ジョッキーカメラでドウデュースのキャラが一目瞭然!感覚を数字が駆逐する日が来る?【日曜日はガチ#7】
数年前から始まったJRAのジョッキーカメラ。
あの映像を見て、みなさんはどのような感想をもちましたか?
「迫力があってすごい」
「ジョッキーって、こんな感じで馬とコンタクトを取っているんだ」
こんな感じでしょうかね?
純粋でいいと思います。
とても羨ましい感性。
でもね、僕は全く違うんです。
ジョッキーの視線よりも注目してしまったもの。
それは青い空でも緑の芝生でもなく、周囲の馬の動き、音で聞こえる息遣いでもありません。
もっともっと感動の少ない、機械的なものでしたね。
画面の左上のほうに出ていたスピードメーター。
アイツの存在です。
これを目にしたとき、あるカテゴリーの競馬予想家は存在意義をなくし、全く違うアプローチが必要になるときが来る……。
その恐怖を感じたんですよ。
◾️生き残れる競馬記者とその理由
トレセンに通い、競走馬の調教する姿を見て、必要とあれば、厩舎に足を運んでいる僕のような現場主義的な立場の記者は、まだ生き残れるかもしれない。
なぜなら、僕らの予想は感覚にも近いものだからです。
この馬の状態が良さそう。
この馬の能力がありそう。
明確なものは何もありません。
なので、断定することもできない。
言い方は悪いかもしれませんが、雰囲気勝負なんですよね。
でも、これは調教に乗る助手の方、馬の世話をする厩務員の方、それを管理する調教師の方も同じなんです。
もちろん、ジョッキーも一緒。
それを証明できる明確なものはない。
あっても心拍数などの内面的なもの。
能力の指針にはなっても、今日の予想に転用できるものではありませんでした。
ただ伝わってくる感覚で、これまでの経験で、判断しているに過ぎず、その感性の先にある答えも、常に100%ではないんですよね。
逆に言えば、感性の世界だからこそ、機械にポジションを取られることがない。
AIではできない仕事です。
ロボットが馬に乗る時代が来たら、わかりませんけど、10年後の未来ではないでしょうから、とりあえずは安泰かなと。
でも、数字をベースにしたものは違います。
◾️現在の数字予想はオワコンに近い
フェルマーの最終定理のような、珍しい課題を作ることはできない(いずれはA Iがこなしてしまうと思っていますけど)かもしれません。
答えのない答えを出すこと。
機械にできないかもしれませんが、こと数字に追求に関して言えば、最も得意とする仕事ですよね。
単純な走破時計だけでなく、上がり3ハロン、ラスト1ハロンの比較も、人間がやるよりも機械のほうが早くて正確。
ただし、この前にも少しだけ触れた走法や手前などの関係から、例えば、同じ上がり3ハロン33秒台、ラスト1ハロン11秒台でも、数字の出方は微妙に違います。
ラップ理論などと呼ばれるものは、僕も一通りは勉強したつもりですし、予想記事やレース後記などでは使用していますよ。
わかりやすいし、伝えやすいですから。
でも、その時代は終わりましたし、実は予想に活用することもあまりしていません(苦笑)。
現在は瞬間的な速度、及びその持続時間。
スローペース症候群になっているからこそ、これらが大事と考えています。
現在は成績欄に掲載されていないこれらのことが、明確になるとしたら……。
その馬の能力はもちろん、向いたコース、向いた展開、その馬に最適な騎乗スタイルまで判明してしまうかもしれません。
キャラクターの判明こそが、今後は予想のメインになっていく。
【逃げ・先行・差し・追込】
こんな従来の表記に加え、
【加速型、持続型】
さらには加速型Aランク、加速型Bランクのような、細かい分類をしていく時代が来る気がしているんです。
◾️数字が示す馬のキャラクター
ジョッキーカメラという絞った言い方をしましたが、要はJRAが特別競走において導入しているトラッキングシステム。
これを使えば、最高スピードだけでなく、平均時速も、加速の仕方までわかってしまう。
例えば、現役時代から僕がイメージしていたドウデュースのキャラクター。
実は今回の実験で、AIが完全肯定してくれました。
加速スピードが速く、最高速度も速い。
ですが、最高速度の持続は短い。
デビューから馬を見続けて、ようやく出した結論をたったの1走で理解されてしまったことは悲しいですけど、数字に示されたことにより、
「東京の長い直線で差し切りを決めるので、長く脚を使う持続型」
このようなオールドタイプの予想を、トラッキングシステムが一蹴してしまったわけです。
言葉だけでの表現は難しいので、折れ線グラフで説明しましょうか。
ジョッキーカメラが普及したのは最近ですから、同じ東京芝2400mで比較しました。
2024年のドウデュ―ス(ジャパンカップ)
2023年のイクイノックス(ジャパンカップ)
2025年のクロワデュノール(日本ダービー)
競馬ファンなら、勝ち馬の名前だけでなく、レースの流れ、直線の攻防まで記憶しているであろう3競走です。
これらの30m毎のスピードを抜き出し、グラフにしたものが以下になります。
もちろん、全てをAIにしてもらいました(笑い)。

急激な加速が一目でわかるドウデュースのグラフが上記です。
ギアチェンジのスピードが凄まじく、一方で脚を長くは使えない。
これが僕の推論だったのですが、ジャパンカップにおいては、まさにその形になっていますよね?
ちなみに以下の全ては僕ではなく、AIの評価です。
最高速度: 69.1 km/h
平均速度(1800m以降): 60.7 km/h
加速の特徴
今回の走行における加速の最大の特徴は、「終盤200m付近での急激なスパート」にあります。
1. 序盤から中盤の安定性
スタート後、速やかに60km/h前後まで加速した後は、56km/hから60km/hの間でエネルギーを温存しながら安定した巡航を続けています。
2. 1800mからの変化
1800mを過ぎたあたりから徐々にペースアップの兆候が見られますが、2100m付近まではまだ57km/h前後を維持しています。
3. 驚異的なラストスパート
残り300m(2100m地点)を切った瞬間から、グラフが垂直に近い角度で立ち上がっています。
わずか200mほどの間に速度を10km/h以上引き上げ、一気に最高速度の69.1km/hまで到達しました。
この「一瞬でトップスピードに乗せる瞬発力」と「ゴール直前での爆発的な加速」が、この走行の際立った特徴と言えます。
詳細な地点データを精査した結果、68km/h以上の速度を維持して走った距離は約67mとなります。
算出の根拠(地点データ)
30m刻みのデータから、速度が68km/hを境界線として上下した区間を特定しました。
加速フェーズ: 2280m地点(67.8km/h)からさらに加速し、2285m付近で68km/hの大台を突破しました。
ピークフェーズ: 2310m地点で最高速度となる69.1km/hを記録し、2340m地点(68.6km/h)まで高い推進力を維持しています。
減速フェーズ: 2340m地点を過ぎてから緩やかに速度を落とし、2352m付近で68km/hを下回りました。
走行の特徴
この「68km/h超え」の領域は、全2400mの内のゴール前わずか3%に満たない距離です。
しかし、この極めて短い区間で一気に他を引き離す爆発的な末脚を繰り出していることが、データからも鮮明に見て取れます。

次はイクイノックス。これもAIに評価を聞いています。
最高速度:68.0 km/h
1800m以降の平均速度:61.9 km/h
データから読み取れるイクイノックスの加速には、他馬を圧倒する異次元の数値がいくつか現れています。
1. 驚異的な最高到達速度
イクイノックスが記録した最高速度 68.0 km/h は、次に比較をするクロワデュノール(66.7 km/h)を大きく上回る圧倒的な数値です。
特に、残り534m地点(64.5 km/h)から残り444m地点(68.0 km/h)にかけて、わずか100m足らずで速度を3.5 km/hも引き上げる瞬発力は、まさに世界レベルと言えます。
2. 高速域での圧倒的な持続力
イクイノックスの真の恐ろしさは、単なる最高速だけでなく、その「維持能力」にあります。
最高速を記録した後も、残り264m地点まで 65.5 km/h以上 の超高速走行を約200mにわたって維持し続けています。
多くの馬が最高速に達した直後に失速を始める中で、これほど長くトップギアを維持できるスタミナと心肺機能の高さが、独走劇を生む要因となっています。
3. 無駄のない「巡航スピード」の高さ
1,800m以降の平均速度が 61.9 km/h と非常に高いことも特筆すべき点です。
中盤のラップを緩めすぎることなく、他馬よりも一段高い基礎スピードで走り続けることで、後続に脚を使わせ、かつ自分は最後の爆発的な加速に繋げるという、隙のないレース運びがデータからも裏付けられています。
以上の解析から、イクイノックスは「圧倒的な最高速」と「それを維持し続ける異常な持続力」を併せ持つ、近代競馬の結晶のような加速性能を持っていることが分かります。

次はクロワデュノールです。
最高速度:66.7 km/h
1800m以降の平均速度:60.5 km/h
1. 鋭い「二段加速」の構成
この馬の最大の特徴は、レース序盤と終盤の2回、ほぼ同じトップスピード(66.7 km/h)を叩き出している点です。
まずスタート直後の200m付近で一気に加速して好位を取り、その後は中盤で50km/h台後半まで意図的にペースを落として脚を溜めています。
残り600m付近から再び急加速を開始する「明確な二段階のギアチェンジ」が確認できます。
2. 長く持続する末脚(ロングスパート能力)
通常、ラストスパートで最高速に達した後はゴールに向けて失速していくケースが多いですが、クロワデュノールは残り426m地点で最高速の66.7 km/hを記録した後も、ゴールまで60km/h以上の速度を維持し続けています。
これは、瞬発力だけでなく「高速域での持続力」が極めて高いことを示しています。
3. 中盤の安定した「巡航性能」
レース中盤(残り1,800mから残り800m付近まで)の速度変化が非常に少なく、58km/h前後でピタッと安定しています。
この安定した巡航能力があるからこそ、体力を温存し、最後の直線で再び66km/hを超える爆発的な加速を繰り出すことが可能になっています。
以上の解析から、クロワデュノールは「自在性の高い位置取り能力」と「バテない高速持続力」を兼ね備えた、非常に完成度の高い加速性能を持っていると言えます。
◾️キャラクターの相似を理解できる
この検証結果を受け、僕は「イクイノックスとクロワデュノールのキャラクターは同一と言えませんか?」と質問してみました。
で、AIの答えは以下の通りです。

比較解析:2頭は同じキャラクターか?
結論から申し上げますと、この2頭は「超高速巡航から、さらに一段上の脚を使う」という、極めて稀で強力な同一系統のキャラクターだと言えます。
1. 共通する「二段階加速」の構成
グラフを見ると、2頭ともスタート直後のポジション争いで一度加速し、道中で息を入れ、終盤で再び爆発させるという「M字型」に近い速度曲線を描いています。
特に、道中で58km/h以上の「他馬ならスパートに近い速度」で走り続けながら、最後にさらなる加速を引き出せる点が共通した強みです。
2 .巡航精度の違い
イクイノックスは中盤でも速度が落ちきらず、60km/h付近を維持し続ける「基礎体力の塊」のような走りです。
対するクロワデュノールは、中盤で56km/h台までしっかり落として溜めを作ることで、序盤と終盤に「最高速の山」を2回作る、よりメリハリの効いた構成になっています。
3. 加速の「絶対値」
数値上はイクイノックスが最高速度・平均速度ともに1枚上手です。
しかし、クロワデュノールが「新馬戦」や「重賞」の段階で、すでにイクイノックスに近い「高速巡航+二段加速」の形を完成させている点は驚異的と言えます。
この2頭は「同じキャラクター」と言って間違いありません。
イクイノックスが「完成された絶対王者」としての数値を示しているのに対し、クロワデュノールはその王者の走りをより戦略的(メリハリを利かせた形)に再現している「次世代の怪物候補」であると評価できます。
◾️数字を重宝しやすい真面目な国民性
意外と読めるというか、妙に納得しちゃいますよね?
たった3本の動画を読み込ませただけで、ここまでのことを分析してくるAIに対し、同じことを論理的に言える記者がどこまでいるのか?
そんなことを思ってしまいました(苦笑)。
真面目な国民性が影響しているのか、日本人は「感覚」よりも、「数字」を重視する傾向があります。
文系よりも理系を選択している人を、なんとなく「頭がいい」と思った感覚、誰にでもあるものでは?
僕にはあります、文系ですから。
競馬の予想においてもそうで、数字で説明されると、それが正しいと思ってしまいますし、実際に数字を並べる予想家は人気もあります。
でも、これからはこのレベルが最底辺です。
これができないと、感覚派の僕よりも下。
ユーチューバーの方々はもちろん、動画配信をしている記者も知識として知らないといけない。
お金を取って、知識を売る以上、ここが最低限のレベルになると予測しています。
いやあ、大変だなと同情してしまいますね。
サンプルが豊富にあるのであれば、僕も活用していきたいですし、仮に情報を持っているJRAが
「最高速度」
「平均速度」
「最高速度に到達するまでの時間」
「最高速度に近い数字で走れる時間」
などの数字を出走全馬について発表した場合、こちらを優先して予想したほうが絶対にいいとも思います。
さらに言えば、スピードの出方一つでトラックバイアスまでわかる日が来るかもしれない。
怖いですよねー、トラッキングシステム(苦笑)。
血統もそうですけど、簡単に誰でも調べられる時代だからこそ、それを仕事にする人間はテクノロジーに対抗していかないといけない。
テクノロジーに勝とうと思うのではなく、別の土俵で戦っていくことを決意する僕なのです(苦笑)。
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