硬派にひなこいをやってる男
ぼくの人生に大革命が起きている。
つい最近入学したと思ったら、既に7月に入り蝉が鳴きだしている。
そんな7月に入ってからの1週間でぼくはあるものにはまってしまった。
ぼくはお笑いを見ることが趣味なのだが、特に好きなお笑い芸人の一組に【オードリー】がいる。
高校時代ユーチューブの切り抜きでたまたま耳にしたラジオがとてつもなく面白く、聞き入ってしまいそれからこのラジオを聴くことが土曜の夜の習慣になってしまった。
そんな彼らを追っていくうちにある番組に出会うことになる。
それが【日向坂で会いましょう】だ。
彼らはアイドルグループである日向坂46の番組のMCを担当していた。
ぼくは彼らの番組で唯一それだけが見れなかった。
なぜなら、ぼくは高校時代まで女性アイドルに熱中する行為自体がとてつもなく恥ずかしかったからだ。
高校時代までと書いたが、なんなら1週間前までそうだった。
高校の友達に他の坂道グループである、乃木坂などが好きな人がいた。
他人が応援しているのを見るのは何とも思わなかったが、いざ自分が熱中するとなると、アイドルに熱中する自分を想像してしまい急激に恥ずかしくなってしまうのだ。
自意識過剰である。
AVの話なら堂々とできるのに。
大学生になり、一人暮らしを始めたことで、ご飯の時に見るテレビなどで家族を気にせずに見たいものを見ることができるようになった。
そしてついにぼくは見てしまった。
オードリーが出ている番組のリサーチだと自分に言い聞かせて見てしまった。
深夜一人でカーテンを完全に閉めた個室で、いるわけないのに誰もいないことを確認して見てしまった。
隣の部屋に聞こえないことを異常に気にして、音量を2くらいにして見てしまった。
【日向坂で会いましょう】を。
ぼくは衝撃を受けた。
それが最高に面白いのだ。
オードリーと日向坂46の掛け合いが面白すぎた。
メンバーの中でも特に大野愛実?っていう人がよかった
(?とかつけてハスってんじゃねーよ!)。
メンバーのバラエティー力?が高くて興味を持ってしまった
(正直にかわいいからはまったって言えよ!ハスってんじゃねーよ!)。
危ない。
心の中のオードリーが出てしまった。
ちなみに【ハスる】というのは斜めに構えて物事を見るという事だ。
とにかくハスらないとぼくのなかのぼくがアイドルを応援することを認めてくれない。
若林はラジオで日向坂のマークが良くてファンになったとハスっていた。
そしてその大野愛実という人が気になってグーグルで調べてみた。
すると衝撃の事実を目の当たりにした。
なんと同い年なのである。
しかもグループに入って1年しかたっていないのである。
嘘だろ!あまりにも堂々としすぎだろ!
人生2週目を疑うほど大人びていた。
同い年が既にテレビで活躍していることに衝撃を受けた。
ぼくの中で活躍している同い年と言えば、せいぜいヤマル(サッカー選手)くらいしか知らなかった。
同い年がもう社会に出始めていることがうれしくもあり、すこし焦った(ハスってんじゃねーよ!)。
そんな中、日向坂のスマホゲームがあることを知った。
それは【ひなこい】という恋愛シミュレーションゲームであり、ゲームの中でメンバーと恋愛ができるとてつもないゲームである。
もちろんスマホの中に恋愛シミュレーションゲームが入っていることなど、高校時代のぼくが許すわけがなかった。
ましては、女性アイドルのゲームなんて、、、!!
2分後、スマホの上側にインストールが完了しましたの文字が浮かび上がった。
とりあえず、どんな感じか?ってことを知るために入れただけだ。
リサーチよ?リサーチ。
深夜一人の個室でいるわけないのに誰もいないかを確認して起動した。
ワイヤレスイヤホンがしっかりつながっているか5回くらい確認して起動した。
最初に推しを選択してね!という文がでてきた。
「この人しか知らないからこれにするよ」とハスった独り言を言いながら大野愛実を選択した。
次に、名前を教えてね!という文がでてきた。
最初にフルネームで打ってみたが、なんか恥ずかしくなったので2文字くらい削ってあだ名みたいにした。
すると急にメンバーから〇〇くんよろしく!みたいな文章がでてきて、変な声が出てしまった。
思っていたよりもストーリーがしっかりしている。
どんな内容かと言うと、ぼくが日向町の日向坂総合高校に転校してきて、廃部になった伝説のアイドル部を立て直すというものだ。
今文字にしてみると、なんだそれ!と言いそうになったけどはまったからには言えない。
金欠なのに課金しそうになったレベルだ。
学園ライフというモードがあった。
それはマップ上にランダムに表示されているメンバーの写真を押すと、その人と会話でき、会話すればするほど親愛度が上がるというものらしい。
大野愛実しか知らなかったので大野愛実にばかり話しかけていると、他のメンバーを選択したときにこんなことを言われた。
「最近、大野とばかり話してるよね?もっと私と話してほしいな!」
見られていたのかと思って怖くなりグーグルで調べてみるとどうやら同じ人ばかりに話しかけ続けると他のメンバーが嫉妬してしまうそうだ。
「いや急に嫉妬されたけど、まず誰やねーん!!♪」
というきしょすぎるツッコミを深夜一人の個室でスマホ画面に向かってしていた。
そして最後にガチャを引くことができた。
10連ガチャだったのだが、10連目に一番ランクの高いひな写(ゲーム内でバトルするためのメンバーカード)が出てきてテンションが上がったが知らない人だった。
ショックを受けながら、小さく書いてあった説明文を読んでみた。
そこには、「初回限定でこのガチャは何回も引き直すことができます。」と書いてあった。
なんて神ゲームなんだ!
それからぼくは大野愛実の星4がでるまで10回くらい引き直した。初日はこれくらいで終わった。
毎日無料で引ける10連なので気づくと大量のひな写を得ていた。
カードはレベルを上げることができるのだが、推しのカードを贔屓しすぎて3日くらい経つと、他のメンバーはレベル5とかなのに推しカードだけレベル60になっていた。
実際に5枚のデッキでバトルしてみるとそのカードだけ異常に強すぎて、小学生サッカーにメッシが混じってるみたいな無双ぶりだった。
日向坂に出会って、ゲームを初めてから現在まで1週間くらいが経ったが、少しずつ他のメンバーの名前も覚えてきた。
もちろんぼくがひなこいをやっていることなど、家族にも大学の友人にも誰にも言っていない。
学園ライフで話をするには行動力というものを消費しなければならないのだが、それは1度消費してしまうと復活するまで時間がかかってしまう。
なので、夜だけでのプレイじゃもったいないと感じてしまい、
夜プレイして、寝てる間に行動力を溜めて、朝プレイし、学校にいる間に行動力を溜めて、夜またプレイするという自慰行為のような習慣ができてしまった。
昨日は、朝するのを忘れていたことを大学で気づいてしまい、ついに洋式トイレの個室で隠れてしてしまった(ひなこいをね)。
はまりすぎてユーチューブで曲も聞くようになった。
するとおすすめにも日向坂関連の動画が来るようになり、マジカルラブリーの野田クリスタルが硬派な気持ちでひなこいをやっているということを知った。
仲間を見つけたようでうれしかった。
そう、ぼくもただかわいいからとかの理由でやってるんじゃない、硬派にやってるのだ!
最近、日向坂46はファンのことを【おひさま】と言っていることを知った。
高校時代のぼくなら自分がおひさまだとか恥ずかしすぎて言えるわけがなかっただろう。
だが、グループのデビューから今までの苦労を知ると、恥ずかしいとか言ってられなくなった。
ものすごい努力でここまで来ていたのだ。
自分と同じくらいの年なのに。
果たしてぼくはここまで努力することができるだろうか。
そういった同世代の刺激も含めてぼくは硬派に応援を続ける。
堂々とおひさまでいよう。
