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来世は空飛ぶ猫になりたい


空想の中では、いつもどこか遠い空を飛んでいたりする。
私はよく夢を見ていた。
最近は見れなくなってしまった夢だ。

空を飛ぶ。

うーんと高い空を飛んでいたり、うーんと低い足の間を縫って飛んでいたり。そう、私は夢でよく空を飛んでいた。
そこが夢だと気づくと、いつも飛びたくてうずうずうずうずして、グッと足の裏に力を入れ。今だ!というタイミングで飛ぶ。
でも、最近はそれができない。夢を見れなくなったからだ。
きっかけは、新しい世界に飛び込んだからだろう。その世界は、社会という名の子供とはかけ離れた新たな人生の扉の一つ目。いや、 2つ目か。そもそも人生に扉なんてものはあるのか定かではないけど、私は新しい世界へ飛び込んでしまった。

自分はまだ21だ。 100年まで生きると言われている時代で、まだ21だ。
そんな歳なのに私は社会の現実を直視できないでいる。空を飛ぶ夢を見たい。もう一度空を飛んで自由な世界で生きたい。昔から空想癖のある私にとっては、これは人生の夢に違いない。
そんな落ち込む中でも、嬉しい変化もあったよ。

可愛い可愛い白黒のハチ割れの猫を飼い始めたのだ。その子はとってもとっても可愛くて、もともとは野良猫だったけれど、晴れてうちの子になった。私はその子のママになった。可愛くて可愛くて食べちゃいたいほどだ。
とっても甘えん坊で、私の行く先々についてくる。
寝る時もいつも一緒。私はその子の綺麗なハチ割の頭を鼻からスーッと撫でてあげるのがとっても大好き。愛しくてよくほっぺにチューする。うざがってるかもしれないけどでもこれは愛である。
私はもともと猫がものすごい好きだった訳ではない。けれど猫の生き方が好きなのだ。よく寝て伸びをして、また寝てそんでもって何よりあの糸目が愛らしい。たまらなく可愛いのだ。あと猫って体が柔らかいよね。
私は柔軟に関してはトップレベルだと思う。なんかよく知らないけど、体力測定の項目にはオリンピック選手並みと書かれるぐらいには柔軟にとてもとても自信がある。それでいて、我が家系にはとっても強い遺伝がある。
そう上半身が長いのである。
とても上半身が長いのである。
メリットは座っている時に、この人、実はめちゃくちゃ背が高いのではという威圧感を与えられる。そしてもう一つは映画や舞台を見に行く時にとっても有利。でもちょっと後ろの人が見えづらそうだと猫背にするのが上半身のみが高い者の嗜みであろう。


まとめると私は猫が好き。そして空も飛びたい。なんだったら自分は前世は猫だったんじゃないかと思うぐらい。猫のことが好きで、猫の特性を持っているような気がする。

なので、私は来世は空飛ぶ猫になりたい。
現実世界はとても厳しく、子供の頃は空想で生きていた。恥ずかしい話、本当に空想で生きていたのだ。よく知らない景色を見て、この世には地図というものがない。覚えているのはよく知らないところに連れて行かれて、よく知らない世界を見て、冒険しているような気持ちだった。どこかの施設にある扉を見ては、そこを開けたら、広大なジャングルが広がっていて。あそこを開けたら、ロボットがいて、とてもきれいな花火が舞っている宇宙空間につながっているんだと。信じてやまなかった。
その時はとても世界が輝いて見えた。
でも、今はどうだろう。どこに行くにも、まずは時間を調べてしまう。電車を調べ、チケットも調べ、いくらかかるかお金の計算。
現実は数字に支配された。
私はハクション大魔王なので数字が嫌いです。大魔王ではないけど、大魔王と仲が良くなるぐらいには本当に数字が嫌いです。
そんな私は現実を生きるのには本当に向いていないとよく思っている。だからこそ、私はみんなにも思ってほしいことが一つあるのだ。それは空想で自分のエネルギーを作るということだ。もうみんなは子供の頃のような純粋な夢を見ることはできないかもしれない。けれど、ほんの少しでいいから、自分を騙してでも、仮面をつけてでも空想してみるといいかもしれない。
ふっと辛くなった時、窓の外を見る。
澄んだ青い空でもいいし、曇った空でもいいし、悪天候のざーざー雨の空でもいい。
見上げるたびに背中にスッと翼を生やして、猫のようなしなやかな足取りで、空をぐーんと体を伸ばして飛ぶのだ。
そう考えると、少し少し気持ちが楽になる。
これは気休めの薬なのかもしれない。一種の現実逃避といえばそれで終わる話だ。
けれど、この空想というものは人間に大きな力を与えてくれると思う。小説や映画の話かもしれないけれど。みんなどうしてこの空想の力を使わないのだろう。私たちには考える頭、創る頭があるじゃないか。
現在私はこんなことをほざきながら、仕事に対して辛い思いをしながら、ちゃっかり休職もしたりしながらこれを書いている。それが私にとって現実の表面である。でも、裏面では空を飛びたがっている。うんとふわふわな毛並みを抱えた私のうちの猫のような可愛らしい肉球を地面からパッと離して伸びやかに空を飛ぶのだ。


あなたは何になりたい?


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