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君を好きになった(2話)

「桜、好きなんですか?」

思わず声にしてしまい

彼の驚いた顔に目線を逸らした

「……好きですよ」

低くて優しい声

もう一度彼を見た時

彼は地面に溶ける桜を見ていた


「散った桜が好きなんですか?」

変な人だ

真上にまだ少しだが桜が咲いていると言うのに

人に踏まれた

汚れた桜を見ている人

興味があった

「咲いている桜も好きですよ」

優しく笑って

寂しそうに

咲いている桜を見て言った

やっぱり地面の桜が好きなんだと思った

「変な人」

すぐに声に出してしまう

本当に嫌な性格だ

「…桜が好きな事がですか?」

きょとんとする彼の素直さに

自分がもっと嫌になった

「散った桜を見てたから

皆咲いている桜しか見ない

散って見えなくなった桜を

平気で踏んで

それに気づきもしない

そんな桜をあなたは見ていたから

気になったんです」

急いで言葉にして

少し苦しくなった

「満開に咲いている桜も好きですけど、

地面に咲いている桜も好きなんです。

僕も桜は儚いなと思いますよ。」

好きな理由を教えろよ

とか思ったけど

それより

私が貶した桜を

儚いと

地面に咲いていると

彼はそう言った

彼はまた地面に咲く桜を見ていた

その顔は

少し寂しそうだった気がする

桜が好きな人は嬉しそうに桜を見るのに

やっぱり

変な人だ





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