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【詩のようなもの】 谷底の風 《3つのお題に空想のひらめきを第33回》



あの

谷底に見える

廃墟は

かつての

製粉場跡だ

だが

谷底の立地は

日当たりも悪く

品質はさほど

良くはなかった

失敗作の楽園

などと

揶揄されて

いたらしい

中世の時代

この地に

七回目の人類が

入植してきた時

大きな

地震があった

村の建物は

半数以上が

倒壊し

製粉場の小麦は

略奪された

そのとき

経営者の一人娘が

消えたそうだ

原因は

地震なのか

別の理由なのか

記録は

残っていないから

消えたとしか

わからない

確かなのは

あそこが

廃墟になった後

よく風が

吹き抜けるように

なったことと

その風が

甲高い

淋しげな音に

聞こえるときが

あるってことだ

近頃じゃあ

風を司る

神さまの留守電

なんて言う

やつもいるが

あの

巻いた風は

女性の

嘆き声に

聞こえるという

住民もいるよ






*こちらに参加させていただきました🙇‍♂️
 お題:
 神さまの留守電
 七回目の人類
 失敗作の楽園
 トップ画のイラスト


元ネタMemo
ムリーニの谷
イタリア・ソレント タッソ広場近く
10世紀ごろ製材場として始まり、13世紀から製粉場として操業。1940年閉鎖。
Memoの情報以外はフィクションです。



#3つのお題に空想のひらめきを第33回 #詩のようなもの #現代詩 #詩 #創作 #ムリーニの谷

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