100万回の命より、ただ1度の愛を【100万回生きたねこ:NHK100分de名著より】
先日、NHKの100分de名著にて、絵本特集が放送されておりました。

この番組のコンセプトは、難解で厚みのある古今東西の「名著」を、25分×4回(計100分)でわかりやすく解説する教養番組です。
忙しくてなかなか読書時間の取れない方もこの番組を見れば、見どころやポイントなどを簡潔に要約してくれますので、なかなかの優れモノなのですよ。
なので自分がかつて読んだ本や、未読だけど興味のある本を特集した時には重宝しております。
実は私、この番組が意外と好きで、かつては村上春樹氏の「ねじまき鳥クロニクル」を特集した際は楽しく拝見させていただきました。

20年ほど前にあの分厚い3部作を一気読みしたのですが、他の人から見たらどういう書評になるのか興味がありましてね。
そういえば上記の「ねじまき鳥」の時は25分×3回の枠でした。
それはさておき、今回の絵本特集の第1回目のお題はこちら。

ちなみに今回の絵本特集は1回25分で1冊×4回放送で、合計4冊を紹介する番組構成でした。
100万回生きたねこ:佐野洋子
1977年の刊行以来、百幾度も版を重ね、250万部を優に超えるロングセラー。
また翻訳を経て海外でも評価されており、我が国の絵本を代表する一冊と呼んで差し支えないでしょう。
さて感想を・・・と思ったけど敢えて割愛します。
もうこれだけメジャー作品だと、既に多くの人が詳しく解説していますからねぇ。
だからどう書いても、ほぼ必ず感想内容カブってしまうのよ。
なので敢えて私がここでやらんでも。(人と同じことを書きたくないというヘソ曲がり
ちなみに本作を未読の人って少ないと思いますが・・・一応そういう人の為にテーマだけ以下に書いておきます。
①愛することの喜びと悲しみ:
自分以外の誰かを深く愛し、その喪失を経験することこそが、生きる意味であると伝えています。
②「生きる」ことの真意:
愛や悲しみを知らない100万回の人生より、愛する存在と共に生きる1回の人生の方が、はるかに価値があるというメッセージです。
③生と死の受容:
死を恐れるのではなく、命の終わりを受け入れて「本当の自分」の人生を完結させるというテーマです。
こういう生命(いのち)に関わるお話なので、絵本とは言え、あまり子供向きでは無いかもです。
子供の頃ってスイミーみたいに情景が頭にスッと入ってくるような作品とか、ぐりとぐらやちびくろさんぼみたいに皆で楽しくホットケーキ食べてるような夢のある作品の方が印象に残りやすいのよね。
むしろ本作は、大人になって再度読み返した時にこそ、心に刺さるモノがある絵本だと思います。
余談ですがこの番組ゲストである、評論家の宮崎哲弥氏の解説がとても良かったです。
特に番組前半、「100万回輪廻転生を繰り返すことの意味」についての説明は目からウロコが落ちましたね。
100万人の飼い主から一方的な愛を享受するよりも、自分が選んだたった1人の誰かを愛する方が遥かに尊き事。
愛されるよりも愛したい真剣(マジ)で by KinKi Kids
余談ですが、宮崎氏は「ゴーマニズム宣言」にて、小林よしりん先生の論客として悪役扱いで描かれていましたが、なかなかどうして良い解説する人じゃありませんかぁ。
まぁそんな訳で、子供の頃に親や教師から読まされたけどピンと来なかったそこのアナタ。
たぶん今、改めて読んで見ると、いろいろと思うところがあるはずですよぉ。
