【詩のようなもの】 山の手紙 《3つのお題に空想のひらめきを第30回》
ここから
50kmほど北東にある
山の八合目あたりに
小屋がある
まぁ
備え付けのベッドが
あるだけの
雲の上の待合室
といった
風情だが
木製の
先端が円になっていて
真ん中に穴の開いた
木の指輪みたいな
フックがあってさ
いつからか
そこに
丸められた
数枚の便箋が
挟まっていた
中を読んだ者は
おそらくいない
ひょっとしたら
白紙なのかも知れない
いざ読んじまうのが
怖いってのも
あるんだろう
だが
もう長いこと
ずっとある
今じゃあ
SNSなんかに載って
ちょっとした
話題になることもあるが
それを書いた
あるいは
挟んだという人間は
現れない
要するに
何もわからない
それはきっと
消えない手紙だ
でも
どこにも届かない
俺なら
神への恨み言でも
二つ三つ
書いてやるが
もし
あんたなら
そんな手紙に
誰に
何て書く
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
お題:
雲の上の待合室
消えない手紙
木の指輪
