見えない壁は、いつも善意の顔をして現れる。
「困っていそうだから」「手伝ったほうがいいから」。
そんな気持ちが先に動くとき、人は無意識のうちに“距離”を飛び越えてしまうことがある。
その一歩が、相手にとっては壁のように立ちはだかることがある。
本当に必要なのは、急いで手を伸ばすことではなく、
まず相手の様子を“見る”という、ほんの短い間だ。
その一瞬があるだけで、
相手が求めていることと、自分がしようとしていることのズレが静かにほどけていく。
優しさは、気持ちの強さではなく、
相手とのあいだに流れる“順番”で形を変える。
優しさにも、そっと守りたい順番がある。
