【詩のようなもの】 はじまりを欲した終焉 《3つのお題に空想のひらめきを第47回》

かつて天から
空に落ちた国ってのが
あってね
いや
正確には
空に落とされた
だな
天上から
追い出された理由は
この国のやつらが
世界のはじまりの音を
聞こうとしたからだ
脳がボケたりしなきゃ
私らは
死の瞬間を認識できる
死に際を
選ぶこともできる
だが
生まれは選べないし
生まれ出でた瞬間の
記憶もない
こいつらはそれが
我慢ならなかったんだよ
どれだけ労力をかけても
手に入れられず
どれだけ知恵を絞っても
わからないということが
不安で仕方なかった
なぜ私らに
それが与えられないのか
実際に
望まれない命ってのが
あるだろう
生まれてすぐに
コインロッカーに
入れられたり
トイレに
流されてしまうような
そんな記憶だけで
死んでしまったら
その魂は二度と
生まれてこようとしない
あるいは
これ以上ない
祝福を受けた記憶が
最初にあったら
その後に
耐え難い困難なんかが来ると
始まりの記憶の中に
閉じ籠もってしまう
だがそれでも
空の住人たちは
止まらなかった
支配層の
金持ち長者と消えた金は
知能やテクノロジーの開発に
惜しみなく注ぎ込まれ
はじまりの瞬間に
自分たちは
何を見て
何を聞いたのかを
解き明かそうと
突き進んだ
やがて
太陽すらも
その執着に怯えるように
なったとき
彼らが開発した知能が
はっきりと
その瞬間を見たのさ
己の渇望のためだけに
自分を利用しようと生み出した
者たちの顔をね
そして知能たちは
この国を滅ぼすことにした
空の国は地に墜ち
文字通り
砕け散った
与えられないということも
また
愛であると
最後まで
理解できないまま
結局
生き残ったのは
はじまりを知らず
その光景を
見ていた者たちだ
怯えていて
泣き虫な太陽のことが
気がかりだった
山うさぎの願いごとは
太陽が再び
笑ってくれることだった
住処が
降ってきた瓦礫の
下敷きになってしまった
おおかみと春の花は
強く吹く風の日に
種を飛ばし
おおかみはそれを追って
駆けていったそうだよ
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
お題:
空に落ちた国
世界のはじまりの音
泣き虫な太陽
山うさぎの願いごと
おおかみと春の花
欲張り長者と消えた金
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