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米の民族|毎日ショートショートnote|お題 梅雨占い|402字

日本中が顔を知る女性がある一族の長に会いに来た。
日本と呼ばれる前からこの国で延々と続く儀礼を果たすために。

その一族の長を訪れる時期から梅雨占いと呼ぶ者もいる。
実際は、外れても笑って済むような類のものではない。

米の出来栄えが日本の趨勢を左右している。
江戸時代の歴代将軍は常に米相場に悩まされながら政権運営をしていた。

1918年-シベリア出兵の米価高騰による大正米騒動。
1993年-記録的冷夏の米不足による平成米騒動。
2024年-南海トラフ臨時地震情報の米買占めによる令和米騒動。

近年だけでも、これだけの米による国難があった。
米を中心とした国家の宿命。

日本人は米に生かされ、米に殺され、米と心中する民族。
米に対して深い見識を持つある一族が日本を牛耳っているとも言えるのだ。

一族の長の前に座った女性が顔を上げた。
「今年の米について、長の考えを伺いたい。」

長の口元が一瞬だけ醜く歪んだのを、女性は見逃さなかった。


毎週ショートショートnoteのお題「梅雨占い」に参加させて頂きました。
かなり方向性が絞られるお題だったので、視点を変えるのに苦労しました。
皆様に読んで頂けると嬉しいです。

#毎週ショートショートnote
#梅雨占い


前回のお題「半導体大仏」の時に書いた「開祖」です。
よろしかったら、こちらも読んでみてください。




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