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下を向いていた頃には見えなかったもの

古くからある小さな神社を囲んで道が作られたんだろう。
車一台が通れるほどの一方通行で、ひと駅ちかくまっすぐに続いている。
そこを毎日歩いて職場に向かっている。

時にその道の先には朝の太陽がまっすぐに続いていたり、
心地よい風が吹き抜ける。
空気が澄んでいる時にはひと駅近くまで見えるのではないかと思うほど遠くまで見える。

わたしはその道が好き。

その細い道のわきには泰山木の巨木がある。
とても大きい巨木なので、下を向いて歩いているとたわわに咲かせた花に気が付くことができない。

驚くことに、数年前までその木に気が付いていなかった。
毎日毎日歩いていたのに。

家族のことに悩み、仕事に悩み。

前を向いて歩いているつもりで、ほんとうは下ばかり向いていたのかもしれない。

だから、毎年こんなにも大きな花を咲かせていたことに、気づけなかった。

泰山木の花が咲く季節になるたびに思う。

空を仰げる心の軽さが、今ここにあること。

遠くまで続く道を、ちゃんと景色を見ながら歩けること。

そんな何気ない日常に、静かに感謝したくなる。

今日は月がきれいに見える。
さそり座の月はこころの奥に静かに、深く潜らせてくれる。

表面的な楽しさや軽やかさよりも、

  • 隠していた感情

  • 言葉にならない執着

  • 守りたかったもの

  • 怖かったこと

  • 手放せなかった思い

そういう“こころの地下水脈”みたいな場所へ光を当てていく。

だから、今日は少し感情が濃くなったり、
昔のことを思い出したり、
理由もなく誰かの言葉が刺さったりする。

でもそれって、
苦しいだけじゃなくて、

「ほんとうの気持ち」

を探求している感覚。

しかも今日みたいに月がきれいな夜は、
感情を無理に整理しなくても、

ただ静かに空を見上げるだけで、
こころの奥が少しやわらかくほどけていく🌙


そっと目を閉じて、

こころに映る月の明かりを感じてみて。

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