょうか。しかし、SUGIZOともなると、ディルの個性豊かなメンバーと並んでいても全然見劣りしませんでしたね…。あの5人の中に立ってなお存在感を出せるとは。これがLUNA SEAか。
この後には「Ranunculus」。
これは一転してフェス向きの一曲。突き抜けるようなクリーンボーカルに京(vo)の劇的な感情の発露と、このバンドの静と動の両面をシアトリカルに見せ付けるパワーバラード(ライブでのアレンジが加われば、ですが)。世間()のこのバンドのイメージとはかけ離れた透明度と鳥肌が立つほどの絶叫が鮮明かつ調和する、個人的にはDIR EN GREYを知らない人にまず聴いて欲しい一曲です。
事実、この日のパフォーマンスも鬼気迫るもの。ここに来ると歌唱の質もワンマンと変わらないクオリティーになっており、美麗なメロディーと心の奥底からの叫びがあの広大なフロアを支配していました。
しかし問題はここから。「Ranunculus」で一旦締まった空気感が漂う中、ここからどう展開していくのか。
ここに続く曲でライブの印象も大きく変わってくるぞ、と思っていたら始まったのが「VINUSHKA」…!!!!
後からセトリを見返したら、確かにここにこの曲を置くのは納得できました。しかし、その場では思わず声が出ちゃいましたね。これほどバンドの色が濃く出る曲をやるのか、という驚きで乾いた笑いさえ出るほどでした。
曲中は、フェスとはいえもちろん映像もいつものものを使用。ディルだもん、当然だよね。
なお、個人的にはライブでこの曲を聴くのは2回目ということもあって、若干俯瞰して見られたのは収穫でした。MVからのイメージで、後ろでは原爆の映像が常に流れているのかと思っていましたが、思っていたより色々な素材を組み合わせて作られたものでしたね。他の曲もそうですが、ライブで流れてる映像をどこかで公開してもらえないものでしょうか。
そこからは「朔 -saku-」、「THE FINAL」(旧ver)、「詩踏み」の怒涛の流れ。
代表曲も出し惜しみせず、でも基本的な空気感は今のこのバンドのものを持ってきた、理想的なセットリストでした。
音作りの難しさには定評のある幕張メッセでのライブということで、仕上がりを少し不安視していましたが、蓋を開けてみれば見事なパフォーマンスでしたね。
まず、京の歌唱は普段と変わらないクオリティー。序盤こそ音響の関係で埋もれがちでしたが、最終的にはクリーン/スクリーム共にワンマンと比べても全く遜色ない仕上がりとなっていました。
特に後半はどんどん持ち前の苛烈さが増していき、完全にオーディエンスを己の世界に引き込んでいましたね。虜はもう慣れたものですが、これに初めて触れた人はどう感じたのでしょうか。バックグラウンド次第で受け取り方は全く違うんだろうな…。
なお、楽器陣も安定したプレイ。10年前にここで見た時と比べて随分どっしりとした演奏になったものです。
総じて、”ライブが下手なバンド”という不名誉な肩書きもいよいよ過去のものになったなと感じました。もちろん彼らより上手いバンドは数多くいるわけですが、そんなアーティスト達と並んでも見劣りしないほどの完成度を誇るバンドになったと思います。誇らしい…。
なのでどんどんフェスに出てその特異性をアピールして欲しい…ところですが、そういうことはあまりしなそうですね。
音響も今回はプラスに働いていました。低音がボワつく場面もあったものの、総合的に見れば問題視するほどではなく、バンドのポテンシャルを十分に引き出していたと思います。音楽性の都合上歌メロだけで押し切るわけにはいかないので、ここは心配していましたが、クリアに出力されていて本当に良かった…。
なお、唯一最後までベースだけ音が大きかったのですが、それはご愛嬌ということで。
メンバーのルックスは京だけコープスペイントのようなメイクだったのが印象的。音楽性にばっちり合うおどろおどろしいスタイルで、個人的には過去のルックスの中でもかなり好みの方かも。一方、他のメンバーは大人しめな衣装/メイクでしたね。今回のツアーも結局そのルックスがベースだったようで、ツアー仕様を順当に持ち込んできた感じだったのでしょうか。
そして、前方で見ていたというバイアスもありますが、オーディエンスのノリは最高潮。曲間の熱量や声量にはワンマンレベルのものを感じました。
もちろん自分も至る所で絶叫。こういうアウェー(でもないか)だからこそ、声を出してバンドをサポートしたいという心持ちになるものです。
実際、X(Twitter)でもファンの熱気が凄まじかったという意見をちらほら見かけたため、自分含めた虜、および当てられた他のバンドのファンも含め、異常な熱気があの時間のフロアに漂っていたのは事実のようです。
いや、幕張メッセが一気に陰鬱かつドス黒い空気に包まれた時間でしたね。
そしてフェスでのディルも乙だなと再確認しました。他のアーティストと交互に見ることになるため、相対的なバンドの雰囲気や存在感を噛み締めることができて、何か新鮮なんですよね。
BRAHMAN
DIR EN GREY終了後、トイレのためフロアを後に。
その後戻ってきたらもう始まっていたのはBRAHMAN!!!!
この時点でかなり疲労が溜まっていたため、フロア後方に腰を据えてモニターメインで見ることにしました。
このバンドの音楽性としては、ハードコアパンクをベースにポップパンクやオルタナっぽい透明感も漂うもの。こういうスタイルのバンドを見ることはあまりないため、新鮮でした。ちょっとしっとりしたMUCCの曲に通ずる部分もありましたね。
なお、裏で流れていた映像には、福島の人のメッセージ(東日本大震災・原発関連のものかと)が流れるものもあり、社会派な一面も強いアーティストなんだなと。そういった意味ではSUGIZOとの親和性を感じます。
途中、SUGIZOとJがそれぞれ別の曲でゲスト出演。それぞれ2曲ずつ参加していました。自分の出番の直前に現れるLUNA SEAメンバーと、合計4曲もゲストとして呼んでくれたBRAHMAN。どちらも懐の広いバンドですね…。
個人的には、Jが加わって演奏された「Ace Of Spades」、「ICONOCLASM」がハイライト。前者はXなどもカバーした定番のハードロック(こう呼ぶのが結局的確でしょう)ナンバー、後者はBUCK-TICKトリビュートで別個ではありますが、BRAHMANとJがカバーしていた一曲と、LUNA SEAおよびそれを取り巻く日本のロック史のスケール感を感じさせるひと時でした。
そして、”なんでトリ前にされたかというと、おそらく客席に飛び込んでもSLAVEしかいないから大丈夫ってことだよね”(意訳)というMCからLUNA SEAと SLAVEの関係性の話へ。ここでは真矢にも言及していて、周囲では潤んだ瞳でステージを見つめる人もちらほら見かけました。
以上、音楽性や歴史的にはLUNA SEAの隣にいるバンドではないけれど、それでも彼らとの精神的なつながりを強く感じさせるパフォーマンスでした。TOSHI-LOW(vo)の語り口も同郷の旧友のような信頼と奥に秘めた愛情に満ちていましたし。こういう頼れる兄貴分のような側面が、このバンドの人気の理由なのでしょうか。
LUNA SEA
MOTHER STAGEの後方に陣取り、待つこと少し。少し照明がついたと思ったら、MCのBOOさんと東海林のり子さんが登場する一幕が。
なんと91歳という年齢にも関わらず、LUNA SEAに花を添えるために現れた東海林さん。客席を煽りに煽り、ボルテージを上げてステージを後にされました。ヴィジュアル系関係者の中でも一番年上なのに、いつまでもパワフルな人だなあ…。
再度暗転し、SEとして「月光」が流れる中、遂にLUNA SEAが登場!!!!!
1曲目はまさかの「TONIGHT」。個人的にはかなり驚きましたが、割と「TONIGHT」スタートってあるんですかね…。イントロのINORANのリフが一瞬どの曲のフレーズか分からず、何が始まったんだろうと思っているうちに他の楽器も入ってきてやっと理解できました。前回だってアンコールで全開の客電の中聴いた曲ですし、まさかこれで始まるとは。
その後は、初期のシングル曲から直近の作品まで、名曲が雪崩のように押し寄せてくるベストアルバムのようなセットリスト。「TRUE BLUE」のようなファストチューンのみならず、「宇宙の詩 〜Higher and Higher〜」や「I for you」なども披露されました。
とりわけ、「宇宙の詩 〜Higher and Higher〜」は久しぶりに聴いて沁みましたね。前回のLUNATIC TOKYOは終幕前の曲のみで構成されたライブだったため、終幕後の曲を生で聴くのは数年ぶりで…。
ちなみに、「宇宙の詩 〜Higher and Higher〜」の後に披露された「inside you」はシングル『gravity』のカップリング曲で、今世紀に入ってから2回目の演奏だったそうです。通りで聴いていても全く分からなかったわけですね…。フェスで演奏される曲に自分が分からないレベルの曲が入ってくるとは思っていなかったため、あの瞬間は結構困惑しました。なお、真矢作詞作曲のナンバーだそうなので、この日のラインナップに選ばれた理由はそこかなと。
そこからは「BELIEVE」、「ROSIER」、「WISH」の怒涛の流れ。全体的にファストチューンが多かったからか、「WISH」がいつもより早くやってきたように感じましたね。かき鳴らしが終わった瞬間、清涼感と共にボリュームの少なさがしこりとして心に残りました。
しかし、これで終わらないのがLUNATIC FEST.。というかこの後があるから本編は軽めで終わらないといけないんですよね。
実際、メンバーが去ってもフロアの照明は一向に点かないままで。薄々勘づいてはいましたが、真っ暗なステージでサウンドチェックが始まったことで、セッションの存在を確信しました。
ということでラストはセッション!!!!!
再度LUNA SEAのメンバーが登場し、それからRYUICHIが主演アクトの名前を次々とコール。結局マイファス以外の全てのアクトのメンバー(中には全員出てきたアクトも)が揃いました。
そして最後に呼ばれたのは…真矢。療養のため演奏に参加することは叶わなかった真矢ですが、何と会場には訪れており、演者及びフロアからの盛大な拍手と歓声に迎えられて現れました。
可能性としてはあり得るとは思っていましたが、いざ目の当たりにするとなんだか信じられなかったですね。そりゃ真矢がゲストで登場したらルナフェスとしては完璧だよな、とは思っても、実際こちらから病状は全く分からなかったわけですし。そのため、理想のルナフェスならここで真矢が出てくるよなと俯瞰していたら、本当に真矢が現れて思わず声が出ましたね。ここまでやってのけるとは、LUNA SEAをフィーチャリングするイベントとして満点の出来。
そんな真矢ですが、さすがにドラムを叩ける状態ではないようで、ドラムセットの後ろに置かれた椅子に鎮座する形になりました。そのため、構図としては、真矢の前で今回LUNA SEAのサポートを務めている淳士がドラムを叩く形に。
こうなると、片や師匠の前で師匠のバンドのサポートとして演奏する立場、片や自分のバンドで弟子が自分の代わりを務めあげる様を、そして他メンバーやファンを俯瞰して眺める立場になるということで。この2人は、この時それぞれどのような思いで椅子に座ったのでしょうか。少なくとも、個人的には、彼らの位置がちょうど他の出演者より一段高い場所だったことも相まって、外からは触れられない強固な信頼がその場に体現されているように感じました。
そして、このメンツで演奏されたのは「STORM」。RYUICHI、MORRIE(vo)、BAKI(vo)、葉月、栄喜、松岡充の5人が交互に歌うという豪華な一幕でした。
この数分間、ステージを見つめながら、いつまでも終わらないといいなあとぼんやり願いましたね。現実には戻らず、この耽美で、エネルギッシュで、そして儚い空間に永遠に浸っていたかった。10年前のルナフェスのセッションはもう永遠に再現できないように、このセッションもきっと今だけのものなので。
「STORM」の演奏が終わったのち、LUNA SEA以外の出演者はステージからはけ、LUNA SEAのメンバーだけが残されました。
ここからマイクを持ったのは真矢。彼の口からは、もう杖がなくとも歩けること、そして12/23のワンマンが発表されました。真矢としては、このワンマンで1曲でも、1小節でもいいから叩きたいと願っているそうで、これにはフロアとメンバー共々感涙。
未だ体調としては不完全ながらも、現地まで来てステージとバンドへの想いを吐露する姿には、ファンはもちろんのこと、メンバーにもこみ上げてくるものがあったのだと思います。
最後は、そんなメンバー5人での記念撮影と、加えてステージの袖で号泣している淳士を呼んで6人で再度記念撮影。これにてDay1のステージが全て完了しました。
さて、そんなLUNA SEAでしたが、演奏面ではやはり淳士のドラムが最大の変更点。タメのリズムが特徴的な真矢とは異なり、ジャストのリズムで叩く彼のプレイによって、聴き慣れた曲でも少し違った感触になっていました。ドラマーが違うとこうも違うか、という差異をこのレベルで楽しめたのはシンプルに貴重な体験だったかもしれません。一方で、それ以外にフレーズなどの違和感はなく、今回の大役のため入念な準備を施したことがよく分かりました。
他のメンバーはLUNATIC TOKYOから変わらぬクオリティー。RYUICHIはまた一つコンディションを戻してきたように感じましたね。
総括
以上、LUNATIC FEST. 2025のDay1の感想でした〜
ラインナップは豪華かつバラエティーに富んでいるとはいえ、絶対に見たいアクトのみというわけでもなかったので、どうなるかと心配していましたが、杞憂でしたね。むしろご飯を食べていたら見たいアクトも見れないレベルでした。
フェスということは、フードや各種ブースを見て回るのも一つの楽しみ方なわけで。そう考えると、何も見たいアクトオンリーのフェスでなくても良いんだな、という知見を得ることができました。
また、アクトの多様性という観点では、各アクトに精通していなくとも、振り幅は見ていて面白いものだったと思います。現に、T.M.Revelationの後のディルとか空気全然違いましたし。
虜からすると、急にホームの雰囲気になって、少しの戸惑いとそれを遥かに上回る興奮を覚えたわけですが、他のアーティストのファンからはどう見えたのでしょうか。X(Twitter)では初見の方の驚きが現れた感想をたくさん見かけましたが…。できればそのままファンになってもらい、動員増加に一役買ってもらいたいところです。
あと、何より人が多い1日でした。こんなに人がいる幕張メッセでのフェスは初めてだったかもしれません。
チケットの売れ行きは特に心配していませんでしたが、ここまで人を入れるとも思っていませんでしたね…。誰かの演奏中でもフードエリアから人がひかないほどには、常に全ての場所が混雑していた印象です。まあ演者や運営にとって金銭面で価値のあるものになっていればOKですけどね。チケットが売れなくて困るより売れる方が絶対良いですし。
さて、次はDay2!!!
初めて見る大物が多くて楽しみな1日です。まあソールドアウトしているため、Day1より人が多いのは確定と考えると身構えてしまいますが…。
