【詩のようなもの】 43-10 《風まかせ文芸部》
もうずいぶん
昔のことだけど
ヨンサントオ大改正ってのが
あったの
昭和43年10月1日
戦後最大の
全国的な鉄道ダイヤ
白紙大改正
特急網が整備されて
そっちは大幅な
増便になったんだけども
ここから
SLなんかは
激減したわけ
その年の冬
私らのいた村を
豪雪が襲ってね
文字通り
真っ白な世界に
閉じ込められてしまった
当時
私はまだ若かったけど
これはマズイと
思ったね
玄関や窓が
塞がって
屋根も軋んで
そんなとき
SLの汽笛が
聞こえたの
ブォォォンっていう
もう通らなくなったはずの
SLの汽笛が
一度や二度でなく
三度、四度とね
なんだか
私らを励ますように
聞こえてさ
降り止むのを待って
雪の壁の隙間から
なんとか外に出て
結局村は
復旧できず
そのまま廃村になって
私らは転居先から
再出発をすることになった
ただの
気のせいだったのかな
あのときの汽笛は
なんだったんだろうと
今だに思うよ
でも
列車は
白紙になっても
動く車両と
使えるレールがあれば
また
人と一緒に
走り出すからね
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
Memo
ヨンサントオ大改正
特急ネットワークが構築された一方、赤字ローカル115線の一日あたり合計およそ18500kmが運行削減となった。
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