【詩のようなもの】 バオフォンユウ 《風まかせ文芸部》
BFYという名の
極めて危険なドラッグが
出回ったとき
それを
製造していた元締めは
当時三十代後半の男で
多くの兵士が亡くなった
戦線の生き残りでした
聞いた由来では
BFY
バオフォンユウは
中国語で
暴風雨の意味
荒れるがバオ
風がフォン
雨がユウ
激しい闘いの最中
雷雨が戦場を
覆ったそうです
銃弾と雨が止み
空がスッと
碧くなると
田畑にできた
広大な水たまりが
空と
山と
草木と
兵士や市民の遺体を
全てそのまま
映し出した
その時
自分が
この世界の
真ん中に
連れてこられたと
そう
感じたのだそうです
彼は
この世界を
憎んでいたのか
何かを
映し出したかったのか
あるいは
洗い流したかったのか
今となっては
わかりません
我々が
組織拠点の
制圧を行った日
激しい通り雨が
ありました
最後まで
抵抗した彼は
撃たれた後
水たまりの上に
仰向けに倒れ
雨上がりの
陽が差した空を
見つめたまま
死にました
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
