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【ショートショート】 その空白をあなたならどうするか 《風まかせ文芸部》


体長50mほどの怪獣が暴れている。
壊されるビル。逃げ惑う人々。立ち上る煙。
そこへ空からヒーローがやってくる。

ドゥワ!(許さんぞ!)
バキッ!!
ドゥ…ドゥワ!?(えっ、勝った!?)
ドゥワー!!(さらばだ!!)

屋上から戦いの様子を見ていた隊長と女性隊員。
「勝っ…た?」
「勝っ…たようですね」
「あ〜…え〜っと、あ! ありがとー、ヒーロー」
「あ…ありがとー」
「…」
「…」
ひそひそ声で話す二人。
「(いや、ヤバいっしょ、これ! あいつ秒で勝っちゃったじゃん! どうすんの、この後!?)」
「(し、知りませんよ!! あと5分ぐらい戦ってエンディングの予定だったじゃないですか!)」
「(ヤベーって! 全国ネットよ、これ! 何でヒーロー登場して3秒後から放送事故ってエクストリーム地獄始まってんの!?)」
「(何とかして下さい隊長!)」
「(いやいやいや、地球防衛しても視聴率の防衛は荷が重いって!!)」
「(いいから何とかして下さい!)」
普通の声量で喋り出す隊長。
「あ〜…ねぇ、今朝は氷点下〜…までねぇ、下がりましたけれども。ん? あぁ、いや…なんていうか〜、あれだね。なんだかんだ大寒て暦どおりだね」
たまらずに俯く女性隊員。
「…そ、そうですね」
「え〜っとぉ…その〜、昔、といっても50年ぐらい前のことだけど、ケニアでアフリカにいるはずのない熊が目撃されたって話があってね。なんかまぁ〜、密輸入とかしたのが逃げたんちゃうかー、って説なんだけど、現地のナンディ周辺の言葉で悪魔を意味するケモシットって呼ばれたり、脳を食べる者を意味するゲテイトって呼ばれたりしていた…そうだよ。怪獣ってのは…ねぇ、いつどこに出てくるかわからないもの〜、だねぇ」
たまらず両手で顔を覆う女性隊員。
「…はい。そうですね」
「顔を上げなさい、アヤカ隊員!」
「はいっ!!」
「困難から目を背けてはダメだ! たとえ成功の見込みが薄くても。この際だから言ってしまおう。
 アヤカ君、この放送が終わったら私と付き合っ…」
「ムリです! ごめんなさい、ムリです! マジでムリです!」
瞬間、やや強い冬の風が屋上を吹き抜けていく。
「…うん。少し、日が長くなったなぁ」
「…はい」

カンペ
[つないで! あと2分つないで!]





*こちらに参加させていただきました🙇‍♂️


#風まかせ文芸部 #3秒後 #ショートショート #創作

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