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【詩のようなもの】 階下の遺物 《3つのお題に空想のひらめきを第34回》



下の階のじいさん

亡くなったのか

残念だな

部屋の中に

街灯とか

ベンチの写真が

わんさかあったろ

面白い

じいさんでな

アトランティスや

ムー大陸といった

伝説は

かつて

空中に存在したと

本気で

信じていたようだ

いくら地中を掘っても

痕跡が見つからないなら

そう考えたほうが

合理的だと

言ってたな

その技術や歴史は

忘れ物を預かる

小さな雲の形で

誰にも気づかれず

当時から空に

浮かんでいる

雲に収められない

重量のあるものは

そのへんの街並みに

紛れているってさ

なんでもそれらは

名前を呼ぶと光る、古い街灯と

朝になると消えてしまうベンチで

だからよく

写真を撮っていた

詳しく

聞いたわけじゃないが

きっと

妻子を亡くしたことが

関係していたんじゃないか

じいさん

早朝の公園のベンチで

見つかったって

あんた言ったよな

そのすぐ傍に

古い街灯が

なかったか

おそらく

妻か子どもの名を

呼んだんだろう

街灯が光って

じいさんは

去っていった

となると

頭上には

小さな雲も

あったはずだ

変わっていたが

善い人だったよ

そういうことに

しておかないか








*こちらに参加させていただきました🙇‍♂️
 お題:
 名前を呼ぶと光る、古い街灯
 忘れ物を預かる小さな雲
 朝になると消えてしまうベンチ
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#3つのお題に空想のひらめきを第34回 #詩のようなもの #現代詩 #詩 #創作

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