【詩のようなもの】 カントリー・ミュージック 《3つのお題に空想のひらめきを第52回》

ご覧のとおり
荒野のド真ん中にある
寂れきった街だ
建物も車も
あらかたボロで
生き生き舞っているのは
風と砂だけ
ホラー映画にでも
盛大に使ってくれと思うよ
だがかつては
UFOの街として
有名になった
時期もあってね
何人もの住民が
夜中異星人に拐われて
朝帰りしたと
次々に主張したんだ
地元のミュージシャンが
歌まで作っていたよ
だいたい
こんな感じだ
星の彼方からやってきて
夜空を遮り浮かんでる
君はまるで歌う湖
もったいつけた
機械音だけのプレリュード
地上に注ぐ光線は
俺らを誘う銀色の橋
チケット代が必要だ
じいさん
懐中時計を持っていけ
ばあさん
ペンダントを持っていけ
ワンピースの乙女
わら半紙のラブレターを
持っていけ
麦わら帽子の少年
最後の10円玉を
持っていけ
ここに二度と戻れなくとも
生まれた土地を愛しているが
何もなくなったこの街から
俺らは羽ばたくときだろう
ここに二度と戻れなくとも
おもちゃみたいな円盤よ
崩れかけの地下に眠る太陽を
引きずり出して連れて行け
このUFO騒ぎには
事情があってね
当時この一帯の
景気はドン底だった
ほとんどの
産業が廃れ
3500の人口は
1000まで減った
よそ者がやってきて
空き家で麻薬売買や
レイプが増え
治安が悪化したが
街には廃屋を更地にする
金もなかった
苦肉の策として
エイリアンの
力を借りたのさ
UFOの街として
注目が集まれば
犯罪がらみの連中も
派手には動けなくなる
皆を騙して
すまないと思ったが
それだけ
必死だったんだ
今はもう
当時を知るのは
私を含め
数えるほどだが
地球を訪れる
UFOの中には
こんな真実も
あったりするんだよ
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
お題:
地下に眠る太陽
歌う湖
銀色の橋
わら半紙のラブレター
麦わら帽子の少年
最後の10円玉
トップのイラスト
