【詩のようなもの】 踏みつけの庭 《3つのお題に空想のひらめきを第40回》
あの男の子が
事故で両親を亡くしたのは
彼が
6歳のときでした
しばらくして
男の子は
庭に咲くたんぽぽを
一つ残らず
踏みつけるようになった
気が紛れるのではと
思ったのでしょうが
周りの誰かが
こう言ったのです
君の
お父さんと
お母さんは
たんぽぽ飛行船の
綿毛に乗って
星くずの郵便局まで
行かなければ
ならなくなった
離れてしまっても
ずっと君を
愛しているよと
ときに
子供の心理は
大人が思うより
はるかに
複雑です
それが本当ならば
両親がどこにも
行かないよう
綿毛に
乗れなくすればいいと
私が初めて会ったとき
男の子は
涙で顔を
ぐしゃぐしゃにしながら
ありったけの力で
たんぽぽを
踏みつけていました
親は
わずかでも
子を失わない
可能性があるのなら
何でもする
それは
子供の側も
同じです
たんぽぽだけが
踏みつけにされた
その庭は
いなくなってしまった
家族の
消えた王国の
地図だったのです
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
お題:
星くずの郵便局
たんぽぽ飛行船
消えた王国の地図
